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生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。
しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。
でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。
その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。
ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。
しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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写真展「亜熱帯やんばる〜多様性の森」終了しました。
ありがとうございました。
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※各種お問い合わせは、こちらまでお願いします。 |
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2005.9.29
日本トランスオーシャン航空(JTA)の機内誌「Coralway」が、現在ちょうど100号を迎えています。それを記念して巻頭に、過去100号分の表紙と撮影者などが紹介されています。 その記事を眺めていたら、1987年7・8月の13号に私の写真が使われていたことを思い出しました。右の写真の右上に全体に黄緑色の表紙写真が載っているのが私の写真で、緑の葉の上にとまる緑色のクロイワゼミなのです。 記憶が確かならば、この号は日本トランスオーシャン航空(当時、南西航空)の会社創立25周年に当たり、そのときの社長と檀ふみさんの対談が載っていたはずです。また、編集部からのエピソードに、他の表紙の候補が私と同い年のさる有名な写真家の作品だったというものもありました。 不況の最中には、季刊にまで発行回数が減ってしまっていたのが、再び隔月刊に戻っているのも、嬉しい限りです。しばらく御無沙汰している仕事ですが、久しぶりにまた機会があればと思います。
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JTA機内誌Coralway100号
Ricoh Caplio GX8
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ホソヘリカメムシ
Ricoh Caplio GX8
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2005.9.28
好天続きの沖縄ですが、このところ意外に被写体探しに苦労しています。もう既に、夏枯れから脱しつつある印象があったのですが、どうしたことでしょう。昨日書いたように、光線状態はなかなか心躍らされるものがあるのですが、どうも満足感が得られません。 そんな9月末の今日、見つけたのはこのホソヘリカメムシの幼虫(左)と成虫。幼虫時代はアリに、成虫になるとハチに擬態していると考えられています。擬態という現象は不思議な世界で、ここまで精巧に似ているのか?と驚く反面、こんなのでも擬態の効果があるのかと疑問に感じるようなラフなものもあります。しかし、意外に厳密なのが大きさです。アリに擬態している昆虫やクモは多いのですが、ある程度の大きさになると、急にアリらしくなくなるものが少なくありません。やはり、セミの大きさほど程あるアリがいても、天敵はアリとは認識してくれないでしょうから、当然と言えば当然です。 成虫のほうは、それ程ハチらしくないように感じるかもしれませんが、翅(はね)を広げて飛ぶときは、腹部の黒と黄色の縞模様が見えて、かなりハチっぽいのです。アリとハチは、分類の上では同じ「目」の昆虫です。幼虫時代と成虫時代に、同じ目の異なった昆虫に擬態するとは、かなり凝っていますね。
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2005.9.27
このところ、光線がフォトジェニックになってきました。ちょっとおかしな表現かもしれませんが、何でもない景色がとても絵になる感じなのです。真夏よりも陽射しが和らぎ、太陽の位置もトップではなくなり、常に斜めから射しているのが、主な理由なのだと思います。 そんな光線の中、茂みの中にキラキラ輝く銀色の塊が目に付きました。近づいてみると、綿毛をたくさん着けたリュウキュウボタンヅルの種です。逆光気味の斜光に照らされ、ときどき吹く風に揺らいで、なかなか魅力的な被写体ぶりです。 夏であれば、早起きしないと手に入らないような贅沢なライティングが、真っ昼間にも利用出来るなんてちょっと得した気分ですね。有り触れた料理が高級料理のように引き立つ、魔法のスパイスみたいな秋の光線です。
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リュウキュウボタンヅルの種
Ricoh Caplio GX8 Wide-conversionLens
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夕陽
Ricoh Caplio GX8
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2005.9.26
