生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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南島漂流記、本日(11/9)から25年目に入ります。 これからも、よろしくお願い致します。
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2009.2.26
今回の西表島では、1週間で3度、真新しいヤマネコの足跡を見つけました。日没後の闇の中の撮影では、体温感知センサーを内蔵したライトで、ヤマネコの出現を見張ります。
 ある晩、足跡を見つけたマングローブ林の川を跨いだ対岸から、ヤマネコの出現を待っていました。すると、3つのセンサーライトが順番に光ったのです。しかし、サーチライトを点灯させ探しても、結局、その姿を見つけることは出来ませんでした。
 翌日、その場を確認しに行ってみると、確かにセンサーライトの点灯した順に従って、新しい足跡が残されていました。実に惜しいチャンスを逃してしまいました。
 そして今回の最終日の夜は、マングローブ林内の陸地がほとんど消えてしまう満潮時に、撮影テントを離れました。その間に予想値を大きく越える潮位に襲われ、残しておいた機材が水没し、撮影を断念せざるを得ませんでした。
 結局、今回もあと一歩のところまでいきながら、撮影には至りませんでした。また、来月です。
  イリオモテヤマネコ足跡
イリオモテヤマネコ足跡
Ricoh GX200
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ヤブレガサウラボシ芽吹き
ヤブレガサウラボシ芽吹き
Ricoh GX200
  2009.2.24
沖縄本島よりも2ヵ月も早く新緑を迎える西表島では、今の季節、いろいろな植物が芽吹きを迎えています。
芽吹きというと、どうしても木本植物を考えてしまうのですが、シダ植物の芽吹きは、却って新鮮なイメージです。
ヤブレガサウラボシは、沖縄本島には分布していないので、余計にそのように感じるのかもしれませんが。
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2009.2.23
今、沖縄ではマンゴーの花が真っ盛りです。夏に出荷の最盛期を迎える、あの人気の高い果物は、今頃から花を咲かせているのですね。
そして驚くことに、花にはたくさんのハエが集まってきます。他の昆虫もいるにはいるのですが、圧倒的な数のハエに隠れて、ほとんど目立ちません。あの高級果実の受粉が、ハエによって行われているとは、意外な事実です。
しかし、決してマンゴーの花は、ハエにとって楽園というわけではありません。何しろ、花の中には、このように恐ろしい天敵が潜んでいるのですから。
  マンゴーの花とハナグモ
マンゴーの花とハナグモ
Ricoh GX200
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アリマウマノスズクサ花
アリマウマノスズクサ花
Ricoh GX200
  2009.2.21
琉球列島では、リュウキュウウマノスズクサの他にアリマウマノスズクサという近縁種も見られます。ネット検索してみると、この2種のDNA解析による関係は、結構複雑かつ興味深いものがあるようです。
ここで、分類の専門家でもない独自の解釈を少しばかり。ウマノスズクサの独特な花の形状は、食虫植物のように花の中に昆虫を誘い込んで、確実に受粉させるためのものだと言われています。もっとも、食虫植物のように消化したりはしませんが。
一方で、ハエなどの昆虫を採集する方法として、黄色水盤トラップというものがあります。バットにアルコールなどの液体をはっておき、そこに飛び込んで来る昆虫を捕獲するのです。その際に、バットを黄色く塗装しておくと、ハエなどの昆虫の誘引率が高いそうです。これは、かつて卒論でウリミバエの誘引実験をしたときの結果と一致しています。
つまり、昆虫を誘き寄せる部分が鮮やかな黄色のアリマウマノスズクサのほうが、そうではないリュウキュウウマノスズクサに比べて、繁殖率の高いより進化した形なのではないでしょうか?
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