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生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。
しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。
でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。
その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。
ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。
しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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写真展「亜熱帯やんばる〜多様性の森」終了しました。
ありがとうございました。
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※各種お問い合わせは、こちらまでお願いします。 |
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2004.4.29
渓流沿いのクマタケランの葉にとまるヘビトンボの一種。恐らくヤンバルヘビトンボという種類でしょう。今の季節、夜の電灯に結構な数が飛来するのを目撃しますが、本来の生息地は、渓流沿いの森の中です。 渓流環境で見られる理由は、幼虫が渓流の水中に生息しているためです。同じ環境には、カゲロウやトンボの幼虫なども見られます。しかし、ちょっとややこしいのですが、ヘビトンボはアミメカゲロウ科の昆虫です。アミメカゲロウ科の中には、あのアリジゴクの成虫のウスバカゲロウも含まれています。 つまりヘビトンボは、同じ環境で幼虫が水中生活を送るカゲロウやトンボとは近い関係にはなく、幼虫が陸上生活をするウスバカゲロウやツノトンボと近い関係にあるのです。
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ヘビトンボの一種
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6
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アズチグモに捕食されるジャコウアゲハ
NikonD1X Sigma105/2.8Macro Speedlight
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2004.4.29
道路脇のシマアザミに何頭ものジャコウアゲハが群れています。1本のシマアザミの横を車で通過しようとしたとき、2頭のジャコウアゲハがとまっているのが目に入りました。 「交尾かな?」と思い、車を停め近付いてみると、どうも様子が変です。よく見ると、上にいるジャコアゲハは、シマアザミの花に隠れていたアズチグモに捕まっています。そして、下のジャコウアゲハはというと、長く伸した口吻の先端だけで花に引っ掛かっているのですが、既に死んでいるようで全く動きません。 どのようにして、このような状況が生まれたのか、最初は解りませんでした。恐らく、まず下のチョウがクモの餌食になり、捕食後放されたのに、偶然口吻が花から外れなかったのでしょう。そして次にやって来たチョウが捕獲された時点で、私が気付いたということのようです。 数時間後、この場所を訪れてみると、下のチョウは引っ掛かったままで、上のチョウはシマアザミの根元に落ちていました。そして、この花には次から次へとジャコウアゲハが訪花していました。恐らく、花の影にはアズチグモが潜んでいて、次の獲物を狙っていたのでしょう。それとも、満腹で食後の休憩中だったのでしょうか? ちょっと残念だったのが、最後まで花とチョウの影に隠れて、このクモがオキナワアズチグモだったのかアマミアズチグモだったのか確認出来なかったことです。それにしても、余程獲物に恵まれて栄養が充分なのでしょう。これ程立派なアズチグモは見たことがないというくらい大きなクモでした。
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2004.4.28
