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生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。
しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。
でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。
その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。
ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。
しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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写真展「亜熱帯やんばる〜多様性の森」終了しました。
ありがとうございました。
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※各種お問い合わせは、こちらまでお願いします。 |
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ビロードボタンヅルの実
NikonD1X Nikkor10.5/2.8 Fisheye
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2004.2.29
午前中は晴れ間が広がっていたものの、午後から次第に雲が多くなり、青空も何処かに隠れてしまいました。そのような空模様の中、林道を走っていて出会ったのが、この植物です。和名はビロードボタンヅル。「ボタンヅル」や「センニンソウ」の名称が付く、所謂クレマチスの仲間です。 実の直径は10数cmはあるでしょうか?風に吹かれて揺れる様は、如何にもケセランパサランとでも表現したくなる雰囲気です。これを魚眼レンズで見上げるように撮影すると、森の梢からぶら下がっているシャンデリア風のオブジェのようで、なかなか面白い光景でした。惜しむらくは、これを青空バックで撮影出来たら、より魅力的な影像となったことでしょう。 しかし週間天気予報では、水曜日までは雨と曇りマークの連続。晴れマークは木曜日からですが、生憎その日はTVの生放送担当の日。さらに金曜日までに運転免許証の更新。確定申告書の制作などなど、なかなか事は巧く運びそうにありません。早めの春が訪れようとしている山原の森は、ただでさえ撮りたいものに溢れているというのに・・・
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2004.2.28
ハナサキガエル中心の生活をしている間に、山原(やんばる=沖縄本島北部)はすっかり春になり始めていました。 ハナサキガエルとカンヒザクラが、例年よりも遅れていたため、そのことばかりに気を取られていました。ところが今日、昼間の山原の森を見て驚きました。森のあちらこちらに春の兆しがいっぱいなのです。アカメガシワの深紅の新芽、タブノキの薄紅色の新芽、ヤツデの新芽、タラノキの新芽、ヒサカキの小さな白い花、クロバイの房状の白い花、ハクサンボクの満開の白い花、エゴノキのややピークを過ぎた白い花などなど。 山並にもところどころに、新緑の若葉が混ざり始めています。山原の森の中で最も多いと言われているスダジイ(イタジイ)も、木によっては新芽が展開し始めています。若葉だけと思いレンズを向けたところ、ファインダーの中には小さな顆粒状の蕾の着いた花芽までが見えました。今年の春の訪れは、かなり早いようです。 暑いような日の続いた昨年12月。ここ10年来なかったような冷え込みの続いた1月下旬から2月上旬。そして早めの春が訪れようとしている2月下旬。いったい自然の暦はどうなっているのでしょう?
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スダジイ新芽
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6
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コスモスに訪花したセイヨウミツバチ
NikonD1X Nikkor10.5/2.8Fisheye Speedlight
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2004.2.27
昼前に、琉球大学の構内のコスモスに訪花するミツバチを50カット程撮影してきました。一昨年の2月25、26日にも同じ場所で、同じ撮影をしています。 ほとんど同じシュチエーションなのですが、レンズが前回は35mmフルサイズ用の対角魚眼レンズ、今回はAPS-Cサイズデジタル専用対角魚眼レンズの違いがあります。当然、後者のほうが画角が広く背景が広く写り込んでいますが、反対にミツバチはやや小さめかもしれません。 2年前には、デジタル一眼レフカメラで本格的魚眼レンズ撮影など出来ませんでした。当時は、デジタル専用レンズが登場するとは思ってもみませんでしたが、さらに2年後には、デジタル一眼レフカメラの撮影素子もすべて35mmフルサイズとなり、このデジタル専用レンズも過去の遺物となっているかもしれません。カメラボディにしても、当時最新鋭の機種で、メーカーのラインナップ上でのポジションは、現在でもそれ程大きな違いはまだありません。しかし、確実に2年後には、時代遅れの機種となっていることでしょう。次々と新機能の機材が開発されて便利となる一方で、無理して手に入れた機材があっという間に過去の物と化していく現実。嬉しいのか、悲しいのか・・・ 機材面以外で、2年前と確実に違った点もありました。前回は、なかなか飛んでいるミツバチを写し止められなかったのですが、今回はかなりの歩留まりで写っていました。腕が上がったのでしょうか??
