生まれてから19年間過ごした東京ですが、どうも都会の生活は苦手で落ち着かないものでした。そして、その東京よりも長くなった沖縄での生活が続いています。 しかし、長いからといって、その土地の人になることは出来ません。こうしてみると、本当に自分自身の落ち着ける居場所は何処にもないような、そんな気もしてきます。 でも、これからも沖縄に住み、あちらの島やこちらの島を転々としながら、野生動物たちの撮影を続けていくことに変わりはないでしょう。 その仕事にしても決して要領のよいものでなく、いつもどこかワンテンポずれたことばかりのように感じます。 ゆったりと流れていく時の中に浮かぶ、南の島での毎日を少しずつ紹介できればと思います。 しかし元来が怠け者で、夏休みの絵日記もまともに付けたことのない性格、どれくらいのペースで更新できるかは、当の本人にも全くわかりません。
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南島漂流記、本日(11/9)から25年目に入ります。 これからも、よろしくお願い致します。
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2001.12.30
冬型の気圧配置に変わってからも、毎日が悪い天気というわけでもなく、周期的に晴れ間も巡ってきています。そのよな青空の下、目に付くのは菜の花です。一般に菜の花は早春の花のイメージがありますが、南国沖縄ではちょうど今頃から最盛期を迎えます。
 菜の花というと、本土ではアブラナが最もポピュラーかと思いますが、沖縄ではアブラナはあまり見られず、ほとんどがカラシナのようです。暖かな陽射しの下、ミツバチが繰り返し訪花していました。
 同じアブラナ科植物のキャベツも本土とは季節的なズレがあります。真冬にも栽培が続けられる一方で、最も気温の上がる7、8月にはほとんど収穫出来なくなります。やはり寒冷地作物は、亜熱帯の気候にはあまり向いてないようです。
  菜の花(カラシナ)
菜の花(カラシナ)
Canon PowerShot G2
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散ったブーゲンビリア
散ったブーゲンビリア
Canon PowerShot G2
  2001.12.21
昨日までの陽気とは打って変わり、今日は寒い一日となりました。小雨まじりの北風が強く吹き、事務所の入っている建物の1階に植えてあるブーゲンビリアもかなり散ってしまいました。週間予報を見ても、これから先は最高20度最低15度前後の気温が並び、いよいよ沖縄にも本格的な冬がやって来たようです。
 沖縄の冬の気候は雨や曇りの日が多く、強い北風が吹き荒れます。このために実際の気温よりも体感気温は低く、意外に寒い亜熱帯の冬となります。この辺りが、沖縄は冬の観光地として、ハワイ、グァム、サイパンなどに対抗出来ない最大の要因と思われます。
 沖縄の生活も20年以上になりますが、冬が暖かく感じられたのも最初の年だけで、2年目からは充分に寒いものに順応してしまいました。
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2001.12.10
今日は、ビデオ撮影のために本島南部の摩文仁(まぶに)まで行って来ました。冬になると、リュウキュウアサギマダラ、アサギマダラ、ツマムラサキマダラ、オオゴマダラなどのマダラチョウの仲間たちが集まり、越冬集団を形成します。特に、リュウキュウアサギマダラ、ツマムラサキマダラの集団は、ときに100頭前後の規模となり見応えがあります。
 越冬集団と言っても、亜熱帯ではあまり厳密なものではなく、暖かい日の日中は盛んに飛び回り、訪花吸蜜や求愛などの行動も見られます。そして陽が傾いて気温が下がると、谷間の枯れ枝やつるに集団で休むといったものです。
 今年の沖縄はまだ本格的な寒さが訪れておらず、マダラチョウたちも盛んに活動していました。特にオオゴマダラは、かなりの個体がいろいろな花にやって来ては、求愛行動を繰り返し見せてくれました。
 撮影地の摩文仁は、沖縄戦終焉のの地として有名です。公園として整備され、遊歩道が敷設されていますが、一歩茂みに入ると、まだ遺骨が残されていることもあります。
  オオゴマダラ求愛行動
オオゴマダラ求愛行動
Canon PowerShot Pro90IS
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リュウキュウダチョウ?
リュウキュウダチョウ?
Canon PowerShot G2(Wコン使用)
  2001.12.5
ひと頃ヒンヤリとした日が続き、いよいよ冬の生活かと覚悟していましたが、またこのところ暑い日が戻っています。もちろん、まだ半袖生活を楽しんでいます。朝の気分で長袖を着込み、日中に汗ばんで後悔することも少なくありません。渋滞に巻き込まれると、思わずカーエアコンをONにしてしまうこともあります。恐らくこの季節、本土との気温較差の最も大きな時期ではないでしょうか。東京とでも20度、北海道とは30度以上かもしれませんね。
 このような夏を思わせるの陽気の中、車を走らせていると、この暑さに相応しい光景が目に飛び込んできました。ダチョウです。当然のことですが、沖縄にダチョウは生息していません。数年前より徐々に飼育が盛んになってきたものです。もちろん、観賞用でも、愛玩用でも、ましてや乗るためでもありません。食用です。私も何度となく食べましたが、これが全く鶏肉のイメージではないのです。完全な赤身の肉で柔らかく、まるで上質の牛ヒレ肉を食べているかのようです。ですが、脂肪分はほとんどなく、とてもヘルシー感覚です。
 あちらこちらで、空地を利用して飼育されています。少し前まで、高架道路のすぐ脇のビルの屋上で飼育しているところもありました。この写真は事務所の近くでですが、写真を撮ろうとすると、手に噛み付いたり、レンズを嘴で突いたり、風貌どおりのワルぶりを発揮してくれました。
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電照ギク畑
電照ギク畑
Canon PowerShot G2
  電照ギク畑
電照ギク畑
Canon PowerShot G2
 
2001.12.3
沖縄の冬の夜景を飾るものに、クリスマスイルミネーションがあります。以前は、米軍住宅や米軍施設の鉄塔に立派で鮮やかなものが多かったのですが、最近は沖縄の住宅や携帯電話のアンテナのほうが派手で目立つようになったと思います。
 それぞれに個性があって楽しめるのですが、個人的にもっと気に入っている夜間照明があります。電照ギク畑の照明です。年末年始の花卉市場をターゲットにしたもので、これからの季節が最盛期を迎えます。
 もちろん電照ギク栽培は本土でも行われていますが、それはすべてハウス栽培で、このように路地栽培なのは沖縄と台湾だけだそうです。ハウスの資材費や暖房費の要らない沖縄は、輸送費を差し引いても利があるようで、冬場の園芸作物としてかなりの幅を利かせています。
 今頃の季節になると、一面に広がる電照が暗闇のあちこちに浮かび上がり、面白い模様を描き出しています。ハウスを必要としない照明光の鮮やかさと自由な形状は、沖縄ならではの夜景を造り出しています。
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