今日は数日ぶりに晴れましたが、気温は低めで、森の中はヒンヤリした感じです。そのような天候の中、沖縄本島最北端に近い森を歩いてみると、意外なほどたくさんの昆虫に出会うことが出来ました。 特に印象的だったのが、ブドウ科の植物で見られたリュウキュウルリボシカミキリです。小型のカミキリムシですが、コントラストのある模様は、結構目を引きます。これまでは、春から初夏にかけてときおり見掛ける程度の、決して数の多い昆虫のイメージではありませんでした。それが、今日は1本の木に7、8匹もの姿をまとめて見ることが出来たのです。図鑑には、成虫になってからブドウ科の植物を食べると書かれていますが、このような光景を目にしたのは、もちろん初めてのことです。 これまで珍しいというイメージだった昆虫に一度にたくさん出会えた喜びと、「なぁんだ、いるところにはいるんだ・・」という軽い落胆との両方が入り交じった気分でした。
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リュウキュウルリボシカミキリ
NikonD1X Sigma105/2.8Macro speedlight
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雨に濡れる山原の渓流環境
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6
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2004.4.27
山原(やんばる=沖縄本島北部)の森の環境を代表する渓流ですが、典型的な渓流環境は数少なくなりました。わずかに残された、山原の渓流環境を一年を通して撮影したいと以前から考えているのですが、なかなか実現しません。 昨日から久しぶりに、テントを持って渓流環境に入ってみました。大型の業務用ビデオも持って、かなり気合いを入れて行ったのですが、散々の結果でした。初めから終わりまで、ほとんど雨に降られてしまいました。 それでも折角来たのだからと思い、計画どおりに実行したのですが、雨の中のテントの設営、撤収ほど悲惨なものはありません。また、やっと立てたテントの中で何も出来ないのも悔しいものです。おまけに、湿気でビデオカメラが結露してしまい、せめて森の中の降雨でも撮ろうと思ったのですが、それも叶いませんでした。朝方の雨の合間に、行ったことの証拠写真を撮っただけで、また雨の中を戻ってきました・・・
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2004.4.26
気温の上昇と共に、蛾の姿が増えてきたように感じます。特に、夜の電灯の周りに集まる蛾の数は、かなりのものです。しかし、そのほとんどは昼間になると、何処かに姿を隠してしまい、夜の光景が嘘のように思えてしまいます。 一方で、数は少ないですが、昼間に活動する蛾もいます。そのひとつがこのオキナワルリチラシ。翅脈が金属光沢のあるルリ色をしていて、なかなか美しい種類です。そして、チョうと同じように花にやって来て、蜜を吸う姿もよく見られます。夜行性で地味で目立たない蛾というイメージからは、かなり懸け離れた存在と言えるでしょう。 しかし、このような目立つ姿と行動を採るのは、理由があります。ちょっと捕まえて、刺激を与えると眼の近くからブクブクと泡を吐き出します。この泡が天敵にとっては、不味く不快らしく、目立っていても、簡単には捕食されないらしいのです。 本来、昼行性のオキナワルリチラシですが、夜の電灯にも飛んできます。このところ、昼も夜も度々姿を見掛けます。ちょうど、今が発生のピークなのでしょう。
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オキナワルリチラシ
NikonD1X Nikkor10.5/2.8 Fisheye
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オキナワアオガエル
NikonD1X Sigma105/2.8Macro Speedlight
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2004.4.25
沖縄本島の最高峰の与那覇岳(503m)の中腹にある森林公園にやって来ました。周囲に伸びる遊歩道のひとつを歩いてみましたが、今ひとつ被写体に恵まれません。途中、渓流が見られたりするのですが、トンボの姿もなく、意外な寂しさです。見掛けるのは、ザトウムシ、ツユムシの幼虫、シリケンイモリ、オキナワオオミズスマシばかりです。 陽も傾きかけてきたので、そろそろ戻ろうかと思ったときに見つけたのが、この葉の上で寝ているオキナワアオガエルです。この光景は何度か見たことがありますが、いつもユーモラスな雰囲気が漂ってきます。左右の前肢を頭の下にし、何処かふて寝をしているような気がしてしまうのです。
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2004.4.22