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2004.2.25
昨日に続いてカンヒザクラの話題です。沖縄本島中南部でも、ほとんどの株が満開からややピークを越した状況で、葉も目立ってきました。それでも、遅い株を観察すると、まだこのように蕾がまとまって見られもします。 昨日も触れましたように、カンヒザクラの開花は、株によってかなりのバラツキがあります。さらに、花の色、開き具合、花弁の皺、花柄の長さなど、変異の要素もたくさんあります。 ソメイヨシノにも、花の濃さには違いが感じられますが、一般に白に近い淡い紅色で、カンヒザクラ程ではありません。さらに、地域ごとに一斉に開花のピークを迎え、数日で桜吹雪きとなり散っていくのが一般的です。その満開の華やかさと散り際のはかなさの対比が、多くの日本人に愛される理由のひとつなのかもしれません。 一方で、沖縄のカンヒザクラの濃厚な紅色。開花期が一定ではなく、1カ月以上に渡って花が楽しめるなど、同じ桜とは言え、全く異なった花のようです。しかし、沖縄の気候風土の中では、ソメイヨシノよりもこのカンヒザクラこそが相応しい存在のような気がします。
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カンヒザクラの蕾
NikonD1X Sigma105/2.8 Macro X1.4Telecon
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カンヒザクラの花
NikonD1X Sigma105/2.8 Macro
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2004.2.24
ほぼ1カ月に及ぶハナサキガエルの撮影が終わり、ちょっと虚脱感と筋肉痛を感じています。特に今年どうしても撮影しなければならない理由はなかったのですが、すっかりのめり込んでしまいました。かなりの時間と労力を費やす結果となりましたが、それは、単に例年よりも産卵時期が遅れたことに因ります。 例年よりも遅れている自然現象はハナサキガエルだけではありません。もっと身近な存在で言えば、カンヒザクラもそのひとつでしょう。沖縄本島では、例年 1月中旬頃に北から順に開花し始めます。そして、2月中旬には南部まで満開となるのが普通です。ソメイヨシノように、ほとんどの株が一斉に開花するような性質はなく、株毎に開花時期のバラツキがありますが、それでも明らかに今年の開花は遅く感じられます。今日の写真は、例年であれば既に葉桜がメインになっている北部のカンヒザクラです。よく観ると、まだ蕾さえ残っています。しかし、花がノンビリしていたのに耐え切れずか、次々と若葉が出始めています。 近年、暖冬や異常気象という言葉を頻繁に耳にします。生物の進化の永い歴史の中では、様々な条件に変動が生じてきたことでしょう。それが、小さな変動であれば、各々の種は容易に対応してきたはずです。しかし、滅多にないような大きな変動には対処し切れないか、長い時間をかけて適応してきたのでしょう。近年出会う変動のひとつひとつは、ささいな変動なのか、あるいは現存種に大きなダメージを与えるような大規模な変動なのか、そしてそれは人の社会生活によって引き起こされたものなのか、ついつい気になってしまいます。
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2004.2.23
あるいは、まだ産卵行動の一部が撮影出来るかもしれないと期待していたハナサキガエルに、あっさりふられてしまいました。天気もよいのですが、早々に山原(やんばる=沖縄本島北部)を引き上げました。時間に少し余裕が出来たので、以前から気になっていたことを確認しに行ってみることにしました。 それは沖縄自動車道の石川インターの背後の小高い森の中腹に、不思議な構造物が見えるのです。但し、よく目を凝らして見ても、先端が3本に分かれた尖塔らしき構造のようだとしか判りません。周りの森には、他に関連したものは何も見えません。もう10年以上も「ラブホテル?」「煙突?」「別荘?」と想像を膨らませてきました。インターを降り、凡その見当で車を走らせます。曲がりくねった細い坂道をしばらく走ると、「石川市民の森」という公園にぶつかり、それ以上先には進めなくなりました。車を駐車場に置き、公園の案内版を見ると、「城の展望台」というものがあります。地図のとおりに坂道を数分歩くと、確かに永年遠くから眺めていた物件に行き当たりました。ミニチュアの西洋の城を模した展望台が、その正体だった訳です。その大きさは幅も高さも5~6mと意外に小さなものでした。 本来ならばやや拍子抜けするような結末でしたが、この物件ちょっと気に入ってしまいました。とてもマニアックな話題になりますが、私の一番のお気に入りのTV映画が「プリズナーNO.6」というイギリス製作のものです。その主要ロケ地が、ウェールズのポートメリオンという観光地で、やはりこのようなミニチュアの建物がたくさん並んでいて、不思議な雰囲気が漂っているのです。ちょっとそれを彷佛させるような、永年の疑問の正体でした。
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石川市民の森・城の展望台
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6
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ハナサキガエルの産卵の痕
NikonD1X Nikkor10.5/2.8 Fisheye
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2004.2.23
