生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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写真展「亜熱帯やんばる〜多様性の森」終了しました。 ありがとうございました。
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エゴノキ花
エゴノキ花
NikonD7000 Nikkor70-300/4-5.6ED Speedlight ISO1600
  エゴノキ花
エゴノキ花
NikonD7000 Nikkor70-300/4-5.6ED Speedlight ISO1600
 
2012.3.31
フィールドでの常用レンズの1本、VRニッコール70-300mmF4.5-5.6EDのVR(ブレ軽減)機能が故障してしまい、修理に出していました。
その間、VR機能のない前世代のレンズを代用していました。
そのレンズで撮影したのが、エゴノキの花。
沖縄では、冬の花の一種ですが、今年は3月になってからが開花のピークにように感じました。

この久しぶりに現場復帰したレンズですが、かなり柔らかい描写に驚きました。
撮影中にプレビューしながら、「このレンズも故障しているのか?」と思った程です。
しかしよく見ると、合焦部分は、ちゃんと解像しています。
このレンズの現役時代は、よいレンズだと思い愛用していましたが、既に旧製品の仲間入りのようです。
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MacBookAirとMacBookPro
MacBookAirとMacBookPro
Ricoh GXR A16 24mm相当
  2012.3.30
業務日誌を2日間サボってしまいました。
これまでメインで使ってきた、ブック型パソコンが壊れてしまったためです。
修理の見積もりに行くと、9万円程度で1週間から10日掛かるとのこと。

古い表現ならば「マーフィーの法則」。
月末に、現在準備中の図鑑の大きな締め切りが控えている身。
金額もさることながら、このタイミングでのこのブランクは、余りに大き過ぎます。
しかも世の常で、担当編集者には、進捗状況を「蕎麦屋の出前方式」の前倒しで伝えていますから、そのギャップも埋めなければなりません。

一応、修理に預け、その足で近くの大型家電店へ。
そこで、MacBookAirを購入してしまいました。
初代のこの機種は、自分自身の仕事には使えないと思っていたのですが、最近、知人数人が購入し、「速い!」と聞いていました。
それに、修理見積もり金額に数万円を足した出費でした。

軽量コンパクト第一のAirですから、当然トレードオフの部分はあります。
まず、液晶サイズが13インチ。画像を扱うには、やはり15インチは欲しいところです。
老眼を否定できない眼には、文字などの表示サイズも辛いところです。
まぁ、この機種を選んだ時点で、年なんですけど。

携帯性(A4サイズ1.35kg)が最大のアドバンテージですが、もうひとつ大きな魅力があります。
ハードディスクの代わりに、フラッシュメモリが採用されています。
そのために、これまでハードディクスに依存していた処理が圧倒的に速いのです。
プロセッサーの1.7GHzからは伺い知れない機敏さです。
恐らく、対衝撃性も優れているはずです。

さて、Airのシステム構築しているところで、MacBookProの修理見積もりの連絡がありました。
予想どおり、最も金額の嵩むロジックボードの交換という結果なので、即座に断ろうとしたのですが、「○○適用で無償修理扱いです」
???
要するに、交換パーツにリコールが掛かっていたようです。
という顛末で、2機種が揃う結果となりました。
同じデスクトップ画像を表示して並べてみたのですが、かなり色が違いますね。
同じキャリブレーションをしているのですが、まだまだ本格稼働まで細かい問題が残っているようです。
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2012.3.27
昨夏、知人のブログ鯉太朗 お散歩日記で、この派手な色彩の蛾を見ました。
徳之島での撮影ですが、見慣れない印象。
ところが、分布をみると、沖縄本島も含まれています。

「あぁ、そう言えばいつもすぐに逃げられてしまう、あのオレンジ片か?!」

山原(やんばる=沖縄本島北部)の林道で、ときどき小さなオレンジ色の破片に遭遇します。
その飛び方から蛾の仲間であろうことは想像できるのですが、小さいうえにすぐ逃げられてしまうので、そのディテールを確認したことはありませんでした。
昨年の夏は、注意はしていたのですが、その姿を完全に捉えることはできないまま終ってしまいました。
一度だけ、斜めから小さめに、センダングサで吸蜜する姿を撮影しただけです。
この鮮やかなイメージとは、程遠い画像でしかありませんでした。

今回、やっとその宿題を果たしました。
やはり何度も逃げられては、そっと忍び寄るのを繰り返した後、シダの葉裏に落着きました。
逃げられないように、ローアングルから狙うこと数10カット、ついに鮮明な画像が得られました。
こんな葉裏にとまり、地上からも距離のない条件での撮影は、コンパクトカメラでこそ可能なものでした。
  キンモンノメイガ
キンモンノメイガ
Ricoh CX6 105mm相当 Speedlight
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オキナワアオジョウカイ
オキナワアオジョウカイ
Ricoh CX6 105mm相当 ISO400 Speedlight
  マルムネジョウカイの一種
マルムネジョウカイの一種
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5 F11 ISO800 SpeedlightX2
 