沖縄では、県の花に指定されているデイゴの花の季節です。遠目には、ちょっとそれに似た木が、このカエンボク。デイゴよりもさらに高く生長し、花がオレンジ色で、緑色の葉とのコトンラストが映える印象です。 このカエンボク、イペーやカエンカズラと同じノウゼンカズラ科の植物です。カエンカズラは名前こそ似ていますが、つる性のイメージですから、この高木のカエンボクと同じ科というのは、意外な印象を受けます。 イペーとの関連性はと言うと、遠目に見ているのと近くで観察するのとでは、花の造りが違うことでしょうか?カエンボクは、オレンジ色の大輪の花が大きく開いているのだと思ってましたが、近くで見ると、大輪には違いありませんが、沢山の花がひしめき合っていて、やや控え目に開いている感じです。このような開き具合から、アフリカンチューリップの別名もあるそうです。
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カエンボクの花
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 PL-Filter
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セイヨウミツバチ分封集団
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6ED Speedlight
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2004.4.21
昨日、琉球大学の構内で、ミツバチの分封集団が見られるというので、早速撮影に飛んで行きました。分封とは、新しい巣を造るために古い巣から離れて移動することで、度々、移動途中でこのような大集団が見られます。 果たして、どれくらいの個体数なのでしょうか?数千?あるいは万の単位でしょうか?とても迫力のある被写体なので、しっかりと記録したかったのですが、枝の隙間から最も集団がよく見えるアングルだと、真後ろから太陽が降り注ぎ、完全な逆光になってしまいます。自然光だけで露出補正をかけると背景が真っ白に飛んでします状況です。ストロボを焚くと露出は合いますが、このようにかなりコントラストの強い映像となってしまいます。 そこで今朝再び出直して、よい光線状態で撮影しようとしたのですが、同じ場所に行ってみると、既に20頭くらいを残して別の場所へ移動していました・・・
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2004.4.19
急に気温が高くなったのと月が暗いことが重なって、夜の電灯にはたくさんの昆虫が飛来します。その主役は、蛾と甲虫の仲間でしょう。蛾の仲間は、大きなものから小さなもの、地味なものから派手なものまで、実にバラエティに富んでいます。 一般にはチョウのほうがポピュラーな身近な存在ですが、同じグループに属するガのほうが一桁多いくらいですから、そのバラエティの幅はかなりのものです。以前は「鱗翅目(りんしもく)」と呼ばれていたチョウとガですが、現在は「チョウ目」と呼ばれるのが普通になりました。しかし、その割合からすれば「ガ目」と呼ぶほうが実状に合っているように思われます。数日前のニュースで、「ヒト」がこれまでの「霊長目」ではなく「サル目」に変更されることへの抵抗感、異議が紹介されていましたが、これは反対に実状を反映した名称と言えるでしょう。 話は脱線してしまいましたが、今の季節、灯火にやって来るガの中でちょっと気になるのが、このハガタベニコケガ。肉眼で見ると、この歯形に例えられるラインがもっと緑色がかって見え、もっと無気味な、おどろしい印象を受けるのですが、写真に撮るといつも黒っぽくなってしまって、ちょっと印象が違ってしまうのです・・・もう1種類、アカスジシロコケガというガも同時によく見られます。こちらは白地に鮮やかな赤色のラインが走り、なかなか美しい存在です。この2種のコケガ、見た目の印象は正反対ですが、どちらも沖縄から北海道まで分布し、幼虫は地衣類を食べるという共通点もあります。
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ハガタベニコケガ
NikonD1X Sigma180/3.5Macro X1.4Telecon Speedlight
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再塗装した具志川市のソニー坊や
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 PL-Filter
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2004.4.18