22日の深夜から23日の早朝にかけて、再びハナサキガエルの産卵場所を訪れてみました。暗いうちに到着したのですが、深夜の渓流は静まりかえっていて、時折イシカワガエルの鳴き声が聞こえてくるだけです。あの聞き慣れた「ピヨ、ピヨ」という鳴き声と、踏みそうになる程のカエルたちが嘘のようです。滝壷の水底にも、ほんの数匹単独の雄がいるだけです。但し、21日の早朝よりも明らかに卵の数は増えていますから、21日の晩にも産卵は行われたようです。 16日の晩から滝壷にカエルが集まり始め、20日と21日の晩に渡って産卵し、その翌日はもう何ごともなかったかのような静けさ。陽が昇り、明るく照らし出された滝壷の中には、キラキラ輝く卵塊が残されているだけです(左下の岩影など)。 滝壷に見られる卵の数と集まってきたカエルの数を考えると、必ずすべてのカエルが産卵出来たとは思えません。産卵に至らなかった雄も雌も少なくないことでしょう。それでも、カエルたちは何かを切っ掛けに滝壷を後に、元の環境に戻っていきます。反対に集まり始める切っ掛けも気になります。毎年同じ時期になると、小さな滝壷に集合し、一斉に産卵するハナサキガエルたち。静寂を取り戻した滝壷を前に、自然界の不思議を感じられずにはいられません。
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2004.2.21
今シーズンのハナサキガエルの産卵は遅く、同時にその時期に同じ渓流環境で見られる動物も例年とはやや状況が異なりました。中には例年どおりに行動しているものもあれば、いくら通ってもほとんどその姿を見られないものもありました。 特に気になっていたのが、このイボイモリ。近年生息数の減少している動物ですが、それでもこの時期に夜の渓流歩きをすれば、必ず姿を目にしたものです。どうしてしまったのだろうと心配していたところ、渓流通いの最後の晩にやっとこの姿に遭遇することが出来ました。 胴体側面にある肋骨の突起が、和名の「イボ」の由来です。この手の動物の苦手な人には、何ともグロテスクな姿に映るに違いありません。私も、以前はそれ程魅力を感じる存在ではありませんでした。しかし、このイボイモリ、所謂「生きる化石」と言われるもので、1000万年以上前のヨーロッパの地層からも、ほぼ同じ姿で化石が見つかるそうです。そのような永い時間、姿を変えずに生きてきたと考えると、この姿も深い意味があるのでしょう。そう思って見ると、何処か趣きが感じられるのが不思議です。 日本国内で、イモリは決して人間と疎遠な存在ではありません。しかし、国内に生息するイモリの仲間は、わずかに3種類です。本土のアカハライモリ、琉球列島のシリケンイモリ、そしてこのイボイモリです。この3種類の中で、最もその姿を見るのが難しい存在とも言えます。
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夜間、林床で活動するイボイモリ
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 Speedlight
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ハナサキガエルの集団産卵
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6 Speedlight
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2004.2.20
ついにハナサキガエルの産卵の日がやって来ました。今週に入ってから、滝壷周辺で見られるカエルの数が日に日に増え、日没後の「ピヨ、ピヨ、ピヨ」という鳴き声も激しさを増していました。さらに、昨夜から滝壷の水底に潜っているカエルの姿も確認出来るようになってきました。 そして、今日の深夜、産卵行動が本格化しました。水底にはおびただしい数のカエルが見られます。ただ、絶えず激しく水が流れ込んでいる滝壷の水面は、波紋が収まるということがありません。そのために、水中で行われている行動の詳細をつかむことは容易ではありません。さらに、水面越しの水中をシャープに写しとめることは困難を極めます。それでも、ときおり波紋がやや穏やかになった瞬間に垣間見える行動には驚かされます。20~30匹ものカエルが団子状態になったものが、いくつも確認できます。既に産卵された卵塊は、キラキラと輝く真珠のようです。 ほぼ1カ月前から数日おきに、そしてこのところは1週間連続しての産卵現場通いの末に迎えた今晩のクライマックス。非効率的な仕事の典型のような撮影でしたが、今晩の滝壷の中の卵やカエルの姿を見て、決して無駄な時間ではなかったと感じました。
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2004.2.19
もう毎日のように報告するのもはばかられますが、ハナサキガエルの集団産卵は今晩もお預けでした。しかし、やっと滝壷の水底に潜り始めたカエルや、わずかに産まれた卵が確認出来ましたし、滝壷周辺のカエルの数からして、明日の晩こそは間違いないと確信出来る状況になりました。 毎晩の渓流歩きでは、昨夜のイシカワガエルのペアのように、思わぬ副産物に出会うこともあります。今夜のオマケは、このホントウアカヒゲ。リュウビンタイという大きなシダの葉陰で休んでいたのは雌の成鳥です。 実は、一昨日の晩にも、ほとんど同じ場所で寝ているのを見つけました。そのときは偶然なのだろうと思っていましたが、どうもこの場所が彼女のお気に入りの塒(ねぐら)のようです。明日の夜も、こっそりと覗いてみることにしましょう。
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シダの葉で休むホントウアカヒゲの雌
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6 Speedlight
