生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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南島漂流記、本日(11/9)から25年目に入ります。 これからも、よろしくお願い致します。
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トベラの実
トベラの実
Ricoh Caplio R3
  2005.11.30
トベラの実が爆ぜて、目を引く季節を迎えています。この状態の実はあまり長い期間は見られません。粘着物質に覆われた実は、次第に糸を引いて落下していくのです。
 どこかザクロを思わせる実ですが、春先に咲く花はもっと地味な存在です。白やクリーム色の小さな花をたくさん着け、ジャスミン系の香りを放ち、控えめな印象です。しかし、この季節に見られる実は、打って変わって、毒々しい色と存在に変わります。
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2005.11.29
今日は、厚い雲と雨と北風の冬の空に逆戻りでした。それでも、日中はまだ薄日が射すこともあり、昆虫たちの姿も見られました。
 1匹のアカタテハがランタナの花で蜜を吸っていました。密に夢中なのか、低めの気温のせいか、いつものようには活動的でありません。ワイコンを付けたカメラで間近まで近寄っても、逃げることなく5、6枚のシャッターを切ることが出来ました。
 真上から翅(はね)を完全に開いた状態のカットもありましたが、やや傾いていますが、この正面やや下から撮影したカットが最も雰囲気を感じられました。これで、背景が青空だったら言うことないのですが。いえ、好天だと活動が活発でこれ程接近するのは難しかったかもしれませんね。
  アカタテハ
アカタテハ
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens Speedlight
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ハエのなかま
ハエのなかま
Ricoh Caplio R3 Speedlight
  2005.11.28
今日も何とか好天が続きました。次第に雲の広がってきた夕暮れに、ハイビスカスの植え込みの近くを通ると、何故かたくさんのハエが、集まっていました。
 よく見ると、盛んに葉の表面を舐めています。それも、1種類ではなく、何種類ものハエが同じことをしています。
 ハイビスカスの葉から何か美味しい物質が分泌されているのでしょうか?それにしては、ハイビスカスで、同じような光景は見たことがありません。近くの高い木から何か落ちてきたものを舐めているのでしょうか?あるいは、アブラムシの分泌した甘露が付いているのでしょうか?残念ながらその場を離れるまで、何を舐めているのかは、判りませんでした。
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2005.11.28
一昨日も登場したオキナワクワゾウムシですが、シマグワの木を探すとまだまだ、結構な数が見つかります。
 いつもは細い枝にしがみついている姿が多いのですが、今日は緑の葉をバリバリと食べているところに出遭いました。これが、オキナワクワゾウムシの本来の姿なのですが、イメージとしては、茎の皮を食べそうなので、ちょっと意外な感じです。
 秋の陽を浴びながらバリバリと食べる緑の葉が、どこか美味しそうなサラダのようでした。
  オキナワクワゾウムシ
オキナワクワゾウムシ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
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ナガマルコガネグモ
ナガマルコガネグモ
NikonD2X Insecteye-Lens TypeIIIAa Speedlight
  2005.11.27
このところ、日々改良を加えてみている「虫の眼レンズ」ですが、昨夜、メインレンズと拡大レンズの間にフィールドレンズと呼ばれる薄い凸レンズを組み込んでみました。
 早速、今日テスト撮影をしてみたのですが、昨日と同じナガマルコガネグモが、なかなかよい感じで写りました。これが、フィールドレンズの効果なのか、単なる久しぶりの好天のお陰なのか、よく判りません。しかし、操作性がよいとは言えず、やや持て余し気味だった虫の眼レンズに明らかな手応えを感じた1カットとなりました。
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2005.11.27
今日は、ほぼ1カ月振りの好天に恵まれました。秋のやや斜めから射す陽に照らされて、風に揺れるチガヤの群落がなかなかよい雰囲気でした。
 この季節、ススキやサトウキビなど、いろいろな植物の穂に目を奪われ勝ちなのですが、今日はこのチガヤの美しさを再確認しました。
 このカメラは、ときどき200mmの望遠付近で、ピント精度にやや不安を感じることもあったのですが、一昨日、ファームウェアをバージョンアップしてみました。その結果、今日の200mmで撮影した画像のピントは、ほとんど問題を感じられず、その効果を確認することが出来ました。
  チガヤ
チガヤ
Ricoh Caplio R3
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ナガマルコガネグモ
ナガマルコガネグモ
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens
  2005.11.26
本格的な冬の到来を前に、亜熱帯ではまだまだ昆虫やクモの繁殖活動が見られます。
 ナガマルコガネグモの巣では、大きく腹部の膨らんだ雌のすぐ近くに1匹の雄がいました。このクモは、ほとんどの雄が交尾直後に雌の上で死んでしまい、その後雌に食べられてしまうのです。もちろん、不用意に近づくと雌の餌食になるので、交尾も命がけです。雌が捕食行動などに気を取られている隙などが接近のチャンスです。しかし、ちょうど目の前で食事中だったにもかかわらず、雄は接近を躊躇っていました。撮影で近寄ったため、邪魔してしまったのかもしれません。
 低くたれ込めた雲から突然雨が落ちてくるかと思うと、ちょっと陽が差し込んだりと落ち着かない今日の空模様でした。一瞬射した夕方の柔らかい光線を活かして、自然光で撮影してみました。
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2005.11.26
28~200mm という広い焦点域を持つR3ですが、それぞれの焦点域でさまざまな性格を見せてくれます。ときどきハッとするようなシャープさに驚かされるのが、 100mm前後の中望遠域です。ちょうどこの焦点距離が最も拡大率が稼げるので多用するのですが、ちょっとびっくりするような解像感を見せてくれることがあります。
 オキナワクワゾウムシの腹部のディテールが、ゾクっとするほど伝わってきます。と言っても、このサイズの画像ではすべては伝わらないとは思いますが。
 ちょうど昆虫写真のクローズアップ撮影で多用するのが、この100mm前後の画角ですから、最近は、小さめの昆虫のクローズアップには、まずこの機種を取り出すようになりました。今日も、3台のカメラを携えての撮影でしたが、果たして適材適所の機材選択が出来ていたでしょうか?