今日は、自然界を離れて、沖縄固有種のコンクリート製ソニー坊やの再生プロジェクトの一日でした。このソニー坊や、今から40数年前に県内に10体が設置されたものですが、現在はその半数の5体まで減少し、絶滅が危惧されています。そこで、有志でこれ以上数を減らさないように、現存するものの劣化を防ぎ、少しでも良い状態で残すために、再塗装作業を行っているものです。昨年9月には、糸満市名城ビーチのものを再塗装しました。 今回の再生物件は、具志川市のもの。オリジナルの状態では、黄色いトレーナー(セーター?)が白色に塗装されていたり、鼻が欠けているなどの特徴がありますが、それをオリジナルになるべく近い状態に戻そうという主旨です。 午前11時から作業を始め、のべ6人(プラス応援団3人)で交代しながら、午後6時には何とか完成しました。他のソニー坊やよりも台座が低くいのですが、背後のフェンスとの空間がほとんどなく、その点が作業上の最大のネックでした。 作業の途中には、日曜日にもかかわらず市役所の方が、取材や激奨に来てくださったり、完成直後には近くにお住まいの方にも絶賛して頂き、嬉しい限りでした。これでしばらくは、皆さんに元気な姿を見て貰えることでしょう。 ※設置後姿を消してしまったソニー坊やの行方がひとつ判明しました。「週刊レキオ」の過去の記事によると、沖縄市の北美小学校前にあったそうです。これで設置場所が未だ不明なのは、残り3体です。
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2004.4.17
あちらこちらで、ソウシジュの鮮やかな黄色が目に付くようになってきました。直径1cm足らずの球形の花が無数に着いた木は、遠くからもよく目立ちます。そして、葉の深緑色とのコントラストは青空によく映えます。 なかなか魅力的な植物ですが、在来種ではなく、台湾などからの移入種だそうです。在来種ではありませんが、沖縄の昆虫に結構人気があります。例えば、このキムネカミキリモドキ。次から次へと飛来して、花から花へと動き回ります。そのほとんどが後脚の付根(腿節)が肥大した雄です。雄どうしはこの部分を使って闘うそうですが、未だにそのシーンを見たことはありません。 ソウシジュの魅力に負けて、一度だけ一枝折って部屋に活けてみたことがあります。ところが、その香りはというと、決して長時間締切った部屋にいっしょにいたいとは思えないものでした。やはり野におけ蓮華草・・・? ※当初、種名をフタイロカミキリモドキと間違っていました。
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ソウシジュに訪花したキムネカミキリモドキ
NikonD1X Sigma105/2.8Macro Speedlight
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ベニツチカメムシ
NikonD1X Sigma105/2.8Macro Speedlight
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2004.4.16
山原(やんばる=沖縄本島北部)の森でも、やはり春から初夏に季節が変わろうとしています。昼間の森でも、春先の昆虫とは違った種が活動し始めていますし、夜の照明に集まる昆虫の数も、かなりものです。 照明に飛来した昆虫の中に、久しぶり出会う希少種がいました。1991年環境庁版レッドデータブックにも載っているベニツチカメムシです。本州の一部と九州本土に生息していますが、それより南では、一気に飛び離れて沖縄本島北部だけで見られます。 その沖縄本島北部・山原での出現はかなり奇妙なものです。1964年に1匹だけ採集された後、しばらく現れませんでした。それが、80年に久しぶりに数匹採集された翌年、ダム工事現場のサーチライトに一晩で数千匹が飛来したのです。しかし、その後また姿を暗まし、80年代後半から年に数匹程度目撃される状況が続いていました。また、九州などでは親虫が幼虫に餌のボロボロノキの実を運ぶ行動が観察されているのに、沖縄では未だ幼虫が確認されていません。 さて、そのような希少状態だったベニツチカメムシが、何とこの晩だけで3匹もいたのです!「これは一大事!!」と、かつての勤務先の琉球大学資料館に電話を入れたところ、「今年は20数年ぶりの大発生のようですね」とのこと・・・なる程、またまた2匹を見つけることが出来ました・・・
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2004.4.15
山原(やんばる=沖縄本島北部)でも、ナンゴクネジバナの満開の季節を迎えています。3月9日に沖縄本島中部で咲き始めたことを紹介しましたから、1カ月余り遅れて北部まで開花したことになります。 この花は、何度見ても「可憐」という言葉が思い浮かんできます。螺旋状に咲く小さな花は、拡大して見ると、ランの形をしています。白色を基調に先端だけが紅色をしているところなど、本当に心憎いデザインです。 今日の山原は、ときおり小雨が降る生憎の空模様でしたが、このナンゴクネジバナにレンズを向けて間もなく、雲の間から逆光気味の光が射し、より一層魅力的な被写体となりました。