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穴からこちらを覗くイシカワガエルのペア
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6ED Speedlight
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2004.2.18
またしても、ハナサキガエルにふられてしまいました。今晩は期待を込めて、もう決め打ち状態で、業務用の大型ビデオ一式を担いで渓流に入ったのですが、まだクライマックス一歩手前のようでした。30kg近い機材を持っての深夜の渓流歩きは、どう考えても楽しさよりも苦しさが先行してしまいます。それも、もう4日連続、のべ10日以上となると、何処か修行の世界のようです。 日増しに滝壷周辺に集まるハナサキガエルの数は増えてますから、その時は確実に近付いてきています。「もう今シーズンは諦めようか」という気持ちと「ここまで通ったのだから意地でも撮影するぞ」という気持ちのせめぎ合いです。 撮れなかったときの言い訳を考えながら、弱気になったところに、こんなシーンに出会ってしまいました。イシカワガエルが、しかもペアで仲良く、崖の上の穴からこちらを見下ろしています。「アイツ、また来てるよ!」「まだ懲りないのかしらね?」とでも会話しているのでしょうか?これだから、野生動物相手の撮影はやめられません!やはり意地でも撮らなければ・・・
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2004.2.17
「今晩こそは!」と思っていたハナサキガエルの集団産卵ですが、またまた肩透かしに終わってしまいました・・・ それでも、日没と同時に滝壷周辺に集まってきたハナサキガエルの数は、ざっと50~60匹でしょうか?明らかに前夜に比べて、2~3倍に増えたと思われます。さらに、前夜はほとんど確認出来なかった抱接ペアも、4、5ペア見ることが出来ましたから、確実に一斉産卵の晩は近付いてきています。そして、雄が雌を呼ぶ鳴き声「ピヨ、ピヨ、ピヨ」も、かなり盛り上がってきています。 もうひとつ、嬉しくない産卵に結び付く徴候も、これまで余りお目に掛らなかったヒメハブですが、今夜は3匹に遭遇しました。尤も、例年の産卵の前後にはそこら中を動き回るヒメハブの姿を見ることになりますから、それに比べればまだまだなのかもしれません。 それにしても、このハナサキガエルのペアもかなりのノミの夫婦状態ですね。しかも同系色のペアだったために、暗がりでは最初ペアであることに気付きませんでした。
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ハナサキガエルのペア
NikonD1X Sigma55-200/4-5.6 Speedlight
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滝壷にやって来たハナサキガエルの雄
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 Speedlight
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2004.2.16
もうこれまでに何度となく、この場で話題にしてきたハナサキガエルの産卵行動。例年よりも1カ月前後遅れていて、どれだけ無駄足を運んでいることでしょうか・・・。これまでは、ちょっとした産卵に結び付く徴候を見い出しては、「いよいよか!?」と期待することの繰り返しだったのですが、いつも空振りでした。 それが、ついにその時が近付いてきたようです。今日は、日没とほぼ同時の午後7時15分に産卵環境に着きました。すると、もう100m程手前から、繁殖期特有の雄の鳴き声「ピヨ、ピヨ、ピヨ」が渓流に響いています。これまでも散発的に、深夜に耳にしたことはありますが、これ程早い時間帯に連続しては、今シーズン初めてのことです。はやる気持ちを押さえて、足元のヒメハブに注意しながら、産卵場所の滝壷に近付きます。すると、滝壷の周辺にはざっと見回して、20~30匹のハナサキガエルの雄が確認出来ます。そして、それを狙うヒメハブの姿も同時に。 その場で2時間程様子をみましたが、今晩中に一気に集団産卵まで進むとは思えません。恐らくは、明日の晩か明後日の晩になるのではないでしょうか。今晩は一旦引き上げて、明日以降に万全の態勢で撮影出来るように備えることにしました。
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2004.2.15
ハナサキガエルの産卵狙いで、渓流歩きの毎日です。これが、もっと暖かい季節ならば、いろいろな昆虫、小動物、野鳥に遭遇して楽しい撮影なのですが、やはり亜熱帯とはいえ真冬の森は、どうもパッとしません。ただひたすら、機材を肩に、足元のヒメハブを気にしながら、車とポイントの往復です。そのような撮影行の中、ちょっと心和ませてくれるのが、冬に咲く植物たちです。 渓流環境で見られる季節の花の代表は、サツマイナモリとオキナワスズムシソウでしょう。前者は既にやや開花のピークを過ぎているようです。一方、オキナワスズムシソウは、毎日のように新しい花に更新されていきます。小さな流れのほとりで、淡い青紫色の花を着ける姿には、何度となくレンズを向けてしまいます。ところが、その映像はイマイチ納得のいかない、何か物足りなさ感じるのです。 その理由は、恐らくコノハチョウの食草としての要素なのではないかと思います。セイタカスズムシソウとオキナワスズムシソウは、どちらもあの擬態で有名なコノハチョウの食草です。スズムシソウを紹介するには、そのことを抜きには語れないような気さえします。なのですが、どう頑張ってみても、スズムシソウの花の季節と、コノハチョウの幼虫の時期を映像的にオーバーラップさせるのは無理があります・・・
