生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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写真展「亜熱帯やんばる〜多様性の森」終了しました。 ありがとうございました。
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2007.6.30
野鳥たちは梅雨の時期に合わせて繁殖期を迎えます。ヤンバルクイナもやはり例外ではないのですが、地上で育雛をしている間、この鳥特有の夜間樹上に登る行動がほとんど見られなくなります。
 今年の繁殖は順調だったのでしょうか、梅雨明け後の樹上のヤンバルクイナはよく見られます。今晩も程よい高さと角度の幹に登っている成鳥に出逢うことが出来ました。この後も、茂みの中に伸びた枝に登っていた個体を明るくなるまで撮影出来たのですが、そちらはビデオ撮影に専念しました。
 以前は、至る処でこのような姿を見られたのですが、最近では本当に局所的な生息に陥っています。ヤンバルクイナの人工増殖が始まるとの全国ニュースが流れていますが、生息状況が好転することを祈るばかりです。
  ヤンバルクイナ
ヤンバルクイナ
NikonD200 VR Nikkor80-400/4.5-5.6ED Speedlight
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イシガケチョウ幼虫
イシガケチョウ幼虫
Ricoh Caplio GX100 Speedlight
  2007.6.29
沖縄の蝶の中で、イシガケチョウはかなりポピュラーな存在です。蝶の人気投票では、トップに輝いたこともある程ですが、派手というよりも渋いデザインが受けているようです。
 成虫の大人しいデザインに比べると、幼虫の姿はちょっと奇抜です。頭部に1対の角と胴体にも2本の肉刺が目立ちます。なかなかユニークな頭部なのですが、伏せていることが多く、このように正面から表情を見られるのは数少ない機会なのです。
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2007.6.28
前翅長10mmにも満たない地味な色彩の蛾なのですが、何処か愛着を感じる種類です。小さな黒斑が、翅全体に規則的に配置されているところが、何処か生真面目でユーモラスに感じてしまうのです。
 地味な存在なので、あまり気付きませんが、実は個体数も少ないわけでもなく、市街地で見かけることもあります。かつて拡大撮影した結果、この面白さに気付いたのですが、老眼の影響が出始めた後に出逢っていたら、この魅力には気付かなかったかもしれませんね。
  ヒメゴマフコヤガ
ヒメゴマフコヤガ
Ricoh Caplio GX100
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リュウキュウツヤハナムグリ
リュウキュウツヤハナムグリ
Ricoh Caplio GX100
  2007.6.25
クワノハエノキの葉裏に1匹のリュウキュウツヤハナムグリがいました。どうも、この昆虫のイメージとして、アダンやバンジロウ(グァバ)の実にたくさん群がっている状況があります。そのような状態では、ディテールが目に入らないものなのですが、このように単独で見ると、そのイメージも異なります。
 まず、意外と大きいのです。そして、これまで丸みを帯びているように感じていた胴体が、結構角張っているのですね。グループ交際のときには気付かなかった、意外な魅力みたいなものでしょうか?
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2007.6.24
20年ぶり近くになるでしょうか、フタオチョウの卵を撮影する機会に恵まれました。
 他の種類には見られない不思議な形状をしています。まるで上面を鋭利な刃物でスパッと切断したみたいなのです。産卵直後は、この面がやや盛り上がっていて、次第に平面となり、孵化が近づくと今度は凹むのです。何とも不思議な形です。
 フタオチョウは幼虫になっても特徴的な角が2対ある不思議な姿をしています。無事孵化して、その姿も紹介出来ればよいのですが。
  フタオチョウ卵
フタオチョウ卵
Ricoh Caplio GX100 (triming)
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ミナミヤモリ
ミナミヤモリ
NikonD200 DX Fisheye Nikkor10.5/2.8 Speedlight
  2007.6.23
森の中で甲虫を撮影していたら、めくり上がった樹皮に触れ、ポロっと剥がれてしまいました。すると、そこに隠れていたミナミヤモリが姿を現しました。
 動かなければ、そこにいるのが分からないような体色ですが、さらに周囲の環境に合わせて、短時間で変化すると言われています。ファインダーの中でも、なかなかのカムフラージュ効果なので、これでも充分だと思うのですけどね。
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2007.6.22
水不足の心配がいつも付きまとう沖縄ですが、今年はその心配も無用なようです。梅雨明け前から、沖縄本島内のダムはオーバーフローしていますし、山原(やんばる=沖縄本島北部)の渓流の水量も豊富で、滝にも迫力が感じられます。
 とは言っても、今から20年程まえの沖縄に比べれば、給水制限は遥かに少なくなりました。それは、山原の生態系を潰して多くのダムが建設された引き換えの恩恵です。日常生活での支障は軽減されたものの、その裏で減少していった野生動物たちを想うと複雑な気持ちです。
  山原の滝
山原の滝
Ricoh Caplio GX100
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梅雨明け
梅雨明け
Ricoh Caplio GX100
  2007.6.21
山原(やんばる=沖縄本島北部)に撮影に来ていたら、梅雨明け宣言がありました。平年よりも2日早い梅雨明けです。今日、帰る予定でいましたが、急遽日程を伸ばして、梅雨明けの山原の森を撮影することにしました。
 やはり、梅雨明けは嬉しいものです。夏の長い亜熱帯・沖縄では盛夏が必ずしも動物たちのベストシーズンとは限りません。梅雨明けから1カ月間がベストなのです。さぁ、今年も頑張って撮影しなければ!