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ナンゴクネジバナ
NikonD1X Sigma105/2.8Macro PL-Filter
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シロガシラ
NikonD1X VR Nikkor80-400/4.5-5.6ED
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2004.4.14
シロガシラは、今では沖縄本島の何処でも普通に見られる鳥ですが、1976年に侵入してきたと言われています。その後10年程で、普通に見られる存在になったようです。私が沖縄にやって来たのが1978年ですから、少しだけ先輩ということになります。 自分自身が沖縄にやってきてからのことはある程度分りますが、それ以前の出来事となると、時間的観念が希薄なものです。ですから、このシロガシラも、図鑑を見るまではもっと以前から普通に見られたような気でいました。 このような例は他にもあります。琉球大学に入学した当時、ヤシオオオサゾウという大型のゾウムシが、琉大のキャンパス内に大発生していました。それこそゴロゴロといたので、それが普通の状態だと思って、すぐには撮影しなかったのです。数年経ち、さて撮影してみようかと思ったところ、もう全くいません。研究室にたくさん残された標本を前に、悔しい想いをしたものです。 やはり同じような例にキョウチクトウスズメという蛾がいます。これもキャンパス内のキョウチクトウで大発生していました。成虫の翅(はね)の模様はまるで迷彩パターンのようで、とても興味深い存在です。何れ、じっくり撮影しようと思っていたら、これまた忽然と姿を消してしまったのです。それでも諦め切れずにいると、それから10年後に再び発生し、こちらは想いを遂げることが出来ました。 さて、このシロガシラ、まさか姿を消すことはないと思うのですが、もっとしっかり撮っておかないと、何れ後悔するでしょうか?
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2004.4.13
わずか3日間留守にしていた沖縄ですが、その3日間で急に気温が上昇しました。昨日も触れたように「暖かい」から「暑い」へ季節が移ったようです。 そのような気候の変化で、デイゴの開花が一気に進んだ気がします。前回紹介した7日の時点では、早い木では3~4分咲きといった印象でしたが、今日は同じく7~8分咲きといったところでしょうか?さらに、これまで全く花の見られなかった木でも、ほころび始めているのが目につきます。 汗ばむような陽気と初夏の陽射しの下で、燃えるようなデイゴの花が咲く、正に亜熱帯シーズンの開幕といった印象です。
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満開のデイゴの花
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6ED PL-Filter
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アカスジカメムシ、三角関係
NikonD1X Sigma105/2.8Macro Speedlight
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2004.4.12
ニンジンの白い花を見ると、いかにも昆虫の集まりそうな印象を受けます。実際には、ハエとミツバチと毛虫がほとんどなのですが、見映えのする種と言えば、このアカスジカメムシでしょう。白い花の上に、オレンジ色と黒のストライプの模様はなかなか映えます。 そう思って探し始めたのですが、それ程多くはありません。やっと見つけてみると、それは交尾ペアでした。さらに、お邪魔ムシのオマケも付いていました。次に見つけたのも、やはり3匹ワンセット。さらに次も同じ状態・・・やっとペアだけでいる状態を見つけたのは5つめの花でした。これは、単なる偶然にしたら余りにもあり得ない確率です。何故、1ペアプラス1なのでしょうか?そして、1ペアプラス2でも3でもないのですから、なおさら不思議です・・・
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2004.4.12