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林床に咲くオキナワスズムシソウ
NikonD1X Nikkor10.5/2.8 Fisheye
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沖縄本島北部恩納村内の海
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 PL-Filter
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2004.2.15
ちょっと見たところ、盛夏の昼下がりの海、、、影が伸びているところからすると、午前中の景色でしょうか?これは、今日の午後2時前に沖縄本島北部の西海岸で撮影したものです。この1週間ばかり、すっかり好天続きで、日中は本当に夏を思わせるような瞬間もあります。この眺めも、撮影に向かう車窓から、一瞬飛び込んできたエメラルドグリーンにハッとして、車を停めて撮影したのです、 この海は、確かに美しいには違いないのですが、このようなシルエット化した木々の隙間から覗くことで、より引き締まって、鮮やかに見えているのでしょう。よく写真の縁を黒くして見せるのと同じような効果だと思います。 それにしても、同じ海でも南と北では、これだけ違った色に見えるのでしょうか?沖縄ではサンゴ礁が発達して遠浅で、海底がサンゴから成る白砂だからというのが主な理由だとは思うのですが、どうもそれだけではないような・・・?冬の日本海のどす黒い塊との違いは、単にそれだけでは説明出来ない、納得出来ない、何か別の要素があるような気がしてなりません。
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2004.2.13
今週は晴天が続き、日中の気温も高めです。屋外で作業をするのも、半袖のTシャツ1枚でちょうどよいくらいの陽気です。周りの木々を見ると、次第に冬よりも春を感じさせる要素が増えてきたように思います。 そのひとつが、シマグワの芽吹きです。ついこの前まで、黄色い葉をつけていたかと思っていた枝から、あっという間に古い葉が姿を消し、枝先には明るい緑色が目に付くようになってきました。その緑色の部分は、若葉だけではなく、早くも蕾まで同時に出てきています。これが、シマグワのノーマルなサイクルなのでしょうが、これまで意識して見ていなかったので、ちょっと意外でした。 今頃の季節は、冬の中に埋もれている春を見つけては、喜びを感じますが、やがて春本番を迎え、次第に暑さを感じるようになり、気がつけば撮影に忙しいシーズンに突入しているのでしょう。
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シマグワの芽吹き
NikonD1X Sigma55-200/4-5.6 Speedlight
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ハナサキガエルの産卵環境
NikonD1X Nikkor10.5/2.8 Fisheye
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2004.2.12
ここ数週間程、頻繁な山原(やんばる=沖縄本島北部)通いが続いています。亜熱帯の沖縄のフィールドでは、真冬でもさまざまな生物が活動していて、シーズンオフという状況はありません。それでも、夏場に比べればはるかに取材対象は少なく、時期も場所も限られていますから、これ程特定の場所に通い詰めるのは珍しいことなのです。 この冬場の山原通いの理由は、南島漂流記でも度々触れていますように、ハナサキガエルの集団産卵が目的なのです。例年は、1月中旬に産卵が行われる環境なのですが、もう既に1カ月近くも遅れています。私は、決して毎年の産卵日を確認する程の熱心な観察者でも撮影者でもないのですが、これ程遅れた年があるとは聞いたこともありません。 遅れている理由は何でしょうか?今冬の山原は、ダムの貯水率が50%台を低迷する程の少雨傾向が続いています。さらに暖冬、暖冬と言われ続けてきた近年には珍しく、1月後半から続いている冷え込みは、10年振り以上の出来事だと思います。思い当たるのは、この2点なのですが、ハナサキガエルたちにとっては、もっと大きな異変が起きているのかもしれません。 今シーズンのハナサキガエルの産卵をどうしても撮影しなければ成立たない企画がある訳でもありません。しかし、これほど足しげく通ってしまうと、意地でもそのシーンを撮影したいと思ってしまうものです・・・
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2004.2.11
ここしばらく、沖縄の典型的な冬の空模様が続いていましたが、昨日から久しぶりに陽射しが元気を取り戻し始めました。晴れた日中に車を走らせていると、ついついエアコンをONにしたくなる程です。このような状況は、昨年12月はほとんど毎日のことだったのですが、年が明けてからは本当に久しぶりの印象です。 そのような陽射しの下、カンヒザクラの花の紅色が目に付くのはもちろんですが、意外によく出会うのがこのカラシナの花の黄色です。桜の花も春を告げる存在ですが、地面近くで暖かな陽射しを浴びているカラシナの花は、いかにも春を想わせてくれます。 一般にこのような花を見ると、菜の花=アブラナという印象がありますが、沖縄ではアブラナが栽培されることは稀で、ほとんどがカラシナの花だと言われています。 この好天と陽気もまだ数日は続くようです。この気候によって、長いこと待たされているハナサキガエルの産卵行動も刺激されればよいのですが。