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2007.6.20
山原(やんばる=沖縄本島北部)の林道を走っていたら、運転席のサイドウィンドウに1頭の蝶がとまりました。車を停めて確認してみると、どうもムラサキツバメのようです。もう一種類ムラサキシジミという蝶はよく見掛けるのですが、このムラサキツバメは滅多に見られない種類です。
 特に、雄が翅を広げたときの紫色が美しいのですが、窓ガラス越しの翅を閉じた状態では、どうすることも出来ませんでした。
  ムラサキツバメ
ムラサキツバメ
Ricoh Caplio GX100
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カクチョウラン実
カクチョウラン実
Ricoh Caplio GX100
  2007.6.19
久しぶりの山原(やんばる=沖縄本島北部)です。4月5日にここで紹介したカクチョウランも、すっかり実になっていました。もっとも、あれから2ヵ月半も経過しているのですから、当然と言えば当然なのですが。
 例年、蕾、花、実の段階は記憶にあるのですが、この後どのような姿に変わっていくのか記憶がありません。今年は、その後も観察してみたいと思います。
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2007.6.16
今年の沖縄の梅雨は、空梅雨で始まりましたが、後半はその分を取り戻すかのような勢いの雨の毎日です。こんな日は、この南島漂流記のネタにも困るのです。そんなときに唯一活動しているのが、カタツムリの仲間、、、というフレーズも今シーズン既に何回書いたことでしょう。
 というわけで、今日もクワイズイモの葉の上を移動するウスカワマイマイに助けて貰いました。
  ウスカワマイマイ
ウスカワマイマイ
Ricoh Caplio GX100
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クチナシ実
クチナシ実
Ricoh Caplio GX100
  2007.6.14
久しぶりにオオゴマダラの撮影ポイントを訪れてみました。今日は、梅雨の晴れ間とはいかないものの、何とか雨が落ちて来ることだけは免れている空でした。
 期待していたオオゴマダラは、成虫も蛹も見当たりませんでした。シロオビアゲハやアオスジアゲハといった別の種類の蝶の姿は比較的よく見られました。
 そして目に止まったのが、このクチナシの実。一見、蝶とは関係がなさそうですが、実に穴が開いているのは、イワカワシジミの食痕なのです。つまり、この食痕が見られるということは、暫くすれば成虫が出現してくるということです。半数以上の実に、この食痕が見られましたから、今後に期待してよさそうです。
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2007.6.11
今まで余り考えたこともなかったのすが、モンシロモドキという和名は、ちょっと紛らわしいですね。「モドキ」というと、モンシロチョウに似ている=擬態しているような気になってしまいますが、有毒種でもないモンシロチョウに擬態する理由はないのです。
 アゲハモドキという種類が、有毒なベニモンアゲハやジャコウアゲハに擬態しているという例ならば、解りやすいのですけど。さらに、モンシロモドキはヒトリガ科ですが、その姿は結構マダラガ科に似ているように感じます。マダラガ科はサツマニシキなどのように目立つ色彩をして日中に活動しますが、有毒種なので不都合はないようです。モンシロモドキも日中活動し、吸蜜する姿がよく観察され、マダラガの仲間に似ています。腹部の黄色と黒の模様などを見ると、モンシロモドキ自体が有毒種なのではないかと思えてきます。
  モンシロモドキ
モンシロモドキ
Ricoh Caplio GX100
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ヨツメオサゾウムシ
ヨツメオサゾウムシ
Ricoh Caplio GX100 Speedlight
  2007.6.9
それ程、派手という色彩ではありませんが、やはり目立つ色彩のゾウムシです。アオノクマタケランなどの葉の上にいることがほとんどなので、補色関係にあり余計に目立つのだと思います。
 有毒種だとは思えませんが、何故、このような色彩でいるのでしょう?捕食者には、格好の餌に思えてしまいます。あるいは、ヨナグニアカアシカタゾウのように、消化も出来ない程堅くなる戦略でも採っているのならば、それで解るのですが、不思議です。
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2007.6.7
曇り空の下、車を運転していると、フロントガラスに1頭の小さなチョウがとまりました。どうやらウラナミシジミのようです。
 すぐに飛び立つだろうと思ったのですが、車が走り始めても、そのままです。信号待ちのときに数枚シャッターを切りました。翅の縁にある眼状紋のオレンジ色と水色がやけに鮮やかに映ります。再び信号待ちで、もっとアップで撮ろうと思った瞬間、何処かに飛び去ってしまいました。