4日ぶりに戻った沖縄は、すっかり初夏の陽気です。福岡に入った金曜日は沖縄よりも福岡のほうが暖かい印象でしたが、今日の沖縄は明らかに汗ばむ暑さで、「暖かさ」を上回っていたと思います。 そのような陽気の中、夕陽に照らされたニンジンの花が印象的でした。事務所近くの放置された畑に一面のニンジンの花が並んでいます。すっかり傾いた斜光によって浮かびあがった花の集団は、何処か初夏を迎えたエネルギーが感じられました。 放置された畑というと、あまりよい響きでないかもしれません。しかし、定期的に収穫をし、季節毎に作物を更新している畑では、なかなか花を見る事も出来ませんし、そこにやって来る昆虫を探す楽しみもありません。このように適度な状態で放置されている畑というものは、私たちにとってはかなり魅力的な場所なのです。
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夕陽に照らされたニンジンの花
NikonD1X Sigma105/2.8Macro
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皿倉山から眺めた北九州市
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 PL-Filter
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2004.4.11
福岡からの「南島漂流記」も今日までです。写真展会場の北九州市郊外の皿倉山頂上からの眺めは、とても迫力があると紹介しましたが、季節がら春霞に覆われていることが多く、なかなかクリアな遠望が叶いませんでした。今日も天気予報は曇りだったのですが、昼前からよく晴れ渡り、このような景色が広がりました。 ありふれた都市風景ですが、私にはちょっとした感慨があります。私自身は東京生まれですが、父は北九州の生まれです。写真中央左寄りの地域が北九州市戸畑区で、祖父の代から居を構え、私の本籍もここにあります。さらに、画面中央右端辺りが、小倉区という地域です。私の先祖は、この小倉(小笠原)藩の下級武士の家系だったそうです。言わば、この一帯が私のルーツといったところなのです。 しかし、もし1945年8月9日の朝、小倉の上空が晴れ渡っていたのなら、このようにはならなかったかもしれません。というのも、その日長崎に投下された原爆の第一投下目標は、小倉だったのだそうです。その当時、父は東京にいましたが、祖父は勤めの関係で小倉にも頻繁に通っていたそうです。もし予定通りの小倉に投下されていたら、直接的な被害は免れたとしても、近隣地域まで大混乱となり、終戦後に私の両親が結婚することもなかったかもしれません。となると、私は生まれなかったということになるのでしょうか?
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2004.4.10
北九州の皿倉山に来ているのは、山頂にある「さらくら市民ギャラリー」で「琉球列島-亜熱帯の森」写真展を開催するためです。額装していないA1サイズデジタルプリントでの特殊な展示方法のため、設営(展示作業)とオープニングだけ立ち会った次第です。 いつも写真展の場合、ほぼフルタイムで会場に詰めていないと気が済まない質なのですが、今回は、会期が5月31日までとロングランなのと、会場が遠方という理由から、2日間だけで諦めざるを得ません。 会場は、ケーブルカーとリフトで上がる620m余の山頂にあって、ほぼ北九州市全域が見渡せる大パノラマが展開しているすばらしい環境です。会場でお目に掛れないのが残念ですが、お近くにお越しの方は是非、足を伸して頂けたらと思います。 今回の企画は、写真家の四宮佑次さんに帆柱ケーブル(株)の運営する会場をご紹介頂き実現したものです。また、昨日の設営では、写真家の武田晋一さんにもお手伝い頂き、今日の初日を迎えることが出来ました。
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さらくら市民ギャラリー写真展会場
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6
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オオシマザクラの花
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 PL-Filter
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2004.4.9
今日は「南島漂流記」番外編で、九州からの映像です。今、北九州市の郊外にある皿倉山という処に来ています。麓では、まだソメイヨシノの淡い桜色が残っていますが、600m余りの山頂付近では、純白のオオシマザクラが満開です。 ここ何年も、沖縄のカンヒザクラの紅色か、たまたまタイミングよく見られた東京のソメイヨシノだけを見慣れていた目にとって、この純白の大振りな桜はとても新鮮に感じられます。 日中、よく晴れ渡った山頂のサクラの周りにはクマバチやハナアブ、ハナムグリなどの甲虫と、さまざまな昆虫の姿が見られるのですが、沖縄のフィールドしか知らない私には、種名がさっぱり判りません。