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カラシナの花
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6
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ヒカゲヘゴ
NikonD1X Nikkor10.5/2.8Fisheye Speedlight
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2004.2.9
最大で高さ10mにも生長する木生シダ、ヒカゲヘゴの新芽が伸びてきたところです。まるで巨大なゼンマイのようですが、ここまで生長するとさすがに食べることは出来ません。しかし、このように伸びる前、根元のほうに丸まった状態だと食べることが出来るのです。 ナイフで直径10cm余りもある芽を切り取り、表面の鰹節のような毛をむしり取り、緑色の皮を剥きます。このとき、かなり粘りがあるので、手を滑らさないように気を付けなければなりません。そして、5mm程度の厚さの輪切りにします。後は、サッっと湯がいて、湯切りして、鰹節と醤油をかけて食べるだけです。余り癖のない味なので、シャキシャキした食感のほうがが印象に残ります。 沖縄で奥地に何日間も入るときには、このヒカゲヘゴとオオタニワタリの新芽が、貴重な野菜代わりになります。しかも、どちらも季節を選ばずに手に入るので助かります。 さて、今日の写真はよく観ると、画面中央にやや白っぽく霞んでいる部分があります。これはレンズが結露して曇ってしまったためです。レンズなど撮影機材の結露といえば、夏場エアコンを利かした車内から外に出たときになることが多いのですが、真冬の結露は沖縄では久しぶりです。明け方に気温が下がり、機材も冷やされ、その後気温が上昇した外気に触れると、このような結露が生じるようです。このような真冬の結露を経験したのは、10数年ぶりのことです。これもまた、今年の沖縄の冬がかなり寒いことの証しなのかもしれません。
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2004.2.8
このところ、深夜の渓流歩きが多いので、その際の必須アイテム、ライト類を紹介しましょう。どちらも最近採用したばかりの新顔なのですが。 まず、右側のライトは5Wの高輝度白色LEDが使われていて、バイクのヘッドライト並の照度はあるでしょう。これで、渓流を歩く時の足元を照らし、ヒメハブなどの危険生物を避けたり、被写体を探したりします。また、この光源はやや青味が強いものの太陽光線に近い色温度をしているので、ビデオ撮影用にも便利です。そのために、アクセサリーシューに装着出来るように改造してあります。 夜間の撮影では、身の安全と被写体の探索効率を上げるために、なるべく明るいライトが必需品です。これまでは、単1乾電池6本とハロゲンバルブを使用した重量1.5Kgの大型ライトを持ち歩いていました。現在のLEDライトの重量はわずか235gですし、バルブが切れる心配もありません。これまでにも、ほぼ同じ性能のハロゲンライトがありましたが、非常に高温になるので20分以上の連続点灯が出来ませんでした。また、スペアバルブが非常に高価で、あまり実用的ではありませんでした。 よいことずくめのLEDライトなのですが、ひとつ欠点があります。さすがに5wのLEDとなると、消費電力は馬鹿にならず、このサイズを実現するために、CR123Aのリチウムバッテリ3個を必要とします。これでも、約4時間の連続点灯しか出来ません。このリチウムバッテリは、コンビニで1 個\700、大型量販カメラ店でも¥450前後と高価なのがネックです。ところが、\150程で購入出来る先を見つけ、このライトの実用性が出てきたというわけです。また、LEDの製造技術の問題か、光源の色にバラツキがあるのも気になります。 左側のライトは、白色LEDとタングンステンバルブ、さらに陰極蛍光管(蛍光灯)の3点セットで、重量110g&手の平サイズです。右側のLEDライトだけでも事足りるのですが、実際の撮影時には蛍光灯のように手許をフラットに照らす照明もあると、より便利です。さらに予備の足元照明用の機能も備えていれば、言うことはありません。今まで使ってきた蛍光灯&ハロゲンバルブのライトの重量は345gありましたから、かなり装備の軽量化に貢献してくれます。改善すべき点は、バッテリの持ちと互換性を考え、少し大型化しても単4電池ではなく単3電池を採用して貰いたいところです。さらに、ストラップの取り付け位置が悪く、首に吊るすと蛍光管が上向きになり、下側が照明されずに眩しいことでしょうか。
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夜間撮影の必須アイテム、小型軽量ライト
NikonD1X Sigma55-200/4-5.6 Speedlight
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サクラツツジの花
NikonD1X Sigma55-200/4-5.6 Speedlight
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2004.2.8
