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生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。
しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。
でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。
その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。
ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。
しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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南島漂流記、本日(11/9)から25年目に入ります。
これからも、よろしくお願い致します。
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※各種お問い合わせは、こちらまでお願いします。 |
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デイゴの花
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6ED
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2002.3.28
街のあちらこちらで、デイゴの花の赤い色が目に付くようになってきました。まだ本格的な花の時期ではないようですが、株によっては既に4~5分咲きのものも見られます。 前にも書きましたが、かつての東京近郊では、入学式の前後にソメイヨシノの花がちょうど見頃となるのが季節の風物詩でした。しかし、近年の暖冬で次第に開花が早まり、近頃では入学シーズンには葉桜となることが多いようです。 沖縄で入学式の頃に満開となる花木が、このデイゴの花です。このデイゴも暖冬の影響は受けているのでしょうが、もともとが花期の長い種なので、今年も入学式の頃になっても、まだまだ見頃だと思われます。 この花の鮮やかさは、亜熱帯沖縄の風景にとても似合い、沖縄県の花木にも指定されています。しかし、このデイゴは残念ながら沖縄の在来種ではありません。マレー半島原産で、14世紀頃に沖縄に持ち込まれたと言われています。県のシンボルに外来種を選定する不可解さ、そして今のような色とりどりのハイビスカスやブーゲンビリアなどの見られなかった古の沖縄の街並の趣きはどのようだったのか、興味のあるところです。
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2002.3.17
全国からモンシロチョウの初見の便りが聞かれる中、沖縄市のブロッコリー畑でたくさんのモンシロチョウの群れ飛ぶ光景に出会いました。 もっとも沖縄では、真冬でもモンシロチョウは盛んに活動しています。反対に、7、8月にはほとんど姿を見かけなくなります。それは、モンシロチョウ自身が暑さに弱いためなのか、あるいは、代表的な食草のキャベツの栽培が行われなくなるためなのか、よく解りません。 沖縄には、本来生息していない昆虫が絶えず飛来します。あるものはここに定着し、またあるものは定着出来ずに消え去ります。そのほとんどの種は、沖縄よりもさらに南の地方からやってきたものです。そして、このモンシロチョウも40数年前に沖縄に侵入したきたそうですが、逆に北側の本土からという珍しい例だったのです。今では、沖縄でもごく普通のチョウとなりました。
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モンシロチョウとブロッコリーの花
NikonD1X Sigma105/2.8 Macro
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ハゼノキ紅葉と芽吹き
NikonD1X Nikkor18-35/3.5-4.5ED
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2002.3.15
文字通りの三寒四温を繰り返しながらも、次第に春本番に向かいつつあるようです。那覇市近郊でも、ハゼノキの芽吹きが見られるようになりました。 ハゼノキは、亜熱帯沖縄にあって、唯一と言ってもよい本格的な紅葉を見せる樹木です。しかし、紅葉がピークを迎えるのは秋ではなく、真冬の1月から2月にかけてのことです。そして、その紅葉が完全に落葉する前に、早くも芽吹きのときを迎えます。新葉と紅葉、さらには蕾までが同居するといった亜熱帯ならではの春の光景が見られます。 季節毎に感じることですが、温帯と同じ種の植物であっても、亜熱帯の森では、温帯のそれとは少々異なった役割を演じている場合があるようです。
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2002.3.9