昨日は、デジカメのデータのトラブルの話をしました。しかし、幸いなことに、そのデータの復旧の可能性が出て来ました。また、カメラの故障でもなく、実害はあまりありませんでした。 ところが、深夜になって今度は本当に深刻なトラブルに気付いたのです。というのも、パソコンのデータ保存は、外付けのハードディスクがメインで、特にサイズの大きな画像データは、カートリッジ式で、いくつものハードディスクが入れ替えられるタイプを使っています。そのひとつのハードディスクの中に、過去 6年間くらいの写真展用の大型プリントデータなど100点以上を保存してあったのを初期化してしまったのです。ビデオ編集用のハードディスクは、編集が終わる度に初期化するのですが、そのビデオ用と間違えてしまったのです。 まぁ、オリジナルデータが消えてしまったわけではありませんが、スキャニングやレタッチなど数百時間の作業の蓄積が消失してしまったのです。これを教訓に、今後のデータ保存には万全を期せということなのでしょう。しかし、昨日のトラブルに比べてこの損失は大きすぎて、昨日と同じ夕方の空を見ても、何処か空虚に感じられました。
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2005.9.25
ここ数日、南島漂流記の更新が滞ってしまいました。その理由のひとつに、ここ数日間に撮影したデジカメの画像データが壊れていて、開くことが出来ないのです。メモリカードを初期化したところ、トラブルは解決しましたが、壊れてしまったデータは復旧出来ません。 今日の昼間見つけて撮影した昆虫の画像はちょっと楽しみだったのですが、残念ながらどの程度の出来だったのか確認出来ませんでした。そのことを確認し、夕方ちょっとガックリしながら玄関のドアを開けると、そこには穏やかな夕焼け空が広がっていました。この景色にレンズを向けシャッターを切っているうちに、少しずつ心が落ち着き、まぁ仕方の無いことかと思えてくるのでした。
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夕焼け
Ricoh Caplio GX8
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講演会
Ricoh Caplio GX8 Wide-conversionLens
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2005.9.22
今晩は、沖縄本島南部の南風原町でのおきなわ県民カレッジ主催講座の講師を努めました。事前申し込みをされた80名程の方に、「山原の自然」をテーマに100枚の写真をご覧頂きました。 これまで、写真を使った講演はカラースライドを使用してきたのですが、今回からパソコンを使った方法に切り替えました。細かいことを言うと、やはりパソコンのデジタルデータよりもカラースライドのほうが、画質は優れているのですが、パソコンのほうが便利なこともいろいろ感じられました。例えば、会場の照明を完全に落とさなくても、画像を表示出来ますし、任意のコマに即座に戻ることも、動画を差し挟んで表示することも可能です。 しかし何と言っても、最近は「プロジェクターを準備してください」というと、スライド用ではなくパソコン用ととられることが多くなり、会場によっては準備が難しいと回答されることも出てきたのが、パソコン使用の大きな理由なのです。
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2005.9.21
いよいよ今回の西表島も、今日が最終日。今朝、南方海上で発生した台風18号の影響で、急に雨が落ちてきたりと、ついに天候が崩れてきました。今回は、ほんの1週間の撮影期間でしたが、毎日天候に恵まれ、ほとんど雨に遭うこともありませんでした。 今回の取材期間で、印象に残っているのが、このコウトウシランの花。ちょうど巧い具合に咲いていたこともありますが、最近目にする機会が少なくなりました。かつては、ナリヤランなどともにしばしば目にする花だったのですが。 減少した原因はやはり採集によるものでしょう。動物の場合は、採集によって絶滅することはないとも言われますが、移動することの出来ない植物の場合は、採集による影響は大きいようです。
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コウトウシラン
NikonD2X Tamron90/2.8
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タイワンクロボシシジミ交尾
Ricoh Caplio GX8
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2005.9.20
このところ、場所によってタイワンクロボシシジミがまとまって見られます。茂みに足を踏み入れると、一斉に10頭前後も舞い上がることがあります。そんな中に近づいても逃げずいる個体がいるので、よく見ると交尾しているペアでした。 10頭近くがバラバラにいると、雄と雌の違いはあまり気付かないのですが、こうして並んでいると、大きさや色にこれだけの違いがあることに驚きます。それにしても、脚のまだら模様は何処となく蚊を連想してしまいます。
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2005.9.20
昨日のツチイナゴも、なかなか愛嬌のある顔をしていましたが、今日は抜け殻です。抜け殻とは言え、結構表情が感じられ、これもまたユーモラスな存在です。残念ながら、昨日の幼虫とは離れた場所での撮影なので、同じ個体ということはありません。 今の時期、幼虫が目に付くということは、近いうちにたくさんの成虫が出現するのでしょうか。そうなると、また虫の眼レンズに格好のモデルになってくれそうな気がします。
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ツチイナゴ脱皮殻
Ricoh Caplio GX8
