生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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南島漂流記、本日(11/9)から25年目に入ります。 これからも、よろしくお願い致します。
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2001.11.29
今日は、隔週で担当している琉球朝日放送(QAB)のステーションQ・「リュウキュウの自然」のコーナーを写真展会場から中継放送して頂きました。いつもはスタジオからの放送で、簡単な打ち合わせだけで本番突入なのですが、今回は放送5時間前から準備が始まり、リハーサルも4回ほどしたでしょうか?このコーナーも4年目を迎えましたが、はじめての試みで、なかなか新鮮な気持ちになれました。いつもお相手をして頂いている三上智恵さんも、スタジオを離れての中継は、開局直後以来とのことでした。
 会場のパレットくもじビルと琉球朝日放送(QAB)は歩いても5分かからない、本当に目と鼻の先にあって、局の屋上のアンテナも見えているのですが、それでも中継となると中継車を使い、大勢のスタッフの方々が時間をかけて準備されて、大変な作業でした。本当に皆さんお疲れさまでした。
 このような中、ご来場頂いた方々には落ち着いて作品を観て頂くことが出来ずに申し訳なかったのですが、そのおひとりに版画家の儀間比呂志さんがいらっしゃいました。3年半前に、浦添市美術館でやはりデジタル写真展を開いたときに初めてお目にかかったのですが、ご高齢にもかかわらずそのときのことを覚えていてくださり、お声をかけて頂きとても感激しました。
  QAB「リュウキュウの自然」中継・三上智恵さんと(太田千鶴さん撮影)
QAB「リュウキュウの自然」中継・三上智恵さんと(太田千鶴さん撮影)
Canon PowerShot G2
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那覇市民ギャラリー第三展示室
那覇市民ギャラリー第三展示室
Canon PowerShot G2
  2001.11.27
今日から那覇市民ギャラリーで、「湊和雄デジタル写真展-琉球の自然-」が開幕しました(~12/2)。ウィークデイの初日にもかかわらず、多くの皆さんにご来場頂き、ほっとしました。
 ご覧頂いた方々の質問や感想は、コブラのなかまのハイと変形菌の1種と思われるキノコに集中していました。
 ハイは、展示の中でも比較的はじめのほうに並んでいて、あるいはこの手の動物の苦手な方に不評をかうのではと心配していましたが、却って話題となり安心しました。また、紅色の鮮やかなキノコの1種は、今回展示した26点のプリントの中で、実は私自身も特に思い入れの深い作品だったので、とても嬉しい反応でした。
 また、デジタルプリントに関する技術的な質問も少なくありませんでしたが、かなりご年輩でもパソコンに詳しい方がおられ、時代の流れを感じました。
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2001.11.21
昨日あたりから、沖縄の冬の風物詩、サトウキビの花穂が出始めました。
 少し逆光ぎみの光線に照らされると、キラキラと銀色に輝きます。12月から1月にかけて、サトウキビ畑全体がこの銀色の穂に覆われる光景は、とても見応えがあります。出そろった穂が風に揺れる様子は、まるで大海原を眺めているような気分になります。
 前回にも触れたように、冬は決して好きな季節ではありません。ただ、このサトウキビの花穂を眺められることだけは、数少ない楽しみのひとつです。きっと今年の冬も、たくさんのシャッターを押すことになるでしょう。
 残念なことに、沖縄でのサトウキビの栽培面積は年々減少しています。周りのキビ畑がひとつ減り、ふたつ減り、大海原の規模が徐々に小さくなっていくのは、どこか寂しい気分にさせられます。
  サトウキビの花穂
サトウキビの花穂
Canon PowerShot Pro90 IS
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満開のトックリキワタ
満開のトックリキワタ
Canon PowerShot Pro90 IS
  2001.11.18
秋から初冬にかけて観られるトックリキワタの花が、島のあちらこちらで咲き誇っています。濃いピンク色の大振りな花は、秋晴れの空にとても映えます。
 今朝は、さすがの沖縄でもヒンヤリした空気が漂い、いよいよ衣替えの時季の訪れを感じました。しかし、思い直してもう数日だけ半袖生活を続けることにしました。どこかまだ心の中に、夏が遠ざかるのを認めたくない気持ちがあるのでしょう。
 2月生まれの私ですが、元々寒いのが苦手で、東京に暮していたときでも木枯らしが吹く頃になると、とても憂鬱になったものです。南国志向(嗜好)のベースもここらに根ざしているような気がします。
 もっとも、沖縄の冬も北風が強く、小雨や曇りの日がほとんどで、体感温度は決して高くありません。沖縄の冬が暖かく感じられたのは1年目だけで、早2年目からは沖縄の冬の寒さにすっかり順応してしまいました。
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2001.11.11
全国各地で今年の最低気温を記録した朝、沖縄本島中部の空には、ひつじ雲が一面に広がっていました。雲は全く詳しくないのですが、うろこ雲というよりも明らかにひつじのイメージでした。常連の積乱雲が姿を消し、沖縄もすっかり秋のまっただ中にいるようです。
 四季の変化に乏しい亜熱帯の気候と思われがちですが、ここには亜熱帯特有の四季が存在します。一年の半分が夏、4分の1が冬。その間に春と秋が挟まっているといった印象ですが、とりわけ秋は短く感じます。それは、高温多湿の亜熱帯の気候の中で、最も過ごしやすい快適な季節なので尚更なのもしれません。暑くもなく寒くもない快適な陽気は、フィールドワークにも最適です。
  ひつじ雲の浮かぶ秋空
ひつじ雲の浮かぶ秋空
Canon PowerShot G2
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ニトベカズラとアオスジアゲハ
ニトベカズラとアオスジアゲハ
Canon PowerShot G2
  2001.11.9
今日も沖縄本島では最高気温が27℃近くまで上昇しました。青空の下、ひときわ映えるのがニトベカズラの紅色。在来種ではなく栽培植物ですが、この花と葉と青空の組み合わせは、いつも亜熱帯らしさを存分に演出してくれます。個人的には、沖縄の花のベスト5に入るくらい気に入っています。この花は昆虫たちにも人気が高く、次から次へとさまざまな種が訪れます。ミツバチ、ホウジャク、ウスキシロチョウ、ツマムラサキマダラ、リュウキュウアサギマダラ、シロオビアゲハ、ナガサキアゲハ、アオスジアゲハなどなど。
 亜熱帯とは言え、常にニトベカズラの美しい花が観られる訳ではありません。数ヵ月の周期があるようです。そして、年内はこれが見納めになるような気がします。
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