山原(やんばる=沖縄本島北部)はすっかり新緑の季節に突入しています。山全体が、明るい黄色から深い緑色までのグラデーションに彩られ、一年で最も森が輝いて見えるときです。さまざまな樹々で構成される森は、いくら眺めていても飽きるということがありません。もう少しすると、新緑のピークを迎えます。そのときには、この美しい山並も是非ご覧頂きましょう。 ここ数日、再び気温が低下した影響か、山並の変化に比べて、森の中の昆虫たちの活動は盛んではありません。ビロウドツリアブの姿を見かける程度です。私の大好きなオオシマオオトラフコガネも、今年はまだ見かけていません。 森の中でも、確実に春の変化を見せているのは植物たちです。今回の撮影で特に印象的だったのが、この夕陽に照らされるアカボシタツナミソウの群落です。前々から印象に残る植物の1種で、ひとつひとつの花が、ドナルドダックの顔というか、どこかユーモラスな印象を受けるのです。しかし今日のアカボシタツナミソウの、逆光に照らされて林床から浮かび上がる姿は、これまでの印象とは少し異なった美しさでした。
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アカボシタツナミソウ
NikonD1X Sigma15/2.8
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ハイイロテントウ
NikonD1X Sigma105/2.8Macro Speedlight
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2002.3.7
昨日に続いてのテントウムシです。これは、本土では決して見ることの出来ないハイイロテントウです。普通、テントウムシというと、オレンジか赤色の地に、黒い斑紋の派手なイメージのはずです。ですから、この地味なハイイロテントウの存在はちょっと意外に感じるかもしれません。 生物学的に考えてもこれは不思議なのです。テントウムシは種が異なっても、上記のように概ね似たような色彩パターンをしています。これは、生物の教科書にも登場するミューラー型擬態の例なのです。例えば、天敵に恐れられる毒針を持ったハチは、やはりどの種も黄色と黒の縞模様で目立つ存在です。この場合、毒針という共通した武器を持っているハチが一種類一種類異なる姿よりも、似通った姿のほうが、天敵に危険生物であることをより効率的に学習して貰えるという訳です。 そして、テントウムシたちも危険を感じると、臭くて不快な体液を脚から分泌する、共通の対天敵戦術を採用しています。そのためにどれも似た姿をしていると考えられています。では、このミューラー型擬態に参加してないハイイロテントウは、不快な体液作戦を採らないかと言うと、そうではないのです。写真の胸部(前胸背板)右端に少し黄色い汚れが付いていますが、これがその天敵の嫌う体液なのです。こうして見ると、ますます不思議な色ですよね?
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2002.3.6
このところの初夏を思わせるような陽気から、一転して今日は真冬に逆戻りした1日でした。那覇では最低気温15.7℃最高気温17℃で、一日中強い北風が吹き、ときおり曇り空から小雨も落ちる典型的な冬の天気となりました。 ここ1週間のあまりの暖かさに、もうこのまま春から夏へと移行するような気になっていましたが、そう甘くはありませんでした… この寒さのため、真冬でも暖かい日には活動を見せるテントウムシも、ほとんど活動せずに葉に張り付いたままの状態でした。 このダンダラテントウは、沖縄では最もポピュラーに見られるテントウムシの仲間です。本土のナミテントウ程ではありませんが、翅(はね)の模様に多くの変異が知られています。このパターンが最も典型的なものですが、地色がもっと鮮やかで濃い赤色であったり、黒い帯が太かったり細かったり、ときには赤が消え全体が黒色のものも見られます。また、これもナミテントウにははるかに及ばない規模ですが、10数匹が集団で越冬する姿を見たこともあります。脚も触角も縮めて身動きひとつしない状態でしたが、至近距離で数回ストロボを発光させると、その熱の影響か、少しだけ向きを変えてみせてくれました。
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ダンダラテントウ
NikonD1X Sigma105/2.8Macro Speedlight
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カンヒザクラの花と実
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6ED
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2002.3.5
1月21日に紹介したカンヒザクラも、ここ1週間ほどの最高気温が25℃近くなる陽気で、ほとんど葉桜へと姿を変えようとしています。それでも、ところどころにわずかながら紅色の花も残っています。しかし、それよりはるかに多く目に付くのが、青い実です。まだサクランボと呼ぶのに相応しい色ではありませんが、中には既に赤く色付き始めた実も見られます。 私が東京で学生生活を送っていた頃には、ちょうど入学式の前後に校庭に植えられたソメイヨシノが満開となり、それを背景に記念写真に納まったものです。最近では暖冬の影響で、満開の時期はそれよりも早くなってしまったようですが、それでも春の花に違いありません。 しかし、沖縄ではサクラはあくまでも冬の花であって、決して新入生の記念写真の背景にはなりません。その時季には、すっかり赤く熟したサクランボが目立つようになっています。代わりに、沖縄の新入生シーズンに見られる代表的な花は、沖縄県花にもなっているデイゴの花なのです。
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