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ツチイナゴ幼虫
Ricoh Caplio GX8
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2005.9.19
連日の奇麗な青空を見ると、虫の眼レンズで決めたいと思うのですが、なかなか格好の被写体に出遭うことが出来ません。あまり動き回らずに、あまり小さくない昆虫が理想的なのですが、背景との兼ね合いもあり、そうそう巧くいきません。 今日、いちばん虫の眼レンズ向きの被写体だったのが、このツチイナゴの幼虫です。正面から見ると、結構愛嬌のある表情をしています。その虫の眼レンズはビデオに装着していたので、スチル写真は通常のレンズで撮影したのですが、背景までピント合っている写真に見慣れた眼には、広角レンズで絞りを開けて、背景のボケている映像が却って新鮮に感じられます。
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2005.9.19
先週から西表島に滞在しています。今回は短い日程のため、もう戻らなければならないのですが、連日の好天でいろいろな昆虫に出遭うことが出来ました。 季節柄、いちばん目につく、いえ耳につくのはセミのなかまです。日中最も騒々しいのが、このイワサキゼミ。ツクツクボウシのなかまなのですが、かなりのダミ声です。沖縄本島などに生息するクロイワツクツクに近い鳴き声です。 沖縄に生息するツクツクボウシのなかまは、どれもかなり遅い時期まで鳴いているのも特徴です。沖縄本島では11月下旬まで、八重山諸島では12月末まで、鳴き声が聞かれます。
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イワサキゼミ
Ricoh Caplio GX8
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オオゴマダラ
Ricoh Caplio GX8
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2005.9.18
日本最大のチョウ、オオゴマダラはいつ見ても、そのゆったりとした飛び方から、実に優雅に感じられます。南の島の時間の流れにとても似合っているような気もします。 この写真のオオゴマダラは、八重山産です。沖縄本島のものよりも、黒い部分が少なく、全体に白っぽく見えます。このように、南の地域程、白っぽい体色になる例は他にもあります。モリバッタは、奄美大島から与那国島にかけて5亜種に分けられていますが、やはり南西に行く程、体色は白っぽくなる傾向があります。また、クマゼミも本州から宮古島にかけてのものは、体全体が黒色ですが、石垣島、西表島では、腹部の上側3分の1くらいが白くなります。さらに与那国島では腹部のほとんどが白くなります。ナガサキアゲハの雌も、本州では黒いチョウですが、奄美大島や沖縄本島では、白い部分のほうが多く見えます。さらに、八重山諸島では、滅多に見つからないのですが、その姿はほとんどオオゴマダラのような白いチョウに見えるそうです。やはり、このような現象は、強い陽射しに対して適応した結果なのでしょう。
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2005.9.17
この5日程、本当によい天気が続いています。真っ青な空に白い入道雲、これぞ夏の空!という感じです。今月の13日にも書いたように、こんな夏空を背景に夏の昆虫を撮影したら、主役の虫も喜んでくれるだろうな?という撮影をしてみました。 炎天下のアカメガシワの葉裏で、孵化した幼虫を保護するアカギカメムシの親です。主役と夏空の両方を引き立てるために、虫の眼レンズで撮影してみました。 明日は十五夜ですね。明日の晩も変わらぬ快晴ですように!
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幼虫を保護するアカギカメムシ
NikonD2X Insecteye-Lens Speedlight
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サカキカズラ実
Ricoh Caplio GX8
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2005.9.16
今日の夕方、森の中でこのような不思議な形の実に出遭いました。片方だけで長さ7~8cmもあります。 調べてみると、これはサカキカズラの実であることが判りました。サカキカズラと言えば、今年の春、森の中でケセランパサランのような綿毛をたくさん目撃し、その正体がこのサカキカズラだったのです。やがて、この実も爆ぜて、あの綿毛を撒き散らすのでしょう。と言うことは、少なくとも年に2回結実するのですね。
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2005.9.15
11日に紹介したゲットウの実にも、季節の移り変わりの早いことに驚かされましたが、今日は森に入ってみると、アオノクマタケランの実がもう薄らオレンジ色に色づいているのに出遭いました。 アオノクマタケランの実と言えば、寂しげな冬の森の中で真っ赤に色づいている姿が典型的なのですが、まだ暑い、汗をかきながら歩く森の中で見るとは意外でした。 このところ、季節の移り変わりの早さに驚いていばかりですが、考え方を変えると、自然の世界では、もう夏の終わりから冬の支度を初めているのだとも言えますね。
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アオノクマタケラン実
Ricoh Capio GX8
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夏空