2012.3.25
今の季節、山原(やんばる=沖縄本島北部)の森では、さまざまな甲虫たちが活動しています。
オオシマオオトラフコガネやオオシマカクムネベニボタルに目が行き勝ちですが、ジョウカイボンの仲間も少なくありません。
まぁ、体長10mm以下で地味な種類が多いので、目立たないと言えば目立たない存在です。

目立たないほうの例が、マルムネジョウカイの一種として掲載したものなどでしょうか。
リュウキュウマルムネジョウカイという種に基本的に似ていますが、これは前胸背板に紋様がないので、別種のようです。
沖縄のジョウカイボンは、近年分類が進んできたようなので、最新の情報をチェックする必要があります。

地味な姿の多いジョウカイボンの世界で、アオジョウカイの仲間は別格です。
青い金属光沢を放つ上翅と、補色関係にあるオレンジ色の腹部は、鮮やかなコントラストです。
山原では、アマミアオジョウカイとオキナワアオジョウカイが知られています。
前種は、前胸背板の黒い斑紋が、左右2つに分かれ、オキナワアオジョウカイよりもやや小型で、個体数は多めです。
一方、オキナワアオジョウカイは山原の固有種で、アマミアオジョウカイに比べると、遭遇頻度はそう高くありません。

オキナワアオジョウカイに出会ったのは、何年ぶりのことでしょうか。
しかし、このとき虫の眼レンズをセットした大型ビデオカメラで、車から離れて撮影しいていたため、手許にあったスチル機材は、コンパクトカメラだけでした。
久しぶりの遭遇ですから、一眼レフでしっかり撮影しておきたかったのですが、まぁ、フィールドワークとはそんなことの繰り返しです。
これを補うには、ひたすらフィールドにいる時間を長く確保することしかありません。
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トガリベニスジヒメシャク?
トガリベニスジヒメシャク?
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5
  枯葉
枯葉
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5
 
2012.3.24
今回の山原(やんばる=沖縄本島北部)で、度々出会った蛾です。
これだけ見るのだから、簡単に種名は判ると思ったのですが、誤算でした。
どうも、このグループは生態写真での同定が難しいらしいのです。

まぁ今回、種名はそれ程、問題ではありません。
この蛾の姿は、枯葉に擬態しているのではないかと、ふっと感じたのです。
主脈が目立つ枯葉、2枚目の画像のイメージです。
主脈のカーブしているとろが、平面性を壊し反り返った枯葉のように見え、対称性を弱めるのに役立っているように思うのですが、如何でしょう。
かつて、クロモンカギバでも同じようなことを感じました。
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アサギマダラ
アサギマダラ
Ricoh CX6 300mm相当 Speedlight ISO400
  2012.3.23
今の季節、一斉に出現する春の甲虫たちに目がいってしまいますが、アサギマダラの新鮮個体にも出会います。
秋に本土から渡ってきた個体から繁殖した、次世代なのだと思います。
傷ひとつ、染みひとつない半透明の翅が、春の陽に透けて輝いています。
そして、春の花から栄養を蓄えて、再び本土へ向けて旅立つのでしょう。
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オオシマオオトラフコガネ褐色型雄
オオシマオオトラフコガネ褐色型雄
Ricoh CX6 105mm相当 ISO400 Speedlight
  オオシマカクムネベニボタル
オオシマカクムネベニボタル
Ricoh CX6 105mm相当 ISO400 Speedlight
 
2012.3.22
久しぶりの山原(やんばる=沖縄本島北部)の2日目も、昨日に引き続き、オオシマオオトラフコガネ探し。
今日は、黒色型にも出会えるでしょうか。
結果は、ほぼ半日で19個体に出会いましたが、その中に黒色型も雌も含まれていませんでした。
昨日との合計で23個体。
日頃、黒色型と雌は、100匹に1匹前後の確率と言っていますが、ときにはちょっと極端過ぎるかな?と思い直すこともあります。
しかし、昨日と今日の結果からは、そう大きくは間違っていない印象です。

一方、この季節のもうひとつの主役、オオシマカクムネベニボタル。
昨日は0。今日は2個体。かなり少ないですね。
最初に出会った個体は、カメラを向けた途端に、既に逃げる体勢。
たった1枚シャッター切ったカットが、ジャストショット。

ところで、どちらの種も体長10mm前後の大きさですが、機材はコンパクトカメラです。
こんな小さな被写体をシャープに写し止めるのは、銀塩カメラ時代には、結構テクニックに要ることだったのですが。
コンパクトカメラでここまで写るのでは、仕事になりませんねぇ。
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オオシマオオトラフコガネ褐色型雄
オオシマオオトラフコガネ褐色型雄
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5 SpeedlightX2
オオシマオオトラフコガネ褐色型雄
オオシマオオトラフコガネ褐色型雄
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5 SpeedlightX2
オオシマオオトラフコガネ褐色型雄
オオシマオオトラフコガネ褐色型雄
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5 SpeedlightX3
  2012.3.21
久しぶりの山原(やんばる=沖縄本島北部)です。2週間近く、間が空いてしまいました。
前回、咲き始めたばかりのシマイズセンリョウは、もう既にほとんど花が疎らな状態。
では、前回はまだ見られなかったオオシマオオトラフコガネに期待せざるを得ません。