今年これまでに見たサクラツツジの中で最も濃い花弁の色をしていたのが、この株です。見た目はかなり濃く感じたのですが、改めて映像を見てみると、花弁自体はそれ程濃い色ではないようです。 何れにしても、生き物は、このような変異があるからこそ面白いのだと思います。単に自己複製を繰り返すだけではなく、その過程で変異が存在するために、少しずつ姿を変えていくのですから。 昨日に続いて、ヤンバルクイナの話題を。環境省は、トキの二の舞いにならないように人工増殖を行う計画のようです。実際の生息環境の中に、天敵の侵入出来ない大規模なケージ(網室)を設置し、その中に放したヤンバルクイナのペアによって繁殖を試みるようです。そして、それによって得られたヤンバルクイナを、かつて生息したけれど、現在では生息していない空白地帯に放鳥するのと同時に、天敵の徹底的な駆除をするそうです。計画を見る限り、かなり理想的な内容だとは思いますが、一方で、人工環境化で生存していることを理由に、行政側の生息地の開発行為の助長に繋がらないことを祈ります。
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2004.2.7
寂しいながらも、よく探すと山原(やんばる=沖縄本島北部)の森には、今の季節でしか見られない冬の花が咲いています。そのほとんどが、やはり冬らしい風情で、ひっそりと咲いていると表現するのに相応しい印象です。 特にちょうど今頃、森のあちらこちらで出会うのが、このサクラツツジの花。ほとんど純白に近いものから、結構色濃く感じられる紫色まで変化に富んだ花弁の色です。図鑑によれば、白い株はシロバナサクラツツジと区別して呼ぶようですが、多くの株を観察すると、その変異は連続していて、はっきりと境界線を設けるのは難しいように感じます。 フィールドで出会った生物を図鑑と照らし合わせてみると、どうも植物の分類をなさっている方々は、なるべく細分化しようとする傾向が感じられます。生物の分類単位の基本である「種」よりもさらに細かい「亜種」はもちろん、さらにそれより下の分類単位の「変種(variety)」までよく使われます。確かに、細かく識別されると丁寧に感じますが、一方でそこまで区別して意味があるのだろうか?と考えてしまうこともあります。 さて、このサクラツツジの花の色ですが、ソメイヨシノのほのかな薄紅色に馴染んで育ったためか、このようなわずかに紅を含んだような色合いが好みです。 ニュースでヤンバルクイナの推定個体数が1000羽を切ったと報道されていました。明らかに、遭遇する頻度は減少していますし、生息域も以前より北側にシフトしていると感じます。ここ数年で安定して見られるのは、最北端に位置するいくつかの林道くらいです。昨夜もそのような林道のひとつで、チラッと姿を目にしましたが、その場所だけはいつまでも彼らの安住の地であって欲しいものです。
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サクラツツジの花
NikonD1X Sigma55-200/4-5.6 Speedlight
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オオムラサキシキブの実
NikonD1X Sigma55-200/4-5.6 Speedlight
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2004.2.6
山原(やんばる=沖縄本島北部)の森には、冬らしい光景が広がっています。同時に、春の兆しと秋の名残りも見られます。やがて秋は消え、次第に冬よりも春が色濃く感じられるようになっていくことでしょう。そのような間もなく消えてしまう秋の要素のひとつが、このオオムラサキシキブの実かもしれません。昨秋撮影したオオムラサキシキブの実はみずみずしい印象でしたが、今日再び見た同じ実は、そのときよりもやや白っぽく褪せて映りました。しかし、枝先を見れば、既に若葉が開き始めていました。秋と春が同居する、これが亜熱帯山原の早春の姿なのだと思います。 また新しいレンズを買ってしまいました。シグマのデジタル専用レンズ、55-200mmF4-5.6。APS-CサイズCCD専用設計ということもあって、わずか310gの軽量、サイズ的には銀塩用の60mmマクロレンズといったところでしょうか?これで、35mm換算で300mm相当の望遠効果が得られるのですから、驚きです。これでデジタル専用レンズは、Nikkor10.5mmF2.8 Fisheye、Sigma18-50mmF3.5-5.6と併せて3本。確かに軽量コンパクトで魅力的なスペックなのですが、ジレンマも感じます。やがて、デジタル一眼レフのCCDがすべて35mmフルサイズに置き換わる時代が来たときには、明らかに無用の長物と化します。また、現在でも銀塩カメラと併用する場合は、両方のレンズを携行しなければならない無駄もあります。 これと同様の理由から購入を迷っているレンズがあります。シグマ12-24mmF4.5-5.6とニッコール12-24mmF4 DX。前者は35mmフルサイズをカバーし、銀塩ボディにも対応していますが、レンズ前端にフィルター装着不可。後者はデジタル専用レンズですが、前端にフィルター装着可なので、偏光フィルターも使えます。さて、今晩も悩んでしまいそうです。
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2004.2.5
