生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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写真展「亜熱帯やんばる〜多様性の森」終了しました。 ありがとうございました。
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セイタカスズムシソウの花
セイタカスズムシソウの花
NikonD1X Sigma105/2.8 EX Macro
  2003.12.29
日帰りで沖縄本島北部の本部半島まで行ってきました。今帰仁(なきじん)村の乙羽岳(おっぱだけ)周辺では、このセイタカスズムシの花が満開でした。この植物は、あの枯葉への隠蔽擬態で有名なコノハチョウの食草のひとつなのです。今の季節は、いくら探してもコノハチョウの幼虫は見られませんが、代わりにこの美しい花を楽しむことが出来ます。
 たくさんの花を着けているのですが、その向きは様々で、巧く構図をまとめてシャッターを切るのには結構苦労します。また、この薄紫色の花弁の色彩は、デジカメでもフィルムでもなかなか自然な感じにならず、見た目の美しさを再現するのにちょっと手こずる被写体です。
 今月に入り、魚眼レンズによる画面の隅々までピントの合った写真ばかり撮っていたので、望遠レンズによる背景のボケた映像がとても新鮮に感じられました。
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2003.12.24
ここで紹介する写真は、基本的にデジタル撮影したものがほとんどなのですが、今回は珍しくフィルム撮影です。と言うのも、1年以上前から当サイトの掲示板を通して探していた念願のアクセサリーを入手出来たので、テスト撮影というわけです。
 そのアクセサリーとは、ケンコーマクロテレプラスという、2倍テレコンバーターと可変接写リングを組み合わせたもので、マスターレンズの焦点距離を2倍にし、さらに無段階で撮影倍率を上げられるものです。これに円形魚眼レンズを組み合わせると、対角魚眼レンズと同じような画像になります。何故、最初から対角魚眼レンズを使わないかと言うと、テレコンバーターによる合成焦点距離のほうが、同じ焦点距離でもより被写界深度が深く、画面全体にピントの合っているパンフォーカス映像を得易いのです。しかし、現在入手可能な円形魚眼レンズのシグマの8mmF4は最短撮影距離が20cmで、合成焦点距離16mmでも余り撮影倍率は高くありません。そこで、可変接写リング機能も必要なのです。実際にこの組み合わせで撮影してみたところ、想像以上にシャープで満足のいくものでした。欠点と言えば、開放F値がF8になってしまうので、ファインダー像が暗くてピントが合わせ難いところでしょうか。
 この製品は、かなり最近まで販売されていたのですが、1年程前に購入しようとしたら、製造中止でなかなか捜し出せないでいました。ところが、当サイトと相互リンクして頂いている糸崎公朗さんに中古情報を寄せて頂き、念願が叶ったというわけです。
  ツワブキに訪花したオオゴマダラ
ツワブキに訪花したオオゴマダラ
NikonF100 Sigma Fisheye8/4 KenkoMacroTelePlusMC7 RVP100F Speedlight
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ツワブキに訪花したオオゴマダラ
ツワブキに訪花したオオゴマダラ
NikonD1X DX Fisheye-Nikkor ED10.5/2.8G Speedlight
  2003.12.24
14日に続いて、再び沖縄本島南部の摩文仁へ行ってきました。10日振りの再訪ですが、今日も沢山のチョウたちがツワブキの花に群れていました。前回よりも早い時間帯に訪れたので、撮影条件はなかなかのものでした。
 前回と異なったのは、前回1頭も確認出来なかったツマムラサキマダラが、何頭か見られたことです。しかし、限られた時間帯だけで、しばらくするとやはり姿を消してしまいました。でも、少なくとも全くいなくなってしまった訳ではないのにホッしました。
 さらに、前回見られたオオゴマダラは、ほとんど無傷の新鮮なチョウばかりだったのが、今回は翅の破れたものも少なくありませんでした。ということは、やはり12月の中旬でも羽化していたということなのでしょうか?暖冬とはいえ、さすが亜熱帯の島の気候なのだと感じました。
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2003.12.23
昨日、今日と珍しく快晴の天気が続いています。沖縄の冬は、北風が強く、曇天や小雨混じりの日が多いので、またとない撮影日和です。しかし、世の中なかなか巧くいかないもので、このようなときに限って雑用が重なってしまうものです。夕方、やっと時間が出来、事務所に近い琉球大学構内に被写体を求めて行ってみました。
 間もなく陽が隠れようとする直前の斜光の中、シマグワの葉にとまるセスジツユムシの雄成虫を見つけました。沖縄では12月いっぱい成虫の姿が見られますが、流石にそろそろ見納めの季節です。
 この虫はよく見ると、右後脚と左中脚がありません。自然界に生きる昆虫の場合、このようなことは決して珍しいことではありません。それでも、巧く残った脚でバランスを取っているので、なかなか気付かないものです。このセスジツユムシも2本も脚を失いながら、巧くバランスを取って葉にとまっているので、撮影後に初めて気付いたほどです。それにしても、どのような経緯でこのようなことになったのでしょうか?捕食者からの攻撃を辛うじてくぐり抜けた結果、成虫シーズンの終わろうとしているこの時期まで生き続けられたのかもしれません。
  セスジツユムシ雄成虫
セスジツユムシ雄成虫
NikonD1X DX Fisheye-Nikkor ED10.5/2.8G Speedlight
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ツワブキに訪花にしたオオゴマダラ
ツワブキに訪花にしたオオゴマダラ
NikonD1X DX Fisheye-Nikkor ED10.5/2.8G Speedlight
  2003.12.14
沖縄本島では、北部から南部までツワブキの花が満開です。冬を代表する林の花ですが、花の少ない季節、さまざまな昆虫が蜜や花粉を求めて集まってきます。
 今日は沖縄本島最南端に近い摩文仁(まぶに)に行ってきました。石灰岩が露出する林のあちらこちらにツワブキの黄色い花の塊が見られます。少し近付いてみると、そこでは結構な数のチョウが吸蜜しています。
 イシガケチョウ、クロボシシジミ、アサギマダラ、リュウキュウアサギマダラ、オオゴマダラなどです。季節柄、マダラチョウの仲間が多いのですが、オオゴマダラとリュウキュウアサギマダラは、どれもが翅(はね)に破れなどの見られない新鮮な個体です。一方、アサギマダラは翅に破れや染みが目立ちます。アサギマダラは、言われているように本州から渡りをしてきた影響なのかもしれません。
 ところで、ひとつ不思議なことに気付きました。10数年前に沖縄本島に侵入、定着したツマムラサキマダラの姿が1頭も見られないのです。ここ数年は、沖縄本島の最もポピュラーなマダラチョウの仲間だったのに、さらに、この場所でも毎年たくさんの越冬するチョウの姿が見られたいうのに、一体どうしたことなのでしょう?