探し始めて、10分程で今年最初の個体に出会いました。
気温が低い所為か、逃げようとしないのはありがたいのですが、触角を広げてくれないのが難点でした。
間もなく、2個体目にも遭遇。最初の個体と同じような状況でした(画像未掲載)。
余り時間を置くことなく、3個体目も発見。
この個体は、上翅に泥が付着しています。
恐らく、地中から羽化してきたばかりなのでしょう。

その後は、1時間程新しいオオシマオオトラフコガネには出会いませんでした。
4個体目は、入り組んだシダの葉の上で見つけました。
何とか狙える隙間を見つけ、背後から3灯目のストロボも同調させました。
しかし、この後、真っ正面から撮影したカットは、葉の陰になったためかストロボが巧く発光していませんでした。
既に午後5時を回り、光量も落ちてきたきたので、今年のオオシマオオトラフコガネ探し初日は、4個体で切り上げました。
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リュウキュウユビナガコウモリ(1997年9月10 日撮影)
リュウキュウユビナガコウモリ(1997年9月10 日撮影)
NikonF4s Ai Nikkor28/2.8s Speedlight RDPII
  2012.3.20
今日もまた、図鑑用の画像セレクトの作業です。
これまで度々、デジタルデータからのセレクト作業の非効率的な話をしました。
しかし、どうしてもデジタル撮影していない種もあって、その場合はカラーポジをデジタルデータ化することになります。
やはり、ポジからのセレクト作業は効率的で速いですね。

しかし、既にデジタル撮影をメインにしてから10年近くになりますので、ポジで撮影していたのを忘れている種もあります。
今日掲載したリュウキュウユビナガコウモリもその1種です。
こんな集団や飛翔を含む画像があったとは驚きです。
事務所からそう遠くない、林の斜面に開口した洞窟のコロニーです。
入口は広く階段もあるので、自然洞を何かに利用していたのだと思います。
今でも変わらずに、このコウモリたちはこの環境に生息しているのでしょうか。
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新緑の始まり
新緑の始まり
NikonD7000 VR Nikkor18-200/3.5-5.6ED PL-Filter
  2012.3.19
ちょうど2週間前に撮影した画像です。
その後、確定申告他諸々の雑用が重なり、メインフィールドの山原(やんばる=沖縄本島北部)へは行っていません。
この季節の森の様子は、1日単位で進みます。あれから、どれだけ新緑は進行しているでしょうか。
明日のデスクワークを頑張れば、夜から行ける可能性ありです。

しかし、皮肉なことに明日の夜から雨の予報なんです。
翌日の水曜日の予報には「晴れマーク」もありますから、それに期待しましょう。
そして、この新緑の森の中では、春に出現する昆虫たちも動き回っていることでしょう。
そう思えばこそ、デスクワークも頑張れるというものです。
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リュウキュウイチゴ花
リュウキュウイチゴ花
Ricoh CX6
  リュウキュウバライチゴ花
リュウキュウバライチゴ花
Ricoh CX6
 
2012.3.18
春の山での楽しみと言えば、一斉に出始めた昆虫や、咲き誇る花々だけではありません。
キイチゴの実を味合う楽しみも待っています。
もっとも、それは4月に入ってからで、まだ今は花から実への移行期間です。

山原(やんばる=沖縄本島北部)のキイチゴの仲間は、リュウキュウイチゴとリュウキュウバライチゴが代表的です。
実になれば、前種がオレンジ色、後種が赤色と一目瞭然です。
葉の形でも、容易に区別が付きます。
最も分かり難いのが花だと思っていましたが、こうして並べてみると、意外に違いますね。
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2012.3.17
1週間程前に撮影した画像です。
この時期、このような芽吹きを目にすると、直感的にタブノキだと思ってしまいます。
まぁ、撮影時にも「ちょっと違う雰囲気」を感じていたのですが、MacBookでプレビューした時点で、葉が全く違うことに気づきました。
どこか見覚えのある葉なのに、思い出せないままにしてありました。

今日、改めて見てみると、イジュに似ていることに気づいたのです。
梅雨時に、白い花を全体に着ける、別名ヒメツバキ。
しかし、イジュの芽吹きは余り印象にありません。
ときおり、一部の葉が奇麗に紅葉することはありますが、春先の芽吹きは意識したことがありませんでした。
これがイジュで間違いないのなら、これからは意識的に狙う被写体になりそうです。
  イジュ?芽吹き
イジュ?芽吹き
NikonD7000 Tamron SP10-24/3.5-4.5 36mm相当 PL-Filter
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オキナワハクセンシオマネキ
オキナワハクセンシオマネキ
NikonD7000 VR Nikkor70-300/4.5-5.6ED ISO1600 Speedlight
  2012.3.16
干潟に大集団で生息する、シオマネキ類やコメツキガニ類。
これらの仲間は、西表島を初め八重山諸島の生き物の印象が強いかもしれません。
しかし数では負けるものの、沖縄本島でも観察することが出来ます。