  ウラナミシジミ
ウラナミシジミ
Ricoh Caplio GX100
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ウスカワマイマイ
ウスカワマイマイ
Ricoh Caplio GX100
  2007.6.6
昨夜から今朝にかけては、かなり強い雨に見舞われました。今年の梅雨もやっと本気を出し始めたようです。
 さすがに、強い雨の下では昆虫の姿はほとんど見られません。こんなときにやはり元気で動き回っているのは、カタツムリくらいですね。何匹ものウスカワマイマイがあちらこちらで、気持ち良さそうに動き回っていました。
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2007.6.5
今日も諦めずにセスジツユムシの幼虫を探してみましたが、今日は1匹も見つかりませんでした。かなり本格的に降っていた雨の影響もあるのかもしれません。
 今日、その場所にいたのはナナフシの仲間の幼虫が1匹だけでした。糞をしていますが、葉の食痕もこのナナフシによるものでしょうか?ナナフシって、余り餌を食べている姿を見かけませんが、実は夜に食べているのですよね。元々が余り動かない昆虫なので、気付きませんが、ナナフシは基本的に夜行性なのでしょうか。
  ナナフシの一種の幼虫
ナナフシの一種の幼虫
Ricoh Caplio GX100 Speedlight
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ガガンボの一種
ガガンボの一種
Ricoh Caplio GX100 Speedlight
  2007.6.4
昨日のセスジツユムシの幼虫をもう一度探してみましたが、今日は雌も1匹しか見つかりませんでした。一体、何処へ行ってしまったのでしょうか。益々不思議です。
 すぐその近くで、ガガンボの一種の交尾ペアを見つけました。よく見る光景ですが、何となく昆虫の姿が増えてきたなぁと感じます。それにしても、ガガンボって、自分自身の脚先の感覚までちゃんとあるのでしょうか?すべての脚の位置をちゃんと認識して行動しているのでしょうか?他人事ながら、ちょっと気になります。
※当初、ガガンボモドキの一種としていましたが、読者の方からガガンボの一種とのご指摘があり、訂正しました。
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2007.6.3
梅雨入り以来、空梅雨が続いていた沖縄ですが、昨夜からやっと梅雨らしい天気になってきました。その所為ではないでしょうけど、今日は事務所の裏の茂みでツユムシの幼虫をたくさん見つけました。
 セスジツユムシという種類なのですが、この背中に走る筋が白いのが雌、暗褐色なのが雄です。しかし、不思議なことに10匹弱見つけた幼虫すべてが雌なのです。昆虫の場合、成虫は雄が先に出現するというのが通常のパターンなのですが、雌幼虫だけが目に付くは何故なのでしょう。セスジツユムシは成虫になると、雌よりも雄のほうが目撃頻度が高い印象があるので、なおさら不思議です。雌雄によって、生活する環境に差があるのでしょうか。
  セスジツユムシ幼虫
セスジツユムシ幼虫
Ricoh Caplio GX100
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「雑居時代」
「雑居時代」
Ricoh Caplio GX100
  2007.6.2
俳優の石立鉄男さんが亡くなられました。ここで取り上げるには異質な話題かもしれませんが、彼の主演TVドラマのひとつの「雑居時代」という作品には、一方ならぬ想い入れがあります。
 昆虫写真家の道を選んだ表向きの理由はいくつかありますが、もしそれ以外の理由があるとすれば、この作品から受けた影響は少なくないように思います。石立鉄男演じる貧乏カメラマンの生活が何処となく魅力的に感じられ、憧れたのです。
 既に30年以上前の作品ですが、互いに歳を重ねた共演の大原麗子さんと、是非その後の「雑居時代」を1シーンでもよいから演じて欲しかったものです。
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2007.6.1
日本の子供たちの理科離れが指摘されるようになって久しいですが、子供たちに理科の面白さへ目を向けて貰おうというサイトが公開されました。
 (独)科学技術振興機構(JST)によって運営される「かがくナビ」です。私も沖縄の昆虫のビデオ映像6タイトル(現在3タイトル公開中)を提供している他、毎週一回連載の「湊和雄の沖縄だより」という企画も担当させて貰っています。是非、ご覧になってください。
 最新の連載記事は、ここにアップしたのと同じ写真でアサヒナキマダラセセリを紹介しています。解説は、是非「かがくナビ」サイトでお読みください。
  アサヒナキマダラセセリ
アサヒナキマダラセセリ
SONY HVR-V1J
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