相変わらずのハナサキガエルの集団産卵狙いの、深夜の渓流歩きの日々です。既に例年よりも3週間程も遅れているのですが、まだその時を迎える気配がありません。それどころか、一時期気温が上昇していたのに、次の寒気団がやってきたようで、今日の深夜の渓流沿いでの気温は8度でした。こうなると、ハナサキガエルも、それを目当てに集まるヒメハブもほとんど活動しません。 そのような寂しい渓流歩きの中で、今晩唯一の収穫がこのイシガケチョウでした。この光景を見て、実はほっとしました。ちょうど、今夕に放映された琉球朝日放送(QAB)で担当している「リュウキュウの自然」のコーナーのテーマが「暖冬とチョウの生活」でした。本来は、冬になってしまうと成虫が姿を消していたチョウが、近年の暖冬の影響で、真冬でも成虫が活動するようになった種類がいるという内容です。具体的に取り上げた種は、ツマベニチョウ、シロオビアゲハ、モンキアゲハ、アオスジアゲハ、そしてこのイシガケチョウだったのです。ですが、正直言って、このイシガケチョウだけはちょっと不安な部分もあったのです。と言うのも、実際に活動している姿を最後に見たのは、昨年の暮れのこと。そのときは、まだ新鮮個体がかなりの数、活動していましたから、それが突然、姿を消すとは考えられません。さらに、数人の知人に1月に入ってからも成虫の姿を見たという情報を確認してはいたのですが、やはり自分の目で見ないことには、何処か心の隅に晴れないところがあったのです。 しかし、2月上旬の山原(やんばる=沖縄本島北部)の奥地で、しかもかなり冷え込んでいた渓流沿いで、複数の成虫が確認出来たのですから、もう間違いはありません。これで、クレームが付く心配もありません。やや興奮しながら、深夜の渓流の足場の悪い場所に三脚を立てて、証拠写真の撮影に励んだのでした。欲を言えば、逆光気味にも照明を当て、夜の雰囲気を出したかったのですが、滝壷の上の切り立った崖から張り出した枝では致し方ありません。
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夜間、葉裏で休むイシガケチョウ
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6ED Speedlight
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リュウキュウコスミレ
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6
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2004.2.3
生憎の空模様が続いています。強い北風、降ったり止んだりの雨・・・ にもかかわらず、先々週から狙っているハナサキガエルの集団産卵はまだ始まりません。昨夜も深夜の渓流を歩いてみましたが、産卵行動の徴候は、まだ感じられませんでした。 日中も天気が思わしくないので、それ程撮影が忙しいわけでもありません。雨に濡れるカンヒザクラの花でも観ようと、沖縄本島最高峰の与那覇岳中腹の森林公園まで足をのばしてみました。ほぼ満開のサクラを窓越しに車を走らせていると、道路脇の草地から紫色の塊が目に飛び込んできました。 車を降りてみると、最近草刈りをされたと思われる一隅に、かなりの株のリュウキュウコスミレがかたまって花を着けていました。緑の葉をバックに咲く小さな紫色の花の集団、ちょっとヒメキランソウを思わせます。 除草作業をしたため、陽当たりがよくなり、一斉に生長し開花したのでしょう。もっと温かい季節であれば、スミレ類を食草にしているツマグロヒョウモンの格好の産卵場となっていたでしょう。尤も、ツマグロヒョウモンは、成虫が一年中活動しているチョウですから、この光景が楽しめるのも短い時間なのかもしれません。
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2004.2.1
今日の夕方、山原(やんばる=沖縄本島北部)では、雨が降りました。それ程、長時間ではありませんでしたが、一時はかなりの雨脚となりました。恐らく、森の奥の渓流でも水量に変化があったのではないでしょうか? 先週から足しげく通っている渓流環境でのハナサキガエルの産卵行動も、この雨が切っ掛けで始まる可能性があります。ほとんど一晩で行われるハナサキガエルの集団産卵は、まとまった量の雨が切っ掛けであったり、ぐっと冷え込んだ後の気温の上昇が切っ掛けであったりと、かなり微妙なものです。例年ですと、1 月の中旬に見られる産卵行動が今年はかなり遅れています。さて、今日の雨の影響はどうなるでしょうか?
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土砂降りの山原の森
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6ED
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オープンした東村立「山と水の生活博物館」
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 Speedlight
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2004.2.1
沖縄本島北部の東村に「山と水の生活博物館」がオープンしました。この自然史セクションの主要部分であるジオラマの監修を担当しました。同村に保管されていた多数の野鳥標本を活かすために、河川環境を上流から下流までジオラマで再現し、野鳥の剥製を配置して、解説を加えたものです。 ジオラマの背景には、一昨年秋に撮影した沖縄最大の福地ダムのダム湖に流れ込む河川の上流環境の写真が使われています。通常、この地域は米軍の演習地として使われているため、一般に足を踏み入れることは出来ませんが、特別に許可を受け、米兵のエスコートが着いての撮影でした。 大型台風の通過直後ということもあり、水量たっぷりの河川は、なかなか迫力がありました。これほどの自然環境が山原(やんばる=沖縄本島北部)にも残っていたことにとても感動しました。ときに、そこが山原であることを忘れて、西表島の奥地の渓流を歩いている錯覚にとらわれる程でした。現在の山原の渓流環境は、ほとんどがダム建設によって姿を変えてしまっていますが、かつての山原の本来の姿を垣間見ることの出来た、とても貴重な体験でした。(2002.9.10参照)
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