最も多いのは、オキナワハクセンシオマネキ。
シオマネキの仲間は、雄が片方の大きなハサミを振り上げる「ウェーヴィング」という行動が有名です。
和名も同じ由来ですが、これは雌への求愛行動だと言われています。
もっとも大きなハサミの用途は、ウェーヴィングだけではありません。
ときには、このように雄どうしの闘いの武器にも使われます。
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ワカバグモに捕食されるリュウキュウウラボシシジミ
ワカバグモに捕食されるリュウキュウウラボシシジミ
SONY PDW-F350L/Canon YJ19X9B IRS
  ブドウスカシクロバ
ブドウスカシクロバ
SONY PDW-F350L/Canon YJ19X9B IRS
 
2012.3.15
かつてスチル写真から、この世界に入ったのですが、今ではビデオも大きな比重を占めるようになりました。
実際には、両方の機材を携えて、フィールドで撮影をしています。
しかし、同時に両方で撮影できるわけではありません。
ビデオもハイビジョンになり、その中から静止画を切出しても、ある程度使えるようになりました。
反対に、スチルカメラのほとんどにもビデオ撮影機能が搭載されるようになりました。

とは言え、数少ないチャンスを目の前に、「この場面はビデオ撮影していれば」「いやこのシーンはスチルで撮影すべきだった」の連続です。
前述のとおり、ビデオ映像から静止画を切出して使うことは、それ程の問題はありません。
まぁ、通常撮影ではシャッタースピードが1/60sec.相当なので、速い動きがブレてしまうことが困るのですが。

先日の撮影で、春の花シマイズセンリョウの周りを舞うリュウキュウウラボシシジミを見つけ、この春らしい光景をビデオで追い始めました。
ところが、リュウキュウウラボシシジミの姿が、突然消えてしまいました。
不思議に思いながら探すと、シマイズセンリョウの花の手前の葉の上で、ワカバグモに捕食されてしまっています。
その状態をビデオ撮影し、それから静止画を切出したものです。
花の近くを舞う様子であればビデオ向きですが、このようにクモに捕食されて動きのない状態ではスチル向きでしょう。
しかし、これは高い枝先での出来事で近寄れません。
スチル機材よりもビデオ機材のほうが望遠接写に長けているので、ビデオ撮影しかなかったのです。

もうひとつの画像は、やはり春の花トベラで吸蜜するブドウスカシクロバ。
以前から、是非見てみたい、撮影してみたい蛾の仲間でした。
黒い縁取りのある透明の翅、メタリックブルーに輝く胴体。
その憧れの被写体に偶然出逢ったのは、トベラの花をビデオ撮影している最中でした。
いつ飛び去ってしまうか分からない被写体は、スチル機材に替えるよりも、そのままビデオ撮影を続けるほうが得策と判断しました。
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ヒメイタビに覆われた石垣
ヒメイタビに覆われた石垣
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 24mm相当 F3.5ISO200
  ヒメイタビ(トリミング)
ヒメイタビ(トリミング)
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 24mm相当 F3.5ISO200
 
2012.3.14
リコーGXR用新型カメラユニットのA16。
ネイチャーシーンで、その実力を発揮できる機会はそう多くないのではないかと書きつつ、その可能性を追求するための撮影は続いています。
こんな被写体では、如何でしょう。

イチジクの仲間の蔓性植物、ヒメイタビ。
この葉が石垣や壁などを覆い尽くしている光景は、沖縄ではそう珍しくありません。
極めて個人的な感覚ですが、苔や地衣類が岩や地表を覆っている、あるいは単独種の羊歯が斜面を覆っている光景を観るのが、何故か好きです。
細かい入り組んだパターンが、何処までも途切れること無く連続していることに、心地良さを感じます。
このヒメイタビに覆われた石垣も同様のイメージです。

これだけ広い範囲を覆い尽くしていることを見せるために、ワイド端の24mmで全体を撮影しました。
その後、手前のフォーカスのピーク部分を拡大して見ると、極めて高いレベルでディテールを解像しています。
この1枚の画像で、前述の細かい入り組んだパターンが、何処までも途切れなく続いていることが確認できるのです。
この画像を大型プリントにして、事務所の壁面などに貼ったら、楽しそうですね。
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2012.3.13
沖縄の春の山野の花、トベラが開花のピークを迎えています。
咲き始めは白、次第にクリーム色へと変化します。
満開の木の周辺では、ジャスミン系の香りが漂います。
毎年、この香りに接すると、春の到来を実感します。