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2004.4.7
早い株ではデイゴの花が咲き始めました。私の子供の頃の東京では、入学式というと桜(ソメイヨシノ)の季節でした。沖縄ではカンヒザクラなので、入学式の頃には、既に葉桜とサクランボになっています。その代わりが県花のデイゴなのかもしれません。 ただ、県花に指定されているのに、マレー半島原産の外来種なのです。しかし、その点を考慮しても、県花に指定したくなるのも解るような気がします。それだけの華やかさが感じられます。 最近、デイゴやホウオウボクなどの外来園芸種の花着きがよくなってきたような気がします。これまでは、より南の地方に生育している植物にとって、沖縄の気候ではやや無理があったのかもしれません。それが、昨今の暖冬傾向で、生育状態がよくなってきたのでしょうか。
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デイゴの花
NikonD1X Nikkor70-300/4-5.6ED PL-Filter
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ヒメユズリハの葉の更新
NikonD1X VR Nikkor80-400/4.5-5.6ED Speedlight
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2004.4.6
3月14日も紹介したヒメユズリハの花の再登場です。花を見たのも初めてでしたが、実はこれまで和名の由来の「譲り葉」の状態を見たことがなかったのです。新旧の葉の入れ代わりが顕著で、それが子孫繁栄に繋がり、正月などの行事に使われる理由だとかの逸話は記憶にあったのですが、どうもそれらしい状況を見たことがないので、ピンとこないままでした。 それが、この状態を見て、とても納得した次第です。花を境にして、正に散ろうとしている古びた葉と、これからスクスク生長していこうという若葉が同時に見られます。正に新旧の入れ代わりの瞬間といったところです。 しかし、初めてこの状態を目にして、果たしてヒメユズリハの木だと気付いたでしょうか?この状態だと、大きな特徴である、葉柄の鮮やかな赤色がほとんど目立ちません。3月14日の状態と連続して見たことによって、初めて気付いたのだと思います。
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2004.4.5
今、山原(やんばる=沖縄本島北部)で目立つ花というと、センダンとこのイルカンダでしょう。センダンの花が淡い藤色で、如何にも春らしい色彩ですが、イルカンダのほうは亜熱帯らしいとでもいうイメージでしょうか? 太い蔓で高木に巻き付き、高く高く伸びるマメ科の植物です。花の後に出来る巨大な豆の鞘も印象的ですが、この花自体もなかなかの存在感です。撮影したときは曇っていましたが、好天の木漏れ日を背景にしたイルカンダの花は、かなり鮮やかな色彩に映ります。 亜熱帯の森らしさを演出してくれる植物として、決して嫌いではないのですが、この花から放たれる臭いだけは、ちょっと頂けません。例えるならば、ほこりっぽい汗の臭いとでも言ったところでしょうか。しかし、人間にとっては不快な臭いですが、きっと一部の昆虫にとってはとても魅力的な香りなのでしょう。このような例はいくらでもあります。新緑の主役のスダジイの花もクリにそっくりな臭いですし、あの巨大なラフレシアの花の臭いもかなりのもののようですしね。
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イルカンダの花
NikonD1X VR Nikkor80-400/4.5-5.6ED Speedlight
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オオシマオオトラフコガネ雌成虫
NikonD1X Sigma105/2.8 Macro Speedlight
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2004.4.4
先週(3月28日)に続いて、春の甲虫、オオシマオオトラフコガネの珍しい虫に出会いました。というのも雌成虫なのですが、これが先週の黒色型に負けず劣らず、なかなかお目に掛れない存在なのです。恐らく、雄100匹に対して雌1匹くらいの割合ではないでしょうか? 雌雄を見分けるポイントは、触角が小振りなのと、胸部(前胸背板)の中央に模様が見られないことです。あとは、全体に華奢な印象も受けます。 もう20年近く前に、この珍しいどうし「黒色型」と「雌」の組み合せの虫を見たことがあります。単純に計算すれば、10,000分の1以下の確率ということになりますが、やはり後にも先にも、それ1匹限りです。 恐らく通常であれば、雌は地中から羽化した直後に、雄に見つけられて交尾すると思うのですが、風も強く肌寒い今日は雄の姿も少なく、この雌自体も余り動かずにじっとしていました。