  オキナワクワゾウムシ
オキナワクワゾウムシ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
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コハナグモ
コハナグモ
NikonD2X Insecteye-Lens TypeIII Speedlight
  2005.11.25
改良タイプの虫目の眼レンズで実際に撮影した画像です。体長5mm程のコハナグモがある程度のサイズに写っていますし、背景の雰囲気も判ります。
 昆虫写真と言えば、小さな昆虫を大きく拡大する必要と、逃げられずにある程度撮影距離を採る必要から、100mm前後のマクロレンズを使うのが一般的です。しかし、背景のボケた画像では、その昆虫の生息環境などが解りません。主役の昆虫もある程度の大きさに写り、なおかつ背景の環境も判るようにピントの合った画像が理想と言えます。
 それを実現するためには、広い画角と深い被写界深度が必要なのですが、それを得るにはいくつかの方法があります。最も簡単なのは、超広角レンズや魚眼レンズで接写をすることです。しかし、最短撮影距離のなるべく短い機種を選んでも、小さな昆虫が被写体では限度があります。そこで、最近大きな選択肢となているのが、接写に強い広角レンズを搭載したコンパクトデジカメです。レンズ先端1cmまで撮影出来る機能など、一眼レフ用交換レンズでは考えられないことです。また、もともと撮像素子が小さいこともあり、被写界深度はかなり深いのも利点です。それに、小型軽量のため機動性にも優れています。
 そして、もうひとつの選択肢がこの虫の眼レンズでしょう。一眼レフを使うこともあり、画質の面でアドバンテージがあります。この画面サイズでありながら、小さい昆虫も拡大出来、なおかつ背景までかなりピントの合うのが魅力です。しかし、ピント合わせも絞りの操作も手動で、さらにレンズが暗いので動きのある被写体向きではありません。今後は、被写体によってこの2つの選択肢の使い分けになりそうです。
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2005.11.24
今年7月に購入した「虫の眼レンズ」ですが、その構造が解り、いろいろと自分なりに改良を試みてきたのですが、現段階である程度の完成をみたのがこのセットです。
 購入した製品版の解像度はかなりよいのですが、ファインダーが暗くピント合わせがかなりシビアなのです。また、全長が長く、操作性がよくないために、フィールドでの機動性に不満を感じていました。
 ファインダーが暗い主な原因は、拡大系レンズに顕微鏡の対物レンズを使っていることにあります。そのため、今回は拡大系に一眼レフ用の20mm超広角レンズをリバースして使ってみました。さらに、このことにより全長もこれまでの30cm余から20cm強まで短縮することが出来ました。
 レンズをリバースしたために、自動絞りが作動しないのが難点ですが、これは先端のメイインレンズも同じことですから、致命的ではありません。ダブルレリーズを使用して自動絞りを機能させることも可能ですが、そうすると、カメラボディのホールディングとレリーズの操作性が犠牲になりそうです。
  虫の眼レンズ改良タイプIII
虫の眼レンズ改良タイプIII
Ricoh Caplio R3
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ツマグロオオヨコバイ
ツマグロオオヨコバイ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
  2005.11.21
東京は、既に最低気温が10度前後まで下がり、昆虫たちの活動はあまり活発ではありません。しかし、よく探してみるとまだ全く見当たらないという程ではありません。
 これは、タブノキの葉裏でじっとしていたツマグロオオヨコバイです。活動の活発な時期は、さまざまな植物で見られましたが、今頃の季節になると、何故タブノキの集まっているのか不思議な気がします。さて、このような光景はいつまで見られるのでしょうか?