Ricoh Caplio GX8
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2005.9.13
今年の夏は、8月に入ってから、スッキリと晴れ上がった空を見たのは、あまり多くない印象があります。9月に入ってからも度重なる台風の影響で、カラっとした青空は見られませんでした。 ところが、昨日から急にクリアな青空が広がり、モクモクと夏らしい雲が湧き立っています。このような空を背景にしたら、夏の昆虫たちも喜んでくれそうです。 一方で、秋の台風はひとつ過ぎる毎に、秋が深まっていきますが、既に、陽射しの何処かに秋が潜んでいるような気配もあります。ただ厳しいだけではない、ちょっとフォトジェニックな陽射しに感じられるのです。
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2005.9.11
まだ台風15号の余波の残る中、カメラ片手に朝の散歩をしてみました。すると、緑の茂みの中から鮮やかなオレンジ色の塊が目に飛び込んできました。近づいてみると、それは色づき始めたゲットウの実です。 ついこの間まで、白、黄、朱色の花を楽しませてくれていたと思ったら、もうこのような実を着けているのです。その中間の薄緑色の状態は何時見たのでしょう。はっきりした記憶がありません。 生き物相手の仕事をしているようで、意外と見えてないのも多いものです。やがてさらに鮮やかを増し、実が爆ぜて、そこに雪が積もり、、、なんてことは亜熱帯沖縄ではあり得ませんね・・・
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ゲットウの実
Ricoh Caplio GX8
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ヤマトシジミ
NikonD2X Tamron90/2.8Macro SpeedlightX2
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2005.9.10
また台風が接近しています。これまた先島地方に向かっていますが、沖縄本島地方もその影響で風雨が強まっています。 8月20日にも触れましたが、このところヤマトシジミの姿がたくさん見られます。そのヤマトシジミであるテスト撮影をしてみました。9月7日に書いたように、最近のストロボは、本発光の前にプリ発光を行い、調光精度を上げているのです。そのプリ発光に、昆虫の行動が影響を受けたり、ワイヤレスで同調発光するストロボが早く発光してしまい、同調しなかったりと、いろいろ弊害が生じています。そのプリ発光を感知しない機能を組み込んだストロボも発売されていて、いくつか試してみましたが、現在使用しているシステムでは、巧く機能してくれません。 メインストロボとは別に、被写体の背後からもう1灯ストロボを発光させると、とても効果的なライティングになることがあります。そのために、今回はワイヤレスではなくシンクロコードでカメラボディと接続して発光させる方法を採りました。もちろん、問題なく発光してくれましたが、やはりコードで接続するのは煩わしいものです。ですが、接写のときは被写体が目の前にいるわけですし、それ程面倒な操作でないとも考えられます。何れ、この問題が解決されたストロボが発売されるまで、この方法で対処するしかないようです。
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2005.9.9
ランタナの花の上で、1匹のオキナワマメコガネを見つけました。久しぶりに出遭ったような気がします。見つかるときは、まとまって見られますが、今日は周りを探しても、他には見つかりませんでした。 学生の頃、このオキナワマメコガネの花の上で後脚を左右に広げる姿勢が、クモなどが獲物を狙うのに擬態しているのではないかと説を耳にしたことがあります。 今日改めて、そのような目で見てみたのですが、後脚を左右に持ち上げているところは、獲物を狙うアズチグモのようですが、白紋のある尾端はどうしてもクモの頭部には見えません。どちらかというと、1個の眼状紋(偽の目玉模様)のようです。どうも、昔聞いた説も怪しいような気がしてきました。
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オキナワマメコガネ
Ricoh Caplio GX8
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リュウキュウオオスカシバ
NikonD2X Tamron90/2.8 Speedlight
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2005.9.8
今から20年余り前、大学の恩師、先輩、後輩6名が集まり、沖縄の昆虫図鑑を作りました。各々がそれまで撮影した写真を持ち寄り、全員で協議して使う写真を決めるのです。このリュウキュウオオスカシバの写真を出したところ、他に誰も撮影していなかったため、すぐに採用が決まりました。さらに、恩師の先生と先輩から「珍しい種なのによく撮ったね」との声をかけて貰いました。 ところが、その後も何度となく撮影の機会に恵まれ、未だに珍しい種というイメージはありません。あるいは、以前は本当にある程度珍しい種だったのが、温暖化などの理由によってその後数が増えたのでしょうか?あるいは、たまたま遭遇頻度に恵まれた相性のよい種なのでしょうか?未だによく解りません。
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2005.9.7