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2004.4.4
昨日から山原(やんばる=沖縄本島北部)で撮影中なのですが、またまた生憎の天気の巡り合わせのようです。小雨混じりの天気に加え、気温も低いので昆虫の活動も今ひとつです。ときおり遭遇する昆虫も、いつものような機敏な行動が見られません。しかし、中にはそれが好都合な昆虫もいます。 例えば、このリュウキュウウラボシシジミ。前翅(ばね)の長さが約11mmと、日本最小のチョウである上に、落ち着いてとまるということをなかなかしません。さらに、翅の表側が黒、裏側が白なので、羽ばたくと白と黒のフラッシュ効果によって、見失い易いという特徴があります。 そのような性質のために、いつも撮影には苦労するのですが、今日はいつもよりもじっととまっている時間が長く感じられました。そのために数10枚のシャッターを押すことが出来ました。 撮影時のファインダーの中でも気付いてましたが、このリュウキュウウラボシシジミの翅の模様は、とてもコントラストがあり鮮明です。これは羽化直後の証しですが、やがて翅が擦れて不鮮明になっていくものです。
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リュウキュウウラボシシジミ
NikonD1X Sigma105/2.8 Macro Speedlight
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インドキワタの花
NikonD1X VR Nikkor80-400/4.5-5.6ED
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2004.4.3
一昨日は、エープリルフールねたに利用させてもらったインドキワタ。その際、インドキワタのことは何も紹介していませんでしたので、罪滅ぼしにもう一度登場願いました。 樹高30mに達し、花の直径も10数cmもあり、なかなかの迫力です。沖縄でキワタの仲間というと、冬にピンク色の花を着けるトックリキワタがポピュラーですが、最近はこのインドキワタが街路樹として植栽されている通りも増えました。花の色は、写真のように赤に近いオレンジ色から黄色いに近いオレンジ色まで変異があります。 キワタ(木綿)という名のとおり、花の後に見られる実の中には、綿状の繊維がギッシリ詰まっています。以前、この実を拾って車内に置いておいたところ、綿毛が車内のあちらこちらに散らばってしまい、その片付けに苦労した経験があります。 この綿は、枕や救命胴衣に使用されると資料に記されています。資料によっては、キワタ科ではなくパンヤ科とされているものもあります。また、インドキワタという和名で呼ばれていますが、実は南米原産で、インド産のもので記載されたためにこのように呼ばれるようになったのだそうです。それにしても、インドキワタに関する資料が少なく驚きました。あるいは、もっとポピュラーな別名があるのでしょうか?
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2004.4.1
実はオフレコなのですが、今秋発表される新型デジタルカメラとレンズのテストをしています。名称もまだ未定で、仮称です。詳しいスペックをご紹介出来ないのが残念ですが、これならばライバル会社のフラッグシップ機にも決して負けない機能といって間違いありません。当面、この機種で引け目を感じることはないでしょう。そして、レンズもこれまで広角系に不満のあったデジタル一眼レフにとって、画期的とも言える35mm換算で14~28mmとなる超広角ズーム。今日の写真は、その広角端で撮影したものです。周辺にやや像の流れが認められますが、発売までにはさらにグレードアップされていることでしょう。 そんな画期的な機材のテスト撮影なのですから、亜熱帯らしい青空バックであって欲しかったのですが、今日も生憎の曇天。メーカーからの機材提供も極限られた日数のため、実に残念です。 と言うのは全くの冗談で、使用した機材はいつものD1X。レンズは魚眼の10.5mmを画像取り込みソフト上で歪みを補正して超広角風の映像になっています。4/1ネタでした・・・
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インドキワタの花
NikomD2X DX Nikhor9-18/2.8-3.5ED
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