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2005.11.20
東京に2日間だけ出てきました。小学校の同窓会に出席するためです。途中で転校したために、卒業していないほうの学校なのですが、姉が卒業生なので、参加申し込みをしてもらったのです。さらに父も2年間だけ在学していたので、親子3人での参加となりました。
 父は、この小学校が出来たときの最初の1年生なのですが、第1期卒業生ではありません。独立する母体となった別の小学校から移って来た1年から5年生が先に卒業したためです。従って5期生だったことが判りました。
 流石に父の年代の出席者は疎らでしたが、10歳年上の姉は、何人かの同級生に会えて楽しそうでした。私自身の世代は、仕事に家庭に忙しい時期のようで、同級生はもうひとりだけで、3年生のときに同じクラスだったはずが、お互いに思い出すことの出来ないというものでした。
 ちょっと拍子抜けの同窓会でしたが、終了後、昔は広く感じた校庭に隅に立ち、親子3人自分達の通学した時代の校舎の配置などの話に花が咲きました。
  田園調布小学校校庭
田園調布小学校校庭
Ricoh GR Digital
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サキシマキノボリトカゲ幼体
サキシマキノボリトカゲ幼体
Ricoh Caplio R3 Speedlight
  2005.11.19
こちらは、昆虫ではなく、爬虫類のサキシマキノボリトカゲです。まだ生まれたばかり幼体のようで、サイズ的には他の絡まっている昆虫たちと大して変わりありません。そして、まだ力が弱いのか、やはりエダウチチヂミザサの種子から離れることが出来ません。
 最初は望遠レンズで撮影していたのですが、徐々に接近してみました。ある程度の距離まで近づいたときにとても驚いたらしく、激しくもがいて、運良く種子から離れることが出来たようで、慌てて逃げ出しました。これは、直接手を下してないにしても、自然の摂理に反したことをしてしまったのかもしれません。
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2005.11.19
こちらも、クロモンカギバという蛾です。ウラベニホシシャクと違う点は、まだ生きていることです。時折、この難から逃れようと、羽ばたくのですが、エダウチチヂミザサの粘着力はかなり強力なようで、離れることが出来ません。
 さらに、もうボロボロだったウラベニホシシャクと違い、こちらは羽化直後でほとんど翅(はね)に傷も見当たりません。何度か、種子から外して逃がしてやろうかと思ったのですが、これも自然界の摂理なのだろうと思い、思いとどまりました。
  クロモンカギバ
クロモンカギバ
Ricoh GR Digital
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ウラベニホシシャク
ウラベニホシシャク
Ricoh GR Digital
  2005.11.19
今回の西表島取材で最も目に付いたものというと、エダウチチヂミザサの種子に絡まっている昆虫たちです。種子の先端に細かい毛があって、そこに絡め捕られるようです。
 センダングサの種子などもそうですが、これは本来哺乳類の体毛などに種子が付着して移動し、分布を拡げるための適応のはずですが、これに昆虫が絡め捕られてしまうことに意味はあるのでしょうか?
 このウラベニホシシャクは既に死亡していましたが、やがて分解された物質が土中に染み込んで、植物の生長のための養分にでもなるのでしょうか?だとすれば、ちょっと間接的ですが、食虫植物のようですね。
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2005.11.18
西表島の民家の庭でたわわに実っているゴレンシの実を見つけました。黄色く熟す前の薄緑色の実なので、遠目には見逃してしまうかもしれません。
 最近は、その断面の形からスターフルーツという呼び方もポピュラーです。しかし、やはりゴレンシという呼び名のほうが、この不思議な存在に相応しいように思います。漢字で書くと「五斂子」、「斂」は「収斂」の斂ですから、益々雰囲気を感じます。
 食用になるのですが、その味はと言うと、梨の風味を薄くしたような、ちょっと淡白なものです。
  ゴレンシの実
ゴレンシの実
Ricoh GR Digital Speedlight
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アシマダラヤセバエ交尾ペア
アシマダラヤセバエ交尾ペア
Ricoh GR Digital
  2005.11.17
八重山のフィールドで度々出会うのが、このアシマダラヤセバエ。前脚を前方に突き出して、「おいでおいで」をするようなユーモラスなディスプレイをします。
 交尾のシーンも珍しくはないのですが、こうしてみると雌と雄の腹部の太さが違うことに改めて気付きます。それぞれ単独で見ていると、目が行かないのですが。
 そして、雌は交尾しながらも、前述のディスプレイを行っています。雄はというと、雌の首の部分にお行儀よく揃えて置いています。さて、このディスプレイは雌特有のものだったのでしょうか?今度よく観察してみましょう。
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2005.11.16
今の季節、西表島の林道を歩いていると、白い球形の物体を見掛けます。長径は20mm近くもあり、ちょっと不思議な存在です。初めて見たときは、巨大な魚の目玉が落ちているのかと思ってしまいました。
 これは、シロツブあるいはハスノミカズラという植物の実なのだそうです。どちらであるかを実で区別することは出来ず、葉を見ないと判らないのだそうですが、近年、西表島ではシロツブはほとんど確認されないと言われます。となると、ハスノミカズラの実である可能性が高いわけですが、シロツブの可能性もないわけではありません。まぁ、どちらにしても、この実の存在の不思議さには全く変わりないのです。
  ハスノミカズラorシロツブの実
ハスノミカズラorシロツブの実
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens
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フタツメオオシロヒメシャク
フタツメオオシロヒメシャク
Ricoh GR Digital
  2005.11.15
