生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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写真展「亜熱帯やんばる〜多様性の森」終了しました。 ありがとうございました。
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2002.6.21
ちょうど夏至の今日、沖縄地方の梅雨明けが宣言されました。空には雲が多いものの、ときどき顔を覗かせる青空は、やはり夏そのものです。
 ほぼ例年どおりの梅雨明けですが、ダムの貯水率は例年のこの時期より20パーセント以上も下回っています。梅雨の期間中の降水量は、那覇では平年以上だったそうですが、水源地では、今年に入ってからの少雨傾向を解消するには不充分だったようです。
 94年以来の給水制限は、取り敢えず延期されたようですが、これだけたくさんのダムを建設しても、まだまだ充分な備えではないようです。沖縄本島の北部の河川のほとんどにダム建設計画がありますが、当然、後に残っている河川ほど条件はよくありません。
 世界的な希少動物の生息地に、莫大な費用で建設されるダム。私も日々その水を頼りに生活しているひとりですが、増加する水消費量をダム建設によって補う図式が、そろそろ修正されないものでしょうか。ダム建設費用を都市部の徹底的な節水型構造への改修費用に充てる。決して非現実的な考え方ではないと思うのですが、これが容易に実現出来ない人間社会とは実に困ったものです。
  梅雨明けの空
梅雨明けの空
NikonD1X VR Nikkor80-400/4.5-5.6 PL Filter
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リュウキュウアブラゼミ
リュウキュウアブラゼミ
NikonD1X VR Nikkor80-400/4.5-5.6 Speedlight
  2002.6.9
沖縄本島中部でリュウキュウアブラゼミが鳴き始めました。と言っても、4月には南部でイワサキクサゼミが、先月からはクロイワニイニイが鳴き始めていますから、セミの初鳴きというわけではありません。
 前回、昆虫にはほとんど方言名がないのに、セミの仲間だけは例外だという話をしました。このリュウキュウアブラゼミは方言では「ナービカチカチ」と呼ばれています。昔、薪で煮炊きした鍋底にこびり着いた煤(すす)をかき落とすときの騒々しい音に、鳴き声を例えたものです。
 他のセミの仲間の方言名は、クマゼミを「サンサナー」、クロイワツクツクを「ジーワ」など、鳴き声をそのまま当てはめたものがほとんどです。しかし、リュウキュウアブラゼミの場合は、鳴き声そのままではなく、ちょっとひとひねりしたネーミングなのです。
 姿は本土のアブラゼミにそっくりですが、本土産の「ジ~~~ッ」と連続した鳴き声に対して、リュウキュウアブラゼミは「ジジジジ~ッ」と短く区切って鳴くのが特徴です。アブラゼミの名前のルーツが油、リュウキュウアブラゼミは煤と、どちらも台所に関連した偶然に、ちょっとした面白さを感じます。
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2002.6.7
例年ならば、梅雨も残り2週間足らず。それなのに、梅雨末期の大雨の気配もなく、ダムの貯水率は50パーセントを切ったまま。そろそろ給水制限の実施も現実になりそうな様子です。
 晴れるでもなく、本降りになるでもなく、時折パラパラと小雨の落ちる中、オオハマボウの薄黄色の花が開いていました。午前中はこのような色彩ですが、午後の時間を回るに従ってオレンジ色へと変化し、夕方には散ってしまいます。
 標準和名はオオハマボウですが、方言では一般にユーナと呼ばれています。いつも驚くことですが、植物は、事細かにほとんどの種に方言名が付けられています。それに対し、昆虫は、ごく大雑把な方言名しかありません。
 植物は、昔の生活での衣食住の材料ですから、すべての種を識別して、利用可能か否かを知っておく必要があったからなのでしょう。しかし、昆虫は小さくてすぐに逃げるので識別が難しい上、ほとんど害虫としての認識程度しかなかったに違いありません。唯一の例外がセミの仲間です。かなり細かく一種一種に方言名が与えられています。姿は見えなくても、鳴き声で区別が出来るため季節の風物詩して捉えられていたのでしょう。
  オオハマボウの花
オオハマボウの花
NikonD1X Micro Nikkor 60/2.8
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