最近、漢字による和名表記を調べるのが癖になっています。
生物の和名のカタカナ表記がルールになって久しいですが、その間に多くの命名の由来が忘れられてきました。
そんな和名の由来を思い起こすのが、生物のルーツ探しに役立つこともあります。
この「トベラ」は「扉の木」という意味で、種小名も"tobira"です。
枝葉を傷つけると悪臭を放つため、節分に鰯の頭と共に戸口に掲げられ、魔除けとしたそうです。
春先のジャスミン系の香りとは正反対の和名の由来は、ちょっと意外なものでした。
  トベラ花
トベラ花
NikonD7000 Nikkor45/2.8P X1.5Telecon Gyorome-8F16 Speedlight ISO3200
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オブジェ
オブジェ
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 24mm相当 F3.5ISO200
  オブジェ(トリミング)
オブジェ(トリミング)
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 24mm相当 F3.5ISO200
 
2012.3.12
今日は、久しぶりに太陽が顔を覗かせました。

ときどき訪れる、中城城趾城下の散歩道。
もちろん生き物の被写体を求めての散歩ですが、ここの楽しみはそれだけではありません。
そのひとつに、県立芸大生制作の陶製大型オブジェがあちらこちらに設置されていることがあります。

最近登場した新作でしょうか、「どこでもドア」のデラックス版のような作品に出会いました。
特に意味もなくレンズを向け、1カットだけシャッター切りました。
本当に大した意味もなく1カットだけなのですが、MacBookに取り込んでプレビューして驚きました。
合焦部分を拡大していっても、画像のシャープネスが損なわれません。
シャープネスだけではなく、赤土製の焼き物の質感がとてもリアルに再現されています。

この1カットで、これは無理してネイチャーシーンで使うレンズではないことに気づきました。
このような日常シーンにこそ、その威力を発揮する存在なのです。
手元に届いてから約1週間、この1カットで初めて、このレンズ(センサーも込みですが)の本当の魅力を理解できた気がします。
喜ばしいことに違いないのですが、自身の専門分野での登場機会がそう多くなさそうなのが、悔しいですね。
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クワズイモ花
クワズイモ花
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 36mm相当 F5.7 ISO800
  クワズイモ花(トリミング)
クワズイモ花(トリミング)
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 36mm相当 F5.7 ISO800
 
2012.3.11
今日も、はっきりとしない空模様の一日でした。
クワイズモの花が次々と咲き始めています。
仏炎包(ぶつえんほう)というフードに覆われた不思議な形状の花は、下3分の1が雄花、上3分の2が雌花です。

今日の新型カメラユニットのテストは、昨日と違い、中間焦点距離よりもややワイド寄りの36mm相当で、絞りも開放から1段程絞り込んでいます。
ISO感度も、基準のISO200の3倍相当の800に設定。
この焦点距離でも、合焦部分のシャープネスはかなりのレベルです。
クワズイモの雌花部分の、まるで脳のようなパターンがリアルに再現されています。
やはり、ローパスフィルターを介さない画像のアドバンテージでしょう。

高感度特性面では、光量不足のシャドー部に、ややノイズが認められます。
1200万画素のA12ユニットに比べると、やはり画素の多い分、高感度特性はトレードオフの傾向があるのかもしれません。
まぁ、厳密な比較ではないので、まだ断定は出来ません。


BS放送で、「アルカトラズからの脱出」をオンエアしています。
脱獄は、映画の世界では度々取り上げられるテーマです。
中でも「アルカトラズからの脱出」「パピヨン」「ショーシャンクの空に」が印象に残ります。
まだ若いクリント・イーストウッドに目が行き勝ちですが、刑務所長のパトリック・マッグーハンの役所が憎いですね。
伝説の作品「プリズナーNo.6」では、繰り返し脱出を試みる囚人役の代表を演じていたのに、その逆の立場ですから。
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ホソヒラタアブ
ホソヒラタアブ
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 85mm相当 F5.5 ISO200
  ホソヒラタアブ(トリミング)
ホソヒラタアブ(トリミング)
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 85mm相当 F5.5 ISO200
 
2012.3.10
朝は雨空でしたが、昼から上がったので、リコーGXR用新型カメラユニットのテスト撮影に出ました。
3日ぶりの野外撮影です。

APS-Cサイズセンサーに24-85mm相当ズームの組み合せ。
ローパスフィルター非搭載というのが、大きな特徴です。
最短撮影距離は、ズーム全域25cm。マクロ機構はありません。
従って、テレ端85mm相当での最短25cmが最大撮影倍率となります。
もっとも、最短撮影距離はレンズ先端からの表示のため、実際は34.5cm程になります。
このときの撮影範囲は約13x8.6cmで、撮影倍率にして約0.18倍。
決して高い撮影倍率ではありません。