今日はとても不思議な出会いがありました。2カ月程前に、いつも車を停める場所の近くの木の枝で、フタツメオオシロヒメシャクという蛾を見つけたのです。ところが、撮影しようと近づくと、直前で飛び立ってしまいました。
 その後、その場所で同じ蛾を見ることはなかったのですが、今日全く同じ枝にとまっているのを見つけたのです。そして、シャッターを押す直前に飛び立ってしまうところまで、前回と全く同じでした。ところが、今回唯一違ったのが、飛んで行った先を確認して、しっかりとカメラに収めることが出来た点です。
 撮影した画像を見てみると、羽化直後のようで傷ひとつなく美しい姿をしています。よく見ると、所々に銀色の鱗粉が散りばめられています。蛾の翅(はね)にはときどきこのような色使いがされていますが、一体どのような効果を狙ったものなのか、不思議に感じます。
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2005.11.14
4日前に見つけたアオスジコシブトの塒を、今日も夕暮れ時に通る機会がありました。やはり同じように数匹の姿が見られましたが、あまり一箇所に集まっていません。そこで、今日は1匹のクローズアップを狙ってみました。
 体長14mm程の小型種ですが、85mm相当のクローズアップモードでこの程度のサイズに拡大出来ました。さらに画面いっぱいにまで拡大することも出来るのですが、内蔵ストロボを併用した撮影は、この倍率以上になると照射がレンズによって遮られてしまうので、この辺りまでが実用範囲でしょう。欲は切りがないですが、コンパクトカメラで、これだけの接写が出来るなんて、以前では考えられないことです。これも、デジカメの疑似一眼レフ機能の恩恵と言えます。やはりデジカメには、フィルムカメラにない特徴をさらに進化させて貰いたいものです。
 大あごだけで、全体重を支えるこの姿勢で休むのは、人間の感覚から言えば、却って疲れそうに思いますが、ハチの大あごは力を抜くと締まる構造になっているので、想像とは違うようです。
  アオスジコシブトハナバチ
アオスジコシブトハナバチ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
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オオケマイマイ
オオケマイマイ
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens Speedlight
  2005.11.14
今日も相変わらず、スッキリしない空模様です。昨日のように突然激しい降りにならない代わりに、サッと晴れ間が覗くこともなく、一日どんよりとした空でした。このような日は、昆虫たちの活動も鈍く、山の中を歩き回っても、あまり格好の被写体には出遭えませんでした。
 そんな中、レンズを向けてみたのがオオケマイマイ。殻の外周に剛毛が見られる比較的大型の陸産貝類です。
 ワイコンを装着して21mm相当の画角で、背景の環境まで判るように撮影してみました。光量が不足気味なのでストロボも併用していますが、ワイコン使用接写時は、内蔵ストロボよりも照射範囲の外付けストロボが好結果を生みます。さらに発光部には自作ディフェーザーを装着し、より照射角が広がり、ソフトな照明になるようにしているのですが、非常に短いワーキングディスタンス(レンズ先端から被写体までの距離)のため、ストロボの発光部がトップに近い位置にあり、殻の下側に影が出ています。さらに改良の余地ありですね。
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2005.11.13
今日の天気は本当に安定せず、急に晴れ間が出たかと思うと、ザッと降るといった、撮影には一番困るパターンでした。
 昼過ぎに、車から少し離れた沢に入りカメムシの集団を撮影していたところ、雨が降り出しカメムシたちも葉裏に隠れてしまいました。仕方なしに車に戻ったところ、激しい降りとなりました。無理して撮影を続けていなくて、本当に幸いしました。
 人間の目にはかなりの雨脚に見えても、写真に撮るとあまり雨が写っていないことが多いのですが、今日の雨は違いました。普通に写しただけで、画面中が雨だらけです。背景がやや暗い森だったのと、所謂狐の嫁入り状態で、逆光気味に陽が当たっていたのが、これだけ雨脚を捉えられた理由だと思います。もう少しスローシャッターならば、さらに大降りの雰囲気が出たかもしれませんね。(プログラムオート=F4.2 1/290sec. 105mm相当画角)
  雨

Ricoh Caplio R3
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アオスジアゲハ
アオスジアゲハ
Ricoh GR Digital Speedlight
  2005.11.13
一昨日の夜半から天気が崩れ、それ以後降ったり止んだりの状態が続いています。まだ気温も高く、時折激しい降りになりますから、冬の気圧配置になったわけではなく、前線の影響のようです。
 そんな激しい雨に打たれた直後に、飛ぶことが出来ずに翅(はね)を乾かしているアオスジアゲハを見つけました。まだ、目立った翅の損傷も見られませんから、最近羽化してきたばかりのようです。それなのに、このような天候に見舞われ、運が悪いとしか言えませんね。
 この他人(?)の不幸を利用して、かなり接近して撮影させてもらったのが今日の写真です。どうせならば、青空を背景に撮りたかったのですが、それでは、このような状況にはならなかったでしょうから、贅沢を言ってはいけませんね。(F8絞り優先オート -0.7補正)
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2005.11.12
昆虫写真を撮る上で、欠かせないレンズというと、100mm前後のマクロレンズがまず挙げられますが、近接撮影が可能な広角レンズも必須です。背景の環境も判ると同時に主役の昆虫もある程度拡大するためには、最短撮影距離の短い広角レンズ、超広角レンズが必要になります。
 しかし、まだ発展途上のデジタル一眼レフの超広角レンズというと、最近やっと出揃ってきたものの、ほとんどがズームレンズで、最短撮影距離はあまり短くありません。そこで、先の目的を達するには対角魚眼レンズを使うのが現状では手っ取り早いのですが、純粋な超広角レンズとなると、選択肢はほとんどありません。シグマ14mmF2.8が35mm換算で21mmになりますが、最短撮影距離18cmでは、まだ撮影倍率に不満が残ります。