ようやく晴れ間の覗く天気が戻ってきました。夕陽に照らされて日光浴するイチモンジセセリが、キバナランタナの花の上で翅(はね)を広げていました。そっと近づき、シャッターを切ると、その度にストロボの光に反応して翅を一旦閉じます。 撮影した写真をプレビューしてみて驚きました。どのカットも翅を閉じようとしてかブレています。ストロボの閃光時間は数1000分の1秒ですから、それに反応出来る反射神経なのでしょうか?しかし、考えてみるとそうではないようです。最近のTTLオートストロボは、本発光の前に数回プリ発光して調光精度を上げているようです。どうも、そのプリ発光のほうに反応しているように思えます。 実はこのプリ発光に悩まされているのです。撮影条件によっては、被写体の背後からもう1灯ストロボを同調させたいことがあるのですが、ワイヤレスで同調させよとすると、このプリ発光に反応して、背後のストロボがメインストロボの本発光前に発光してしまって同調しないのです。しかし、今日の光線状態は、わざわざもう1灯ストロボを発光させなくても充分な美しさでした。
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イチモンジセセリ
NikonD2X Tamron90/2.8Macro Speedlight
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ガジュマルハマキモドキ
Ricoh Caplio GX8
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2005.9.6
大型で速度の遅い台風14号は、まだ沖縄地方に影響を与えています。どんよりと曇ったまま、風もまだ収まりません。という訳で、今日も昆虫の撮影日和ではなかったのですが、思わぬ余録もありました。 風が強いために昆虫たちも思うように飛ぶことが出来ず、警戒心が薄らいでいるようです。ガジュマルの木で被写体探しをしていると、必ずと言ってよい程、姿を目にするこの小さなハマキモドキのなかま。その不思議な翅の模様にレンズを向けようとすると、いつもファインダーの中で小さな存在のうちに逃げられてしまうのです。ところが、今日は強風の舞う中に飛び立つ決心がつかないのか、レンズの先端に触れるくらいまで近づいても逃げることなく、たくさんのシャッターを切らせてくれました。ただ、天気がよくないので光量が充分でないのが残念だったのですが。 さらに、恥ずかしいことですが、今までこの蛾をイヌビワハマキモドキだと思い込んでいたのです。ところが、この文章を書くにあたって、図鑑の写真と照らし合わせたところ、翅の模様が違うのです。検索したところ、これまで映像ストックにないガジュマルハマキモドキであることが判りました。映像ストックにまた1種加わることになり、ちょっと得した気分です。
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2005.9.5
台風14号は東寄りの進路を採ったため、沖縄本島地方には大きな影響はありませんでした。それでも、速度が遅いため、夕方になってもまだ強い風が吹き、撮影には苦労します。 一般には、雨の日が撮影に最も不向きな気象条件だと思われ勝ちですが、実際に困るのは風のほうなのです。雨のときは、確かに機材を濡らさないように注意が要りますが、雨ならではの雰囲気ある映像をものにすることも出来ます。しかし、風となるとピントは合わない、ブレるなど、どうしようもない状況です。特に、撮影倍率の高い昆虫などの撮影には、最悪の条件です。 まだ強風の吹く中で、道路脇の植え込みでやっと見つけたハラビロカマキリの幼虫ですが、何とかブレずに撮影出来たのは30カットあまりの中で、数カットだけでした。
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ハラビロカマキリ幼虫
Ricoh Caplio GX8
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トックリキワタ
Ricoh Caplio GX8 Wideconversion-Lens
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2005.9.3
台風の接近のためか、今日は夕暮れが早かったように感じました。そんな中、事務所近くの国道を車で走っていると、薄暗い中でもはっきりと判る鮮やかな花が目に飛び込んできました。 車を停めて近づくと、ほとんど6分咲きに映るトックリキワタの花でした。トックリキワタの花と言えば、例年11月から12月に開花のピークを迎える種類です。ところが、去年の今頃もチラホラと開花していた記憶があります。何故、夏の終わりにこのようなイレギュラーな開花を見せるのでしょうか?理由は判りませんが、少なくとも明日開く花のほとんどは、今回の台風によって散ってしまうのでしょうねぇ。
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2005.9.2
台風14号が沖縄本島地方に近づいてきました。午後から少し風が強まってきたようです。今年の沖縄へ近づく台風はほとんど八重山地方に進路をとり、既に3個が直撃しています。大型かつ勢力の強い台風が沖縄本島に接近するのは、今年初めてでしょう。 夕方、外に出て、昆虫の姿を探してみました。強くなりつつある風を避けてか、あまり目立つ場所では見つかりません。ふと、窪地になり風の避けられる草むらに目をやると、1頭のイワカワシジミがいました。風のためかほとんど動く気配がありません。 このイワカワシジミ、かなり翅(はね)に損傷を受けているのが判ります。果たして今回の台風の接近に耐えられるでしょうか。
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イワカワシジミ
Ricoh Caplio GX8
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