今日は再び気温が低下して、日中の気温が17℃前後だったため、昆虫の活動も低調でした。
そのため、被写体探しにも困りました。
やっと見つけたのが、ホソヒラタアブ。
ほぼ最大撮影倍率での撮影ですが、やはり小さ過ぎました。
しかし、撮影後にMacBookに取り込んだ画像を見て、驚きました。
一昨日の悪条件での撮影でも感じたことですが、合焦部分のシャープネスはやはりローパスフィルターレスならではでしょう。
カリカリのシャープネスではないのですが、コントラストがあってクリアです。
明日以降、もう少し大きな被写体を探して、このレンズの魅力の引き出せるシーンを追求したいと思います。
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リュウキュウオオコノハズク
リュウキュウオオコノハズク
NikonD7000 VR Nikkor70-300/4.5-5.6ED Speedlight
  2012.3.10
朝の6時ですが、今日も雨が降っています。
この時期恒例の悩みの種、確定申告を昨日終らせたのですが、今日も撮影はお預けでしょうか。

ちょうど1週間前に撮影したリュウキュウオオコノハズクです。
この日は、諦めかけた直後に、立て続けにヤンバルクイナのペア3組に遭遇した晩です。
それも滅多にない出来事だったのですが、3個体のリュウキュウオオコハズクを目撃した晩でもありました。
反対に、夜の森の常連リュウキュウコノハズクは0でした。
年間を通じて、遭遇するリュウキュウコノハズクとリュウキュウオオコノハズクの比率は、4:1から5:1の印象です。
不思議な一夜でした。
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シマイズセンリョウ
シマイズセンリョウ
Ricoh CX6
  シマイズセンリョウ
シマイズセンリョウ
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5 F3.8
 
2012.3.9
今日もまた雨の一日でした。
いつになったら、晴れとまでは言わないまでも、日中に撮影のできる天気になるのでしょうか。
という訳で、今日も先週撮影した、山原(やんばる=沖縄本島北部)の春の花、シマイズセンリョウです。
ひとつひとつの花の直径は3mm前後と小さいのですが、まとまって咲くので結構目を引きます。
そしてまた、オオシマカクムネベニボタルを初め、多くの昆虫の集まる花でもあります。
このときはまだ咲き始めでしたが、今頃は満開になっているでしょうか。
あるいは、散り易い花なので、このところの雨で、咲くと同時に散ってしまったのでしょうか。

同じ花を、コンパクトカメラと接写レンズ付きの一眼レフの両方で撮り比べてみました。
センサー面積にして12倍強もの違いがありますが、意外な程コンパクトカメラが善戦しています。
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2012.3.8
3月に入り、急に気温が上昇した影響でしょうか、新緑も一気に進みました。
新緑の美しさは、かなり微妙です。さまざまな要因が影響するからでしょう。
昨年の冬から春にかけては、20数年ぶりの寒さで、その後の新緑は遅いながらも、かなりの美しさでした。
今年の冬は、寒い日と暖かい日が交互に訪れ、極端な印象があります。
その影響は、新緑にどのように影響するでしょうか。
これから、今年の新緑がどのように変化していくのか楽しみです。 

※沖縄は、今日も雨の一日です。
リコーGXR用、新型カメラユニットA16 24-85mmF3.5-5.5の本格的な実写テストは、またお預けです。
新緑の画像は、3月3日に撮影したものです。
  新緑山並
新緑山並
NikonD7000 VR Nikkor18-200/3.5-5.6ED PL-Filter
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RICOH RENS A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6)
RICOH RENS A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6)
Ricoh CX6
アフリカホウセンカ
アフリカホウセンカ
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 85mm相当 F5.5 ISO800
アフリカホウセンカ
アフリカホウセンカ
Ricoh GXR A16(15.7-55.5mmF3.5-5.6) 24mm相当 F3.5 ISO800
  2012.3.7
今月末に発売予定のリコーGXR用のカメラユニット、A16 24-85mmF3.5-5.5が届きました。
箱から取り出しての第一印象は、鏡筒の太いこと。
ところが、実際に手にしてみると、とても軽量なことに驚きます。
焦点距離全域最短撮影距離(ワーキングディスタンス)25cmで、マクロ機能はありません。
そのため、昆虫などの接写には向きませんが、1620万画素のAPS-Cサイズセンサーでローパスフィルター非搭載という点が気になります。

早速、野外での実写テストといきたいのですが、今日の沖縄は生憎の雨。
夕方に小降りになった時を狙って、事務所の裏庭で数十カット、シャッターを切ってみました。
既に光量が足りず、ISO800で絞り開放ですが、シャッタースピードは1/26sec.の悪条件。
それでも、合焦部分の画像には、何処かキラリと輝くものを感じます。

光量不足の上、風が強く、決してこれがこの光学系の実力ではないはずです。
ブレ防止機能は非搭載のようですが、85mm相当テレ端1/26秒の手持ち撮影でもブレは認められません。
恐らく、レンズとボディのバランスがよいためでしょう。
高感度特性も良好に感じられます。
明日以降の、より良い条件下での撮影が楽しみになってきました。
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ビロードツリアブ
ビロードツリアブ
Ricoh CX6 300mm相当 Speedlight ISO400
  タイワンアヤシャク
タイワンアヤシャク
Ricoh CX6 31mm相当 ISO400
 
2012.3.6
日中の気温が25℃を超え、急に昆虫の活動が活発になってきました。
もう、被写体に困る季節は脱したようです。
とは言え、いつの季節も、野生生物はこちらの思惑どおりに活動してくれるものではありません。

春の使者、今年初のビロードツリアブを見つけました。
何処かにとまってくれないかと念じると、舞い降りました。
しかし、そこはコンクリート製の側溝の蓋の上でした。

タイワンアヤシャクは、白っぽい翅の色を保護色として機能させる蛾の仲間です。
例えば、菌類が生え白い斑模様のできた幹表面に、ジグソーパズルのピースかのように、巧い具合にとまったりするのです。
しかし、どうもいつも人工物にとまる個体を見つけてしまう確率が高いようです。
あるときは、ガードレール。またあるときは、道路標識の白いポールなどと。
そして、今回もまたダム公園のトイレのドアでした。
傷ひとつない、新鮮個体なんですけどね。
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カワムラトガリバ
カワムラトガリバ
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5 SpeedlightX2
  カワムラトガリバ?幼虫(2008年5月撮影)
カワムラトガリバ?幼虫(2008年5月撮影)
NikonD300 Tamron90/2.8 SpeedlightX2
 
2012.3.5
かがくナビで本日公開した「カワムラトガリバ」。
いつも夜間、灯火に飛来した成虫ばかりで、日中の姿を目撃したのは初めてです。
詳しくは、記事をご覧ください。

さて、原稿を書くに当たって、ネットで画像確認したところ、幼虫の画像も載っていました。
どうも、かつて3回撮影しながら、種名不明だった幼虫と同じように思われます。
近年まで、カワムラトガリバの幼虫や食草は未確認だったはず。

この幼虫は実際の頭部を隠して、偽の頭部を誇示してヘビのように見えることがあり、記憶に残っていました。
初めて日中の成虫の姿を見られただけでなく、さらに長年謎だった幼虫まで確認することができました。
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リュウキュウイノシシ
リュウキュウイノシシ
NikonD7000 VR Nikkor18-200/3.5-5.6ED
  リュウキュウイノシシ
リュウキュウイノシシ
NikonD7000 VR Nikkor18-200/3.5-5.6ED
 
2012.3.4
今、山原(やんばる=沖縄本島北部)で気掛かりなことがあります。
ここ数年、今までにない程、ケナガネズミとリュウキュウイノシシとの遭遇頻度が高かったのに、昨年の10月頃からパッタリと目撃しなくなりました。
2009年と2010年は、珍しいことに2年連続して、スダジイの実が豊作でした。
本来の原因は不明ですが、この栄養条件の好転が、両種の個体数の増加を後押ししたのは間違いないでしょう。
しかし、昨年は5月と8月に台風が接近し、大きな影響を受けました。
そのため昨秋は、スダジイの実がほとんど見られませんでした。
恐らく、このことによって、増加していたケナガネズミとリュウキュウイノシシの多くが命を落としたことでしょう。

昨日、林道を車で走っていると、草原の中に褐色の毛の塊が見えました。
誰かが散歩に連れてきた、あるいは逸れたイヌが昼寝をしているのだろうと思いました。
かなり近づいても動かないので、死んでいるかと思った途端、起き上がりました。
すると、それはイヌではなくイノシシでした。珍しいこともあるものです。

しばらく、こちらを見つめていましたが、やがて頭部を持ち上げ、鼻を突き出しました。
イノシシは視覚に劣り、嗅覚に頼る動物です。
これが、臭いによって相手を識別するための典型的な行動です。
夕方の斜光によって、コントラストの強いのが残念でしたが、間もなく茂みに姿を消しました。
ほぼ半年ぶりの目撃になりますが、かなり栄養状態のよい個体に見えました。
上記の推測は、間違いなのかもしれません。
最近、姿を見せない本当の理由は何でしょうか。
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2012.3.3
多忙なデスクワークの合間を縫って、山原(やんばる=沖縄本島北部)までやって来た目的のひとつは、アオバナハイノキです。
早春の山原の山並みで開花する、青紫色の美しい樹種です。
しかし、その美しさ故、林道沿いの株は次々と盗掘され、残っているのは撮影条件の悪いものばかりです。
同業の知人から、比較的条件のよい開花株の情報を貰い、飛んできたのです。

斜面を見上げるようなロケーションだったので、超望遠レンズでの撮影となりました。
いつか、マクロレンズで目の前の花をアップで撮影したいと思っているのですが、年々条件は悪くなるばかりです。
しかし、この株は根元に近づくことができ、そこでたくさんの落花を見つけました。
苔むした岩の上の花を狙ってみたのですが、アップで撮影してみても、この青紫色は淡いもので、思い描いていた色は出ません。
 
アオバナハイノキ開花
アオバナハイノキ開花
NikonD7000 VR Nikkor70-300/4.5-5.6ED PL-Filter
アオバナハイノキ
アオバナハイノキ
NikonD7000 Sigma50-500/4.5-6.3 ISO800 750mm相当
アオバナハイノキ落花
アオバナハイノキ落花
Ricoh CX6 31mm相当
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ヤンバルクイナ雄
ヤンバルクイナ雄
NikonD7000 Sigma50-500/4.5-6.3 1/250sec. ISO400 Speedlight 435mm相当
ヤンバルクイナ雌
ヤンバルクイナ雌
NikonD7000 Sigma50-500/4.5-6.3 1/250sec. ISO400 Speedlight 435mm相当
ヤンバルクイナ・ペア
ヤンバルクイナ・ペア
NikonD7000 Sigma50-500/4.5-6.3 1/250sec. ISO3200 Speedlight 750mm相当
  2012.3.2
連日の画像セレクト作業にいい加減うんざりしていましたが、やっと時間を作り、山原(やんばる=沖縄本島北部)に来ました。
皮肉なことに、昨日までの好天は既に去り、夕方からは土砂降り。そしてその後は濃霧に見舞われました。
それでも折角の山原ですから、濃霧の中を被写体探しに出たのですが、めぼしいものには全く出会えません。
そろそろ仮眠をとって明日に備えようかと思った頃に、やっと霧が晴れてきました。
そこで、今晩の最後にと、長らく崖崩れで通行止めになっている林道に入ってみました。
思い掛けなく、通行止めポイントから近い場所が崩れていて、特に目的はなかったのですが、その土砂の上に登ってみました。

すると、そこに張り出している木の枝にヤンバルクイナが登って休んでいるではありませんか。
これまで何kmにも渡って車で移動しながら探してきたときには見つからずに、ほんの数10m歩いただけでヤンバルクイナに遭遇するとは、皮肉なものです。
なかなかよいシュチエーションだったので、車までカメラを取りに帰りました。
シャッターを切りながら、ふっと気が付くと、やや離れた枝にもう1羽いるのです。
どちらも成鳥の特徴が認められますから、ペアのようです。
直線距離にして3m程しか離れていませんが、登っているのは別の木です。
人間に例えるなら、寝る前にちょっと言い争いでもして、雌のほうはソファで寝るような状況だったのでしょうか。

その場を離れ、仮眠をする予定のダム公園まで移動を始めると、高い木の枝の上に、別のペアを見つけました。
同じ枝に同じ向きで、ほぼ接していましたが、ちょっと警戒している様子が見えたので、車内から確認しただけで通り過ぎました。
それから約10分後、ダム公園の直前で渡った橋の上から見えた大きな木の幹に、再びヤンバルクイナのペアがいました。
かなり距離はありますが、全く警戒する気配がなかったので、数枚シャッターを切りました。
こちらのペアは、これ以上くっつくのは無理というくらい、ベッタリと接していました。新婚でしょうか。
今晩はヤンバルクイナはもう無理かと諦めかけてからの短時間に、3ペアに出逢うとはすばらしい偶然です。
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クロモンカギバ幼虫(2010年3月21日撮影)
クロモンカギバ幼虫(2010年3月21日撮影)
Ricoh GXR S10(5.1-15.3/2.5-4.4) 72mm相当 Speedlight
  鳥糞(2011年12月21日撮影)
鳥糞(2011年12月21日撮影)
NikonD7000 Micro Nikkor85/3.5 SpeedlightX2
 
2012.3.1
今日も、相変わらず画像セレクト作業です。
過去の画像を見ていると、こんなこともあります。
擬態している生物自体の撮影とは別に、擬態のモデルの撮影もしています。
例えば、コノハチョウの擬態のモデルである、それとそっくりの枯葉などです。
時間を隔てて撮影していた、その組み合せを見つけることがあります。

隠蔽擬態(カムフラージュ)の中で、最も巧妙だと考えられるのが、鳥の糞への擬態です。
昆虫やクモの最大の天敵である鳥が、空腹時に自身の糞へ興味を示す訳がありませんから。
クロモンカギバの幼虫の糞への憧れは、並大抵のレベルではありません。
まるで新鮮な糞であるような光沢を帯び、ところどころに糞に混ざった種子のように見えるオレンジ色の粒まで備えています。
個人的には、沖縄のフィールドでは最も完成度の高い鳥糞への擬態だと思っています。

しかし、実際にこれにそっくりな糞はというと、意外に見つけられません。
やっとそれらしい糞を撮影していたのに気づきました。
撮影する前に雨の降った痕跡がありますが、糞が濡れた状態であれば、さらに光沢まで似て見えたかもしれません。

過去に撮影した画像を大量に見ていると、こんな組み合せの楽しみもあります。
トランプの神経衰弱ゲームか、貝合わせのような楽しみでしょうか。
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