 そこで、28mm相当&ワイコン装着時21mm相当で、レンズ先端1.5cmからの近接撮影可能なリコーGRデジタルがかなり現実的な選択肢となります。800万画素、デジタル一眼レフに近いナチュラルな画作りでRAW撮影にも対応しているとなると、充分仕事にも使えます。ボディ付きワイドマクロレンズという発想は決して冗談ではなく、通用すると思います。
  ワイコン付きGR-Dと11-18mm付きD2X
ワイコン付きGR-Dと11-18mm付きD2X
Ricoh Caplio R3
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西表島祖納集落の節祭(しち)
西表島祖納集落の節祭(しち)
Ricoh GR Digital
  2005.11.12
今月もまた西表島に取材に来ています。今日は、西表島に500年前から伝わる節祭(しち)の取材をしてきました。現在手掛けているビデオ作品の中に人々の生活の要素も盛り込むためです。
 節祭は、昔の生活でちょうど収穫を終えた後の正月に当たる季節の区切りです。島の西部の隣り合った集落で行われるのですが、微妙に内容が異なっていて興味深いものがあります。それぞれの集落でしか見られない要素を狙って梯子をし、一日が過ぎました。普段ではなかなか味わえない貴重な体験です。
 生憎の空模様で、一日中、小雨の降りしきる中での祭りは、主催する皆さんも取材する側も楽ではありませんが、本降りになることなく、何とか終えることが出来ました。好天の下での祭風景も見てみたいものですが、そうすると心の隅でフィールドの動物たちが気になって、集中出来ないかもしれませんね。
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2005.11.11
使い始めて3週間程になるキャプリオR3ですが、最も得意とする撮影は、100mm相当前後の中望遠域でのクローズアップではないかと思います。
 このクワガタは、体長15mm程の小型種なのですが、充分に拡大出来、なおかつ内蔵ストロボでも撮影可能です。しかも、もっとクッキリとした影が出るかと思ったのですが、それ程でもありません。
 流石に内蔵ストロボでの撮影は無理ですが、100mm相当の焦点距離では、長辺でほぼ2cmの範囲が撮影出来ます。35mm版に換算すると約1.8倍の撮影倍率に相当する値です。ちょっと一眼レフ顔負けのクローズアップ性能です。
 今日このカメラを手にされた方は、どうのような傑作を物にされたことでしょうか?(プログラムオート=F7.9 1/97sec. ISO64 92mm相当画角)
  ヨナグニネブトクワガタ雄
ヨナグニネブトクワガタ雄
Ricoh Caplio R3
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夕焼け
夕焼け
Ricoh GR Digital
  2005.11.11
一昨日と昨日は、面白いように次から次へと、いい被写体に出遭えたのですが、今日は今ひとつといった印象でした。
 今日撮影したカットの中で、一番良かったのが、この夕焼けのように思われます。そう言えば、これまでGR Digitalではクローズアップばかり撮っていましたから、風景を撮るのは初めてかもしれません。28mm相当の画角で決まる風景は、そう多くはないかもしれません。この撮影でも、ちょっと画面が広すぎるなぁ?と感じながら、シャッターを切ったのですが、結果は意外にいい感じになりました。
 この夕焼けの後、夜半から雨が振り出し、本降りとなりました。そんな天気の予兆の夕焼けだったのでしょうか?
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2005.11.10
夕暮れ時の林道で、アオスジコシブトハナバチの塒を見つけました。土砂崩れした崖から露出した木の根に、大あごで掴まったまま眠りにつきます。
 崩れて積もった柔らかい赤土が傾斜した上の方にいるので、そう簡単に近づけません。それに、見つけた直後は、まだこの体勢に入ったばかりで落ち着かず、数匹はこの場所を離れてしまいました。そこで、落ち着くのを待っていたのですが、次第に光量が落ち、ピント合わせも難しくなっていきます。それでも何とか、200mm相当の望遠端でストロボを使って、このシーンを写し止めることが出来ました。いよいよこのカメラも明日正式発売になりますね。(プログラムオート=F4.8 1/189sec.)
  アオスジコシブトハナバチ
アオスジコシブトハナバチ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
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ハラビロカマキリ幼虫
ハラビロカマキリ幼虫
Ricoh Caplio R3
  2005.11.10
10月の後半に急に気温が下がり北風が強まった時期があったので、今年は冬が早いのかな?と思っていましたが、ここ数日は10月よりも暑い程の気温です。昨夜、ハブに遭遇したのも、まぁ仕方ないですね。
 ハイビスカスの花では、まだあまり大きくないハラビロカマキリの幼虫が獲物を待ち伏せていました。沖縄のハラビロカマキリは年2回繁殖しますが、春に成虫になる世代は、幼虫で越冬します。亜熱帯沖縄と言えども、流石に真冬は餌不足で死んでしまう幼虫も少なくありません。ですが、この陽気が続く限り、今年はまだまだ餌の心配は要らないでしょう。
 広角端での自然光撮影ですが、白い花弁のディテールが何処まで再現されるか、ちょっと心配しながらシャッターを切りましたが、露出補正なしでほぼ満足のいく結果となりました。(プログラムオート=F3.6 1/330sec.)
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2005.11.9
同じシーンをGR Digitalでも撮影してみました。
 いつもは、いろいろな昆虫を捕食して、サングラスと口髭の凶暴なギャングというイメージのあるアマミアズチグモの表情が、無念そうに見えてきます。
 GR Digitalは28mm相当の単焦点レンズが固定されていますから、小さな被写体を大きく写すには、被写体にかなり近づくことになります。内蔵ストロボは、ポップアップ式でボディの最も隅に配置されていますから、GX8などに比べて、かなり至近距離まで照射にケラレなく使えるようになりました。しかし、このような極端な接写の場合は、ホットシューも装備されているので、外付けストロボに切り換えたほうが、より確実です。撮影データ:F9 1/80sec.
 近づける被写体では、このようなクローズアップ撮影も出来、不満はないのですが、今日はちょっと困ったこともありました。サキシマハブに出遭ったのですが、流石に28mmの広角レンズで近寄ることは躊躇われました。
  アマミアズチグモを捕食するハエトリグモ
アマミアズチグモを捕食するハエトリグモ
Ricoh GR Digital Speedlight
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ハエトリグモに捕食されるアマミアズチグモ
ハエトリグモに捕食されるアマミアズチグモ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
  2005.11.9
今日はとても珍しいシーンに出遭いました。アマミアズチグモが、ハエトリグモ(ネコハエトリ?)に捕食されているのです。いつもは、花などに潜んで、花にやって来る獲物を捕食しているアマミズチグモが捕食されているのは、初めて見ました。自分のはるか何倍もあるアゲハチョウを捕食することもあるアズチグモが自分よりも小さいハエトリグモに捕食されるとは、正にお株を奪われたとしか言えません。
 リコーキャプリオR3ですが、そろそろいろいろな特徴が掴めてきました。私たち昆虫写真の分野で最も威力を発揮するのが接写に強いところです。広角端でレンズ先端より1cmまでピントが来るのは従来機種も同じですが、R3は望遠端の200mmでも14cmまで接写可能なのです。作例は、75mm近辺で、ストロボをスローシンクロモードに設定して-0.7補正で撮影しています。ExifデータによるとF7.1で1/203sec.。それぞれ、体長1cm強と1cm弱の被写体なので一眼レフでもそう簡単な撮影ではありませんが、なかなかシャープに写し止められていて、これは使えると感じました。
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2005.11.8
夕暮れ時に見つけたタイワンウマオイの羽化を、GR Digitalでも撮影してみました。ISO400に感度アップして、絞り開放で自然光のみで撮影してみましたが、流石に光量不足で、あまりよい結果は得られませんでした。
 そこで、このカメラでは初めてストロボの多灯発光撮影を試みました。外付けストロボをメインに、半逆光でもう1灯発光させてみました。ウマオイの半分透けた翅や脚。GR Digitalのちょっとクールな絵作りにマッチした、質の高い透明感が得られました。
 これまでは、日中の撮影がほとんどでしたが、これからは夜間撮影にも積極的に使っていこうと思います。
  タイワンウマオイ羽化
タイワンウマオイ羽化
Ricoh GR Digital SpeedlightX2
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タイワンウマオイ羽化
タイワンウマオイ羽化
Ricoh Caplio R3 Speedlight
  2005.11.8
今日の夕暮れ時に、ハイビスカスの葉で羽化するタイワンウマオイを見つけました。かなり光量の少ない厳しい条件でしたが、手持ち撮影を試みました。
 感度ISO100設定で、ワイド端のマクロモード。ストロボをスローシンクロモードに、露出補正を-0.7にしてあります。シャッタースピードはExif情報によれば、1sec.。背景は風も影響して、ややブレているのが判りますが、ストロボの動体静止効果もあり、被写体のウマオイ自体は結構シャープに結像しています。
 通常、このような光量条件で、手持ち撮影をするなんて考えられないことですが、ブレ防止機能とストロボの短い閃光時間によって、実用上充分な画像が得られました。
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2005.11.8
ここのところしばらく、GR Digitalと併せてCaplio R3を試用しています。28-200mmの7.1倍ズームレンズにブレ防止機能、2.5型液晶モニター、1cmマクロなどの機能を極めてコンパクトなボディに搭載している、正に夢のカメラです。
 ただ、このR3を本当の夢のカメラとして機能させるには、いくつかのポイントがあるようです。
 まず、ブレ防止機能と言っても、当然それは万能の訳はありません。自ずと限界があります。テレ端近くの焦点距離では、ブレ防止機能を過信せずになるべく慎重にレリーズすべきでしょう。そうすれば、この作例のように夕暮れの道端で立ち止まったノラネコを、テレ端200mmの手持ち1/9sec.という厳しい条件でも、シャープに写し止めることだって可能です。
 次に、よりノイズの少ない画像を得る為には、ISO感度設定は、通常100に(状況が許せば64)マニュアル設定し、それでも不足する場合に、200、400と設定変更するのが好ましいでしょう。
 最後に6枚分割のレンズカバーは、デリケートなところもあります。固い物といっしょに無造作にポケットに突っ込むのは、避けたほうがよいかもしれませんね。(画像はリサイズのみレタッチなしのデータ)
  イエネコ
イエネコ
Ricoh Caplio R3
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ヒラタアブの1種
ヒラタアブの1種
Ricoh Caplio R3 Speedlight
ホウジャクの1種
ホウジャクの1種
Ricoh Caplio R3 Speedlight
ホウジャクの1種
ホウジャクの1種
Ricoh Caplio R3 Speedlight
  2005.11.7
昆虫の飛翔写真は、本当に難しいものです。特に今月3日のツマムラサキマダラのような場合は、なるべく飛行ルートを絞って、そこに飛んで来るのを辛抱強く待ち、数多く撮るしかないのです。しかし、歩留まりは低く、100回シャッターを押しても、まぁ見られるカットは、ほんの数カトというのが、実際のところです。
 失敗の原因は、まずレリーズのタイミングが悪く、被写体が画面に入っていないことです。入っていても、ちょうどピントの合わせてあるポイントから外れてしまっている場合も少なくありません。基本的に反射神経によって歩留まりが上がるとは思いますが、ある程度以上は、もう人間の反射神経の限界を超えているとも思われます。
 さらに、ちょうどよい具合に画面内で捕らえられたとしても、昆虫のそのときの翅の開き具合によって、作品のクオリティは左右されますし、翅の動きの止まり方もかなり違います。翅が一番上か下にあるときが、最も動きが遅くなるようで、比較的よく止まりますが、中間はブレることがほとんどです。特殊な超高速閃光ストロボを使っている訳ではないので、ギリギリのところで止まるか止まらないかなのです。
 チョウなどはかなり難しい撮影になりますが、空中で静止飛行をしてくれるヒラタアブやホウジャクのなかまは飛翔写真の打ってつけの被写体でしょう。ただ、小さな昆虫程、翅の羽ばたき回数が多いので、翅を止めるのは難しいのですが、これらの昆虫は、翅の位置が何処にあっても、チョウ程作品のイメージは変わりらないところも有り難いのです。
 今日の写真は、コンパクトデジカメの内蔵ストロボで撮影したものですが、意外な程翅の動きも止まっていてくれますね。かなり閃光時間が短いようです。
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2005.11.6
仕事柄、昆虫の種名を訊かれることがあります。以前、大学の資料館に勤めていたときは、昆虫そのものが持ち込まれることが多かったのですが、最近は、デジカメで撮った画像が添付されたメールが多くなりました。ときには、仕事先のTV局や出版社の編集部宛に郵送で写真が送られてくることもあります。即座に判る種類ならいいのですが、元来あまり種名に詳しくないので、図鑑で調べたり、詳しい人に判断を仰いだりと、結構な手間になることも少なくありません。何とか、種名を告げることが出来ると、「ありがとうございます!また、何か質問出来るように頑張ります!」とお礼を言われたりします。喜んで貰えるのは嬉しいのですが、内心「また、ですか?!」と思ってしまいます。
 ところが、人間というのは実に勝手なもので、いや、正確に言うと私という人間は実に勝手なもので、自分で判らない物を撮影すると、調べるよりも人に訊きたくなるんですねぇ。それのほうが簡単ですから。そして、気付くと画像を添付して誰かにメールを送ったりしているのです。でも、ひとつだけ、余り他の方に迷惑にならない方法もあるのです。このように、ホームページの日記に写真をアップして、「何だろう?」と書くと、必ずご親切な方がメールで教えてくださるのです。きっと即座に判る物だから、教えてくださっているのでしょうし、それ程のご迷惑ではないと、これまた勝手に解釈しています。
 インターネット検索が発達し、とても便利になりましたが、こういう画像が何と言う種類なのか、即座に検索出来るシステムが開発されないでしょうかねぇ?そうすれば、私の身勝手さも許されるような気がするのですが・・・
  ???
???
Ricoh Caplio R3 Speedlight
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オオゴマダラ蛹
オオゴマダラ蛹
Ricoh GR Digital
  2005.11.5
今日の撮影の一番の目的は、オオゴマダラの黄金の蛹のビデオ撮影でした。スチル写真ではかなり撮影したことがあるのですが、ビデオ撮影はまだしていなかったのです。
 一昨日、この場所を訪れたときは、まだ蛹は見当たらなかったのですが、終齢幼虫が食草を離れて、近くの木の枝をうろうろ歩き回っていたので、そろそろ蛹化するなと思って、今日訪れてみたのです。すると、思ったとおりの場所に2個蛹を見つけることが出来ました。
 ひとつは今日蛹化したばかりのようで、まだ半透明でほとんど黄金色は見られませんでした。そして、もうひとつは、既にかなりの金属光沢を帯て、葉影で輝いていました。もう数日すると、さらに金属光沢を増すことでしょう。
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2005.11.5
このところ、近場で撮影に行くお気に入りの場所が3箇所あります。そのうちのひとつは、ある城址公園の前に延びる道沿いが、奇麗に整備されとてもよい雰囲気なのです。奇麗と言っても、単なる人工的なものではなく、昆虫のよくやって来る植物がたくさん植えられ、小さな公園がいくつかあって、さらに、所々にシーサーなどの焼き物がさり気なく置いてあるのです。一昨日のツマムラサキマダラもその場所で撮影したものです。
 今日も昼前後の2時間ばかり、このポイントで撮影をし、期待通りの成果がありました。さらに、近所にお住まいの方に声を掛けて頂き、お茶までご馳走になりました。そんな楽しい秋のひと時を過ごした帰りに迷い込んだ小径で見た光景がこの写真です。そんな出来事の後だったので余計に暖かい景色に感じられました。
  秋の陽の小径
秋の陽の小径
Ricoh Caplio R3
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アサギマダラ
アサギマダラ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
  2005.11.4
先月22日に与那国島の最高峰(231mですが)宇良部岳の頂上付近で2個体の記号の書き入れてあるアサギマダラを目撃しました。アサギマダラは、渡り鳥のように季節によって長距離移動をすることが知られています。春には沖縄、台湾から本土に、秋になると再び沖縄、台湾に戻ってくるのです。その移動の実態を調査している人たちが全国にいらっしゃることは前々から知っていました。
 きっとそのためにマーキングされた個体だと思い、アサギネットに連絡し調べてみて頂いたところ、1個体は7月28日に栃木県日光市の湯元スキー場から放たれたものだということが判りました。計算によると、86日間かけて2080km程を移動してきたことになります。偏西風の強まるこの季節にそれに逆らって飛んで来るのですから、驚き以外の何ものでもありません。
 これまでの国内最長移動記録は、福島県から沖縄県の黒島までの2140kmだそうです。今回の記録もかなりこれに近いので、恐らくベスト10には入るだろうとのことです。もし、皆さんもマーキングされているアサギマダラを目撃したら、捕獲あるいは写真撮影によって記号を読み取り、アサギネットにアクセスしてみては如何でしょう。あるいは、すごいことが判るかもしれません。