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2003.12.8
5日に続き、再び山原(やんばる=沖縄本島北部)に撮影に来ています。曇天のため、3日前に比べてさらに活動している昆虫の姿の少ない印象です。今回の撮影はTV用の植物が狙いなので、スチル写真も植物にレンズを向けてみました。
 この時季の山原の森には、さまざまな木の実が見られるのですが、同時にススキの根元にはナンバンギセルの花も目に付きます。昨年の今頃も紹介しましたが、この植物は葉緑素を持たずに、ススキの根に寄生して生長します。そして、秋から初冬にかけて花を開きます。
 寄生植物というと、あまりよいイメージではありませんが、この紫色の花は可愛らしく、結構魅力ある被写体です。さらに、下から花の奥深くを覗いてみると、まるでナメコのような器官が見えるのが不思議です。前回、前々回に続いて、デジタル専用魚眼レンズで画面全体にピントを合わせ、ススキの根元の地面から生えている状態を捉えてみました。背景の空が青くないのがちょっと残念です。
  ナンバンギセルの花
ナンバンギセルの花
NikonD1X DX Fisheye-Nikkor ED10.5/2.8G Speedlight
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オキナワオオカマキリ雌成虫
オキナワオオカマキリ雌成虫
NikonD1X DX Fisheye-Nikkor ED10.5/2.8G Speedlight
  2003.12.5
先日購入したデジタル一眼レフ専用魚眼レンズを、自然のフィールドで使ってみようとお客さんの案内がてら、山原(やんばる=沖縄本島北部)へ持っていきました。亜熱帯、暖冬とはいえ、12月の山の中にはそれ程たくさんの昆虫の姿はありません。魚眼レンズでありながら、接写能力は高いのですが、それでも結構大きめの昆虫でないと絵になりません。
 そのようなことを考えながら、林道を車で走っていると、路上に大型のカマキリを見つけました。他の車に轢かれてしまわないようにと、路肩のシダの葉の上に移動させました。
 カマキリを画面いっぱいに入れても、確かに背景の木の葉までピントはほぼ合っています。しかし、このような構図では、余程注意深く見ないと、背景までピントが合っていることが判りません。このレンズの特性を活かすには、撮影場所などの条件もかなり気を使って選ばないとならないようです。
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2003.12.2
久しぶりの上京の機会に、久しぶりに新しいレンズを購入しました。ニコンのAPS-CサイズのCCDデジタル一眼レフ専用の魚眼レンズです。ご存知のようにデジタル一眼レフの多くは、35mmフィルムフルサイズよりも小さなCCDを使っているため、実際の画角が狭まってしまい、広角レンズ使用時にデメリットがありました。超広角レンズや魚眼レンズを用い、昆虫を初め小動物の撮影に環境までも写し込んだカットを多用するために、その点不便を強いられていました。
 そのようなデメリットを補うレンズのいくつかが最近登場し始めています。そのひとつが、このフィッシュアイニッコール10.5mmF2.8です。 APS-CサイズのCCDで撮影しても対角線方向に180°の画角を持ち、最短撮影距離14cmという、なかなか魅力的なスペックです。ご覧の作例のように、体長6cmのセマルハコガメのフィギュアを最短撮影距離の14cmで捉えても、最小絞りのF22まで絞り込むと、ほとんどパンフォーカスのような映像が得られます。おまけに、スピードライトSB-50DXにディフューザーを装着すると最短撮影距離でも照明が回ります。
 上京前は、このレンズを購入すると決めていたのですが、直前になってシグマの超広角ズーム12~24mmの発売を知り、かなり迷いました。このレンズは、APS-Cサイズ一眼レフ専用ではなく、35mmフルサイズ銀塩一眼レフでも使用出来ます。ですが、ネックは最短撮影距離が28cmという点です。このジャンルのレンズのスペックとしては、かなり頑張っているのですが、やはりこの数字では、今回のような映像は得られません。しばらくは、このデジタル専用魚眼レンズにハマりそうです。
  デジタル専用魚眼レンズテスト撮影
デジタル専用魚眼レンズテスト撮影
NikonD1X DX Fisheye-Nikkor ED10.5/2.8G Speedlight
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