生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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南島漂流記、本日(11/9)から25年目に入ります。 これからも、よろしくお願い致します。
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クリスマスイルミネーション
クリスマスイルミネーション
NikonD1X Nikkor18-35/3.5-4.5ED
  2002.11.30
いよいよ明日から師走。こちらはいつもどおりの、のんびりした生活をしていても、否応なしに気忙しい気分に引きずり込まれる季節がやってきました。と言っても、ここしばらくは忘年会が続くだけのことですが…
 子どもの頃は、クリスマス、冬休み、正月、お年玉などの楽しい思いだけの行事続きでしたが、今では、御歳暮、大掃除、年賀状書きのマイナスイメージが先行してしまいます。特に浮ついた歳末商戦を見る度に、うんざりした気持ちになります。
 それでも、この季節になると楽しみなものにクリスマスイルミネーションがあります。以前から、沖縄では米軍住宅の中の競い合ったイルミネーションが目を引きました。最近では、日本のもののほうが年々、派手に大規模になっていく印象です。特に、この沖縄自動車道・西原インター近くにある携帯電話のアンテナに施されたイルミネーションは、なかなかのものです。かなり遠くからも目立ちますから、高速道路沿いでは、わき見運転の原因になりやしないかと心配になるほどの存在です。既に年中行事として定着したようで、例年のように新聞ネタになります。私が携帯電話を持つ以前からのことですから、もう10年近くになるのかもしれません。
 (デジタルカメラの最も苦手とする長時間露光撮影。取り敢えず、難しいことは考えずに、感度ISO800、絞り優先モード(+1/2補正)、マルチパターン測光で撮影してみたところ、シャッタースピード1/2sec.前後が切れ、結果もご覧のとおり。最近のカメラの機能の完成度を痛感しました)
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2002.11.25
11月も下旬になり、季節も徐々に秋から冬に向かっているのが感じられます。部屋の中ではそれ程でもありませんが、ドアを開けて外気に触れる瞬間、ヒンヤリと感じる毎日です。天気が悪い日ならまだしも、今日の午前中のようによく晴れ上がった日中でもそうなのですから、いよいよ冬の近付いたことを意識させられます。
 そのような気候の中で、ツワブキの花がちょうど見頃を迎えています。やや斜めから射す秋のクリアな光線の下、黄色の花の塊がとても鮮やかに映ります。背景の艶のある葉の緑も、一層花を引き立ててくれています。沖縄にはリュウキュウツワブキという種もあるのですが、滅多に見かけることはなく、やはりこのツワブキが冬になるとあちらこちらで見られるようになります。
 ふと子どもの頃、ツワブキもフキと同じよう食べられるのだと、母が茎を煮てくれたことを思い出しました。しかし、春先に食べるいつものフキと違って、固く苦かったのを覚えています。食べた季節が悪かったのか、あれがツワブキ本来の味覚なのか未だによく解りません。
  ツワブキの花
ツワブキの花
NikonD1X Nikkor18-35/3..5-4.5ED
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ナンバンギセルの花
ナンバンギセルの花
NikonD1X Sigma EX105/2.8 Macro
  2002.11.18
テレビのビデオ撮影のため山原(やんばる=沖縄本島北部)へ行ってきました。秋の訪れの早い今年の山原は、至ることろにススキの穂が目につきます。そして、そのススキの根元近くを探すと、この時期は必ずこのナンバンギセルの花が見られます。
 ナンバンギセルは、葉を持たず自らは光合成をしません。そのためにススキの根に寄生している植物なのです。これまでにもナンバンギセルの花は、幾度となく見ているのですが、今日は新しい発見がありました。同行していた知人が「花の中にキノコが見える」と言うのです。なるほど、花の中を下から覗き込むと、まるで、エノキダケかナメコのような形のものがぶら下がって見えます。どうやら雌しべのようですが、これまで全く気付きませんでした。
 日頃から、撮影はひとりで行くのが最も気楽だと思っています。どんなに気の合った人とでも、ついつい気を遣ってしまいます。それでも、ときには誰かといっしょにフィールドに入ってみると、今日のように予想外の情報を貰ったり、刺激を与えられたりすることもあるのですから、不精ばかりしていてはいけませんね…
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2002.11.10
昨日も触れたように、今年は珍しく秋の訪れが早く感じられます。ここ何年も暖冬が続き、秋になってもなかなか気温が下がらず、動物たちの活動も活発でした。しかし、今年は9月初旬に通過した台風16号の影響でしょうか、10月も後半になると、急に肌寒い日が多くなりました。
 今日は爽やかな秋晴れに恵まれ、うろこ雲の広がる青空の下で、至るところにススキの穂が揺れるのが見られました。すっかり秋の情景です。このまま季節が進むと、今年の冬は久しぶりに寒い冬がやって来るのでしょうか?
 地球温暖化の影響でしょうか、ここ何年も秋になっても気温が下がらず、真冬の最低気温も高めです。そのためなのでしょうか、本来真冬には姿を消してしまうはずの昆虫が、周年活動するようになった種も少なくありません。かつては、八重山地方では冬場でも姿が見られても、沖縄本島地方では姿を消してしまっていたツマベニチョウやアゲハチョウの仲間たちなどです。しかし、今年のような気温の推移ですと、また元の活動パターンに戻る可能性もありそうです。
  ススキの穂とうろこ雲
ススキの穂とうろこ雲
NikonD1X Nikkor18-35/3.5-4.5ED
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タイワンレンギョウ
タイワンレンギョウ
NikonD1X Nikkor18-35/3.5-4.5ED
  2002.11.9
ちょうど一年前に始まった「南島漂流記」。第1回目は、ニトベカズラに訪花するアオスジアゲハを紹介しました。そして2年目の初回は、タイワンレンギョウの花です。その和名が示すように在来種ではなく栽培品種ですが、ニトベカズラ同様、とても好きな花のひとつです。
 細かい花から構成される紫色の花房は、遠くから見ても目を引き、ハっとさせられます。そして、この花の後に着くオレンジ色の実も葉の緑をバックに美しいコントラストを見せてくれます。しかし、タイワンレンギョウを庭に植えるのは、あまりお薦め出来ません。生長するのが早く、度々枝を剪定しなければなりませんし、オレンジ色の実は熟した後、バラバラと地面に落ちて掃除が大変なのです。「やはり野におけ蓮華草」ではありませんが、欲張って自分の庭に植えるよりも、何方かの庭の花の美しさをときどき眺めさせて貰うのが、一番賢い楽しみ方なのかもしれません。
 昨年は暖冬で、11月に入っても気温はなかなか下がらず、花にもたくさんのチョウが飛来していました。しかし、今年は珍しく秋の訪れが早く、タイワンレンギョウにやって来る昆虫の姿は、ほとんど目に付きません。
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