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ツマムラサキマダラ雌
ツマムラサキマダラ雌
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens Speedlight
  ツマムラサキマダラ雌
ツマムラサキマダラ雌
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens Speedlight
 
2005.11.3
今日は、チョウの飛翔だけを狙ってみました。このような撮影をする場合、一般的には一眼レフのほうが歩留まりがよいのですが、今日は必ずしもそうでもないかもしれないと感じたのです。
 まず、シャッターのタイムラグとファインダーも見え方は、コンパクトデジカメよりも一眼デジカメのほうが勝っています。しかし、リコーのキャプリオGX 辺りからは、かなりタイムラグが短くなり実用的になってきました。そして、GRデジタルでは一層改善されたように感じます。また、ファインダーも2.5型液晶と大きく見易くなり、コンパクトデジカメ特有の眼から放して構えるスタイルは、肉眼の視野とカメラの画角が両方同時に捕らえられますから、このような一瞬を狙う状況では、レリーズのタイミングを計り易いのです。ただ、GRデジタルに採用された液晶は、大型で高詳細なのはよいのですが、屋外で使うにはやや暗いのが数少ない欠点です。
 また、今日の撮影で感じたコンパクトデジカメの最大のメリットは、軽量なことです。カメラ、ワイコン、外付けストロボの合計でも400g程度しかありません。これが一眼デジカメですと、この3倍前後の重量になってしまいます。いつ、ファインダーに飛び込んで来るか判らないチョウを、カメラを構えたまま待つのは、結構疲れるものです。それが軽量なら長時間可能になります。この手の撮影は、「数打ちゃ当たる」的なところがありますから、長時間粘れて数多くシャッターが切れることは、よい結果を産み出すのです。
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2005.11.2
昆虫写真を始めた頃は、90~135mmの長焦点マクロレンズを全体の7割程使っていました。適当な撮影距離が取れるので昆虫に逃げられにくく、なおかつアップで撮影出来るのが大きな理由です。しかし、このようなレンズで撮影すると、背景はほとんどボケて、生息環境はほとんど判りません。その昆虫の姿だけを観るのには、背景が単純化されてよいのですが、面白くありません。
 次第に昆虫に逃げられること覚悟で、背景にもピントのくる広角レンズ系での撮影をするようになりました。広角レンズで小さな虫をある程度の大きさに写すには、かなり昆虫に近寄らなければなりません。魚眼レンズや超広角レンズで撮影出来たときは、なかなか迫力のある映像となるのですが、歩留まりは決してよくありません。
 結局のところ、昆虫撮影に常用出来る広角の焦点距離は28mm、もう少し余裕のある場合は20mmというのがバランスのとれた焦点距離選択なのかもしれません。その点、このGRデジタルの28mmとワイコン装着で21mmというのは適切な組合わせと言えるでしょう。
  アカタテハ
アカタテハ
Ricoh GR Digital
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ウスキシロチョウ
ウスキシロチョウ
Ricoh GR Digital
  2005.11.2
先々週辺りから、北風が強く天気の悪い日が増えてきたので、今年は冬の訪れが早いのかと心配していたのですが、昨日、今日と気持ちのよい快晴となりました。
 今年は大きな台風もなく、園芸植物の花が満開となっています。そこに、羽化間もない、恐らく今年最後の世代と思われる新鮮なチョウたちが入れ代わり立ち代わり訪れます。これで、もう少し風が穏やかであれば、言うことのない撮影条件なのですが。
 毎日テスト撮影を続けているリコーGRデジタルですが、今日は逆光に透けるチョウの翅を写してみました。半分透けて見える質感が、かなりよい感じで再現されていると思います。
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2005.11.1
連日、リコーGRデジタルを使っての撮影をしていますが、このカメラを手にしてから毎日の撮影が楽しいのです。正直言って、「今日は日記ネタを何も撮影してないなぁ・・」と、無理に撮影に出ることもあるのですが、このところ撮影に出るのが待ち遠しく、天気の悪い日は恨めしく感じるのです。
 今年の5月に購入したニコンD2Xもそうでしたが、使っていて気持ちの高揚する道具です。するとよい作品が撮れ、さらに信頼感が増すというような好循環になるのです。ついつい新しい機材を買ってしまう性格ですが、その内の3割は期待外れでその後あまり使わず、半分は欠点に目をつぶりながら使い続けるのが実情です。そして残り2割が本当のお気に入りの道具になるのです。今年は、運良く2機種もそのようなカメラに出遭えたのは幸運と言えるでしょう。(もちろん、これまで愛用してきたGX8もかなり気に入っているのですが)。どうも「弘法筆を択ばず」の境地に達するのは遥か先のようですね。
  ショウリョウバッタ
ショウリョウバッタ
Ricoh GR Digital
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アオスジアゲハ
アオスジアゲハ
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens Speedlight
  2005.11.1
今日からサイト開設5年目に入ります。それを記念して、南島漂流記の写真をひと回り大きくすることにしました。
 今日の沖縄は朝から好天で、秋晴れというに相応しい、、にしては暑すぎますが、亜熱帯の秋ですから、こんなものでしょう。
 その青空の下、満開のランタナに訪花したアオスジアゲハ、どう見ても夏の映像ですね。この亜熱帯の世界に憧れて沖縄にやってきたのです。これからも、日本の中の亜熱帯の映像を紹介